DAGシリーズの(とりあえず)最終回です。よく「因果関係と相関関係は違う」*1といいますが、具体的にどのような場合に両者が一致しない(バイアスが生じる)のかをDAGをつかって整理します(簡単にそれぞれのバイアスへの対応策にも言及しますが、各手法の詳細は別の機会に譲ります)。 シリーズ第一回と第二回では、DAGを使う意義やその書き方・読み方のルールについて書いてきましたが、実はこれらはすべて今回の第三回につなげるための伏線でした。本記事はDAGに関する基礎知識を前提として書き進めていくので、不安な方は過去記事を参照してみてください。基本的な内容ではありますが、介入効果の評価などデータを扱って因果関係を考えていくうえで避けては通れない非常に重要な内容だと思うので、気合いをいれてまとめてみます。 まずは用語の定義 ニセの関連が生じるパターン1:交絡 古典的な交絡の定義 DAGによる交絡の整理と交