【カイロ秋山信一】4~5月のフランス大統領選(2回投票制)の有力候補である極右政党「国民戦線」党首のマリーヌ・ルペン氏(48)が訪問先のレバノンでの言動で物議を醸している。同国のイスラム教スンニ派の最高イスラム法官(大ムフティ)との会談時に髪を覆うためのスカーフの着用を拒否して会談をキャンセル。シリア情勢では「アサド大統領(の留任)こそが現実的な問題解決策だ」と述べ、反体制派を支持するスンニ派勢力の反感を買った。 レバノン国営通信によると、ルペン氏は21日に大ムフティと会談するために宗教令庁を訪問したが、事前に要請されていたスカーフの着用を拒否し、会談はキャンセルされた。ルペン氏は「(2015年にカイロでスンニ派権威機関)アズハルの総長と会談した際はベールを着用しなかった」と不満を述べた。宗教令庁は「不適切な振る舞いを残念に思う」との声明を出した。