「中華民族は一つの家族。共に中国の夢を築こう」。市内の幹線道路にある巨大な電光掲示板に、中国語とモンゴル語を併記したスローガンが流れていた。食堂や商店などの看板にも両言語が並ぶ。内モンゴル自治区の面積は日本の約3倍。人口約2400万人の8割超が漢族で、モンゴル族は約400万人が暮らす。 タクシーに乗って男性運転手と雑談するうちに、小学4年の子どもがいると分かり、教育改革について尋ねた。「9月からモンゴル族の小中学校1年生は国語の教科書がモンゴル語から標準語に変わった。来年から道徳と歴史も標準語の授業になる」と話し、言葉を継いだ。「内モンゴルを出たら生活や就職に不便だから、標準語を話せるようにするだけだよ」 抗議デモについて聞くと「…それはデマ」と答え、車載カメラを指さした。「乗客とのやりとりは会社にチェックされる」。そう言った後は寡黙になった。 書店や文具店が集まるエリアにモンゴル語専門の