ブックマーク / biome.co.jp (7)

  • ひねくれることには意味がある

    ネジバナ Spiranthes sinensis は、春から夏にかけて、芝生の上でよく見られる小さなピンク色の花をつける雑草です。このネジバナ、名前の通り小さな花が螺旋状についているのですが、ねじれ具合が株によって異なります。今回は、ネジバナのねじれ具合についてお話したいと思います。 ネジバナとは? ラン科ネジバナ属の多年草です。ヨーロッパ東部からシベリア、アジアの温帯から熱帯地域、オセアニアに分布し、日でも全土で見られます。日当たりの良い、湿り気のある土地を好みます。ラン科では珍しく、都市の公園の芝生のような強い人為的撹乱を受けた土地でも見られます。花が可愛らしいため栽培されることもありますが、菌根菌と共生するため、共生菌がいない環境では栽培が難しいと言われています。 ねじれる花 ネジバナの特徴は、なんといっても小さな花が花茎に螺旋状に並んでついていることです。このねじれ具合は株によっ

    ひねくれることには意味がある
    barringtonia
    barringtonia 2021/12/02
    “訪花昆虫が少ない環境では、ねじれの少ない花が有利であり、訪花昆虫が十分に存在する環境では、自家受粉をより防ぐことできるねじれの大きい花が有利になる”
  • ポッサム・オポッサム問題

    ポッサム、オポッサムの名前の由来 Opposum オポッサムは、北米ネイティブアメリカンのアルゴンキン語で「白い動物」を意味し、Possum ポッサムは、オポッサムの「オ」という音が抜けた言葉(語頭音消失)です。 ポッサムとは? ポッサムは、オーストラリア、ニューギニア島、スラウェシ島に生息する中もしくは大型の樹上性の動物です。有袋類であり、カンガルーやコアラなどが属する双前歯目に属します。 英名でポッサム Possum が名前につく動物は、クスクス亜目に属する6科すべての中に計約30種も存在します。クスクス亜目に属する種は70種ほどであるため、クスクス亜目の中の種の半分弱はPossumが名前に付く動物であるということになります。クスクス科のフクロギツネ Common brushtail possum(ブラシのような尾をもった普通のポッサム)、フクロミツスイ科のフクロミツスイ honey

    ポッサム・オポッサム問題
  • サンタクロースのソリを引くトナカイはみんなメス

    クリスマスにサンタさんのソリを引く生き物は、立派な角の生えたトナカイです。立派な角が生えているのだから、なんとなくオスだと思っている人も多いかもしれません。ですが、実はトナカイの生態から考えるとメスしか有り得ません。今回は、トナカイの角のお話です。 なんとなく、シカは、角が生えている方がオス、という印象がある方も多いかもしれません。実際、トナカイ以外のシカ科はオスだけが角を生やします。角は一年に一度生え変わります。角は春になると生え始め、繁殖期である秋に最大になり、繁殖期が終わる冬頃に抜け落ちます。ニホンジカでは、オスの角は5-6歳頃まで毎年枝が一ずつ増え、見た目にもどんどん立派になります。大きな角は、オス同士の戦闘に役に立つのはもちろん、十分に成長し、経験もつんだことをアピールするのにも役立つと考えられます。ニホンジカでは、繁殖期になると複数頭のメスの群れを一頭のオスが囲いますが、オス

    サンタクロースのソリを引くトナカイはみんなメス
    barringtonia
    barringtonia 2021/01/29
    “オスのトナカイは繁殖期が終わった秋から冬にかけて角を落とすため、冬には角がありません。冬に角を生やしているのはメスだけであるため、サンタさんのソリを引く立派な角のトナカイはメス”
  • ネバネバ地獄を制したモチツツジカスミカメ

    前回のブログで、モチツツジのネバネバに多くの昆虫がくっついて死んでしまうことをお話しました。しかし、ネバネバ地獄を克服できた者にとって、そこは、次から次へと身動きが取れなくなった獲物が手に入る天国のような場所です。今回は、そんな天国を手に入れたモチツツジカスミカメのお話です。 モチツツジカスミカメとは? 1993年に発見されたカスミカメムシ科の昆虫です。モチツツジの上でしか報告がありません。そのため、分布もモチツツジの分布と完全に重なっており、州中西部から四国にかけて生息しています。モチツツジカスミカメがモチツツジにくっついて死んだ昆虫に口吻を差し込んでいる様子がよく観察されており、それらの昆虫から栄養を得ていることが報告されています。 また、モチツツジにも口吻を差し込み栄養を得ている雑性の昆虫です。 どうやったら見つけられるの? 体長は、成虫でも4.5mmほどと小型であり、体色も緑色

