緑の力、再生と適応 インタビュー/ ARTiT編集部 写真:野村佐紀子 ART iT あなたは、垂直庭園のコンセプトを1960年代にはすでに思いついたと伺いましたが、それは本当でしょうか。どういう経緯でコンセプトを思いついたのでしょうか。 パトリック・ブラン(以下、PB) 本当です。しかし垂直庭園そのものをすぐに思いついたわけではありません。5、6歳の頃、家に水槽がありました。水槽の中には熱帯魚と水草がありましたが、水質を保つためには水草が、そして水草の成育のためには光が必要でした。それらをすべてを良い状態に保つために、フィルターでほこりを除去する必要があり、さらに環境条件には絶妙なバランスが必要だという事実に興味を持ったのです。その頃は今使っているようなフェルトはまだ存在していませんでしたから、羊毛繊維の布で通常より大きなフィルターを作ってみたりしました。60年代になって、化学繊維が手に