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ブックマーク / yoghurt.hatenadiary.com (31)

  • せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族

    TVでは、芸能人が我々に呼びかけている。「デマに騙されないようにしよう」ずいぶんと難しいことを言ってくれる、とおれは思う。デマに騙されようと思って騙される人間はいない。みな、正しいことをするつもりで間違えるのだ。 芸能人たちはこんなことも言っていた。「被災者の気持ちになって考えよう」確かにこれは大事なことだ。けれど、難しい。とりわけおれのような人間にとっては。おれは頭が悪いから、福島の原発について、土地を奪われた人間の気持ちをほんとうには想像することはできない。ただ、自分に置き換えて考えてみることしかできない。 もしも、自分の住む街に原子力発電所があったらどうだろう? 自分の故郷が、放射性物質に汚染されてしまって、二度と帰ることできなくなってしまったらどうだろう? しかも、その原子力発電所は遠く離れた東京に電気を供給するための施設なのだ。なぜ、自分たちだけが、東京の犠牲にならなければならな

    せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族
  • それからの十日間 - 未来の蛮族

    あの地震のあとには、あらゆるものの見え方が変わってしまった。というのはやはり言い過ぎで、変わるものもあれば変わらないものもある。今日の気分はどちらかといえば、変わっていない、という方向に流れているかもしれない。それでも、風のにおいや空の色は確実に変わってしまったような気がしているのだけども、きっと変わってしまったのは、おれの方なのだと思う。被災に遭われた方々のことを思えば、こんなのんきなことを記していくのはおかしいし、拙い上に何の実用性も持たないこの文章だって、電力によって記録され、送信されているのだから、ほんとうに申し訳ないと思うのだけど、最近のおれはよく空をみるようになったし、桜のつぼみが開きはじめたことにも気がつくようになった。 ▽ もちろん、それは地震から一週間以上経った今だから言えることだ。地震の翌日、3月12日には、ずっとテレビとネットを眺めていた。翌々日の3月13日もそうだ。

    それからの十日間 - 未来の蛮族
  • ゆとりをうらやむ歌 - 未来の蛮族

    人類がいちばん腐っていた時代に生まれ育った老人たちが、今日も若者たちを罵っている。彼らが言うには、最近の若者たちは「とにかく覇気がない」し、「ゆとり教育のせいで競争心を失い」「向上心も持たず」「欲しいものさえもない」「去勢された羊のような連中」であるらしい。「これだからゆとりは」何度この文字列を目にしたことだろう。僕には老人たちの言うことがよくわからない。いわゆる「ゆとり」と呼ばれる若者の性質は(仮にそれが評判通りであれば)この、衰退していくかつての先進国で生き抜くための、最適解であるようにしか思えないからだ。夏には夏の、冬には冬の過ごし方がある。熊だって冬になれば眠りにつく。まして、この冬には春が約束されてはいないのだ。老人たちは、「どうして夏のように歌い踊らないのか?」などといって若者を責め立てるけれども、そこにはキリギリスがアリを説教するかのような滑稽さしかない。 やはり、どう考えて

    ゆとりをうらやむ歌 - 未来の蛮族
  • 最終章 宇多田ヒカル - 未来の蛮族

    宇多田ヒカルについて、ずっと書きあぐねたまま、どれだけの時が経ってしまったのだろう。少なくとも年の単位で、おれの文章は彼女に触れることをためらい続けている。もともと、おれは「風林火山の如く女を語れ!」という、90年代のアイドルをテーマにした一連の企画の最終章に宇多田ヒカルをもってきたいと考えていて、風*1、林*2、火*3、とここまでは順調に書き進めることができたのだけど、山、すなわち宇多田ヒカルまでやってきたところで、突然に文章を書くことができなくなってしまったのだった。 他の三人に比べて、宇多田ヒカルに特別な思い入れがあるわけではない。それほど難しいテーマだとも思っていない。おれは、彼女のことは分かりすぎるくらいに分かっているつもりだ。にもかかわらず、おれが彼女について書くことができないのは、書いてしまえば、書いて、ネットにアップしてしまえば、きっと彼女はその文章を見つけてしまうだろうこ

