本棚の歴史 ヘンリー・ペトロスキー 白水社 2004 Henry Petroski The Book on the Bookshelf 1999 [訳]池田栄一 鉛筆や橋を同じ目で見られるか。 ペトロスキーはそれをする。 身体とともにモノを見る。 手続きや技法とともにモノを見る。 「工学する目」の重要性。 仮説することの工学性。 では、本棚とは何だったのか。 アブダクションの編集工学なのだ。 こんな一冊からも世界が変わって見えていく。 今晩は軽い一冊を紹介する。 第752夜の『棚の思想』の歴史版とでもいうもので、かつ第282夜に書いた『ヨーロッパの歴史的図書館』の姉妹篇というあたりに位置づけられる。そういうわけで気軽に読める軽い一冊ではあるのだが、この著者ペトロスキーはちょっとユニークだ。なんであれ道具というものを工学してしまうのだ。 ぼくがペトロスキーを最初に読んだのは『鉛筆と人間』だっ