    ネバネバ地獄を制したモチツツジカスミカメ
    barringtonia
    barringtonia 2020/10/04
    粘液で植食者に対して防衛するモチツツジの上だけに生息し、粘液にトラップされた昆虫の体液を吸うカメムシ
  • カエルの色が変わる仕組み

    アマガエルが、周囲の色に合わせて体色を変化させているのを見かけたことがある方もおられるかもしれません。一体どのような仕組みなのでしょう。前回のイカの体色変化に引き続き、今回はカエルの体色変化についてのお話です。 色が変わるカエル アマガエルは、植物の葉の上に居るときは黄緑色をしていますが、茶色い地面に居る時は暗い色に、コンクリートの上に居る時はコンクリートに似た灰色っぽい色になります。正常なアマガエルは、黄緑、茶色、灰色、白色に色を変えることができます。 このような色の変化は、シュレーゲルアマガエルやモリアオガエルなどの他のミドリ色のカエルにも見られますが、日で最も顕著にこの変化を確認できるのはアマガエルです。 アマガエルの色が変わる仕組み アマガエルの皮膚は、表面から黄色素胞、虹色素胞、黒色素胞の三層構造になっています。イカの体色にも使われている虹色素胞は結晶構造を持っており、構造色を

    カエルの色が変わる仕組み
    barringtonia
    barringtonia 2020/10/04
    イカやカメレオンの体色変化は神経制御だが、カエルはホルモン制御のため時間がかかるとのこと。
  • 他人の衣を借る貝!?世にも奇妙なクマサカガイ

    誰かが、飾りとして作ったとしか思えない姿。こんな貝が当にいるのかと、目を疑いました。その名もクマサカガイ。今回は、クマサカガイとはどのような貝で、何のためにこんな姿をしているのかについて、お話したいと思います。 クマサカガイとは? クマサカガイ Xenophora pallidula は軟体動物門腹足綱クマサカガイ科 Xenophoridae の貝です。平安末期の大盗賊、熊坂長範が七つ道具を背負っている姿に似ているということからこの和名がついたという説があります。クマサカガイ科の貝は、直径10cm、高さ6cmほどの大きなものからから直径2cm、高さ2cmほどの小さなものまで大きさは様々です。クマサカガイ科の貝は、20種ほどが知られており、日にも、少なくとも数種のクマサカガイ科の貝が生息しています。クマサカガイ科のすべての種が貝殻や石を付着させる習性を持っており、英語では、Carrier

    他人の衣を借る貝!?世にも奇妙なクマサカガイ
    barringtonia
    barringtonia 2020/03/08
    すごい
  • 1日8時間は普通じゃない?哺乳動物の多様な睡眠

    ヒトの睡眠は、夜に連続して8時間ほどです。一日に何回寝るのか、何時間寝るのかは、哺乳動物の種によって大きく異なります。実は、哺乳動物の中で、一日に一回しか寝ない種は少なく、ヒトのように雑でありながら8時間しか寝ない種も珍しいです。今回は、哺乳動物の眠りの長さと回数には、どんな傾向が見られるのか解説したいと思います。 性によって睡眠の長さは異なる 睡眠の長さは、哺乳動物の場合、動物の分類群ではなく、性とサイズに依存しているようです。 まず、性については、草、雑、肉動物の順に、平均睡眠時間は7-8時間、約12時間、約13時間です。草動物の睡眠時間が短い理由は、植物は肉に比べて栄養が少ないため、草動物は、肉動物よりも多くべ物をべる必要があり、べることに費やす時間が長いためだと推察されています。ヒトの生活では、起きている時間のうち直接べることに使う時間よりも、仕事や遊び

    1日8時間は普通じゃない?哺乳動物の多様な睡眠
    barringtonia
    barringtonia 2020/03/08
    草食動物では、体重と睡眠時間に負の相関があるとのこと(雑食・肉食動物では体重との相関は弱い)。何となく、正に相関しているイメージだった。
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