「50年後の服と世界と私を考える」ファッションSFウェブジン
連載「いつでもSF入門」 投稿日 2021-09-21 Author 橋本輝幸 LIFESTYLE 冒険する SF研究家・アンソロジストの橋本輝幸による連載「いつでもSF入門」。第1回はファッションとSFの“蜜月”について。化粧SF、『キルラキル』のオマージュ元、「ファイバーパンク」、C.EやHATRAなど日本のファッションレーベルとSFの関係。そして、ルッキズムの問題に迫る。 SFと聞いて真っ先に思い浮かぶ絵面は、宇宙やメカ、異星人のビジュアルではないだろうか。しかし実際はごく身近な題材もSF小説の題材になる。今回は化粧や衣服など、身に着けるものをモチーフにしたSF小説を紹介する。 Illustration Fuyuki Kanai 1.化粧とSF 化粧品や美容器具がテクノロジーの塊なのは、少し化粧品の情報をあさればすぐにわかるだろう。今やインターネットにも街中にも人のコンプレックスをあ
子供の頃、誰かの創った夢物語に思いを馳せ、仮にこうであったならと想い、結局大人の都合に振り回され続ける現実の自分に嫌気が刺す日々を送っていた。 夢を語れと問われても、それは大人の都合のいい答えが出るまで繰り返される尋問で、明治から続く呉服家業の直系長男の跡取り息子は大人の喜ぶ答えを笑顔で騙った。 そんな自分がSF作品、特にサイバーパンクと呼ばれるような作品に心を惹かれるようになったのは、作品の世界観やテーマが、大嫌いな自分と真逆で、自分の在りたい姿だったからだ。 ハイテク技術で作られたガジェットやサイバーな衣服に身を包む人々の姿が、体制側の力に抗う心が、少年の自分に勇気を与えてくれた。 DJ⑨として生きていく決意に満ちた自分は、実家に中指を立てて、自分の人生を改めて生きることにした。 さて、元・呉服店おぼっちゃまが、一匹狼気取りなサイバーパンク野郎となってから、自由を手にしてまずやったこと
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