    最終章 宇多田ヒカル - 未来の蛮族
  • 十年前、教室で - 未来の蛮族

    先日、とうとう28歳になってしまいました(1982年生)。昔を懐かしんでセンチメンタルな感傷に浸っても許される、そんな年齢になったんだなー。というわけで、今日は十年前高校生だったおれが十年前の教室ではどんな音楽が流れていたか。その辺のところを書き残しておきたい。ただ、おれの記憶はすでにあいまいであって、高校生だった三年間(1998.4〜2001.3)の出来事が、だいたい一年分くらいの容量に圧縮されてしまっている。時系列とか、事実関係はそうとうにいい加減なものになっていることが予想されるので、そこら辺は適当に補って読んで頂きたく。また、おれは沖縄の高校に通っていたので、局地的な流行も混じっているかもわからない。 あのころのトレンドを一言で言えば「ビジュアル系の終わり、パンク・ミクスチャーバンドの台頭」ということになるかと思う。もちろん、その当時というのはビジュアル系はまだまだ現役で、GLAY

    十年前、教室で - 未来の蛮族
    bassai718
    bassai718 2010/06/17
    同世代です。上京してからもう10年と思うとしみじみする。
  • 夢見るブロガー、木造校舎で怪魚と闘う - 未来の蛮族

    突然、何もかもが嫌になってしまったので、たらい舟に乗ってid:hey11popさんと佐渡が島に行ってきました。 たらい舟を縦横無尽に操るガール。正直なところ、どういう原理で前に進んでいるのかさっぱりわかりません。 しかし、どういう原理で前に進んでいるのか分からないのは我々の人生も全く同じ。 前に進む、と言えば聞こえはいいものの、実際のところは、いつかは訪れる死に向かって漫然と流されているだけに過ぎません。 このままではいけない。 そう思えばこそ、我々は佐渡を訪れることを決意したのです。 古の人々は黄金を求めて佐渡に渡ってきたといいますが、我々は彼らよりもずっと欲深です。 我々の求めるものは、黄金以上に価値あるもの。 すなわち、このクズ社会で失ってしまった我々自身の心にほかなりません。 「失った心を取り戻したい」 そう願う我々は、たらい舟ガールとともに、ある小学校に辿り着いていました。 木造

    夢見るブロガー、木造校舎で怪魚と闘う - 未来の蛮族
    bassai718
    bassai718 2009/11/20
    いつもながらいい写真と文章。
  • 人生は、『はがねのつるぎ』を手に入れるまでがいちばん面白い - 未来の蛮族

    異論は認めない。だいたいなんだってそうなのだ。「おうじゃのつるぎ」だの「はかいのつるぎ」だのといったような、伝説級の武具。それらは確かに格好いいかもしれない。しかしだ。それらを手に入れたとき、我々の心はほんとうにときめいているだろうか? だいたい、そんな大層な武器を手に入れたところでだ、我々にはどこにも行くところがないじゃないか。もう地図はほとんど埋め尽くしてしまっているころだし、呪文だってもう「ギガディン」なんて名前の、あからさまに最強くさいものを覚えてしまっていたりする。強力な武器や魔法を手に入れたところで、それを用いて闘う相手などいやしない。せいぜい魔王か、さもなれけばとってつけたような隠しボスが、倦み疲れた我々を接待してくれるだけだ。 もはやそこに冒険はない。 あるのはただ、憂な義務感だけだ。 「はがねのつるぎ」には、そうした重たさはない。その切っ先が指し示す先には、ただただ限り

    人生は、『はがねのつるぎ』を手に入れるまでがいちばん面白い - 未来の蛮族
  • ぜんぶ、ストIIのせい - 未来の蛮族

    USSR!飛行機がザンギエフステージに向けて飛び立つ瞬間に鳴り響く、あのボイス。 USSR。幼かった僕は、それがソヴィエト連邦の略称であることさえ知らなかった。 僕の辞書はナポレオンもびっくりするほど白紙のページばかりで、不可能も可能も全く掲載されてはいなかった。これから書き込んでいかなければならないことが山ほど残されていた。そんな僕が知っていた、数少ない真実。 それは、ストリートファイターに登場するキャラクターは、みな最高だということだった。以前、SNKのキャラクターデザインのことを、口を極めて罵ってしまった僕だけれども、格闘ゲーム界のもう一方の雄であるCAPCOMの「ストリートファイターII」のキャラクターデザインについては、悔しいけれど・おまえに夢中と言わざるをえない。 ダルシム、ブランカ……ほんとうに、僕は彼らが大好きだったのだ。 *1 けれど、彼らのことを思うとき、少し後ろめたく

    ぜんぶ、ストIIのせい - 未来の蛮族
  • おれたち秘境探検隊vol.1―東京の廃村― - 未来の蛮族

    幼児性の抜けきっていないおれは、傘を持つたびに自分を剣士だと錯覚してしまう。しかも、実際は幼児以下であるところのおれは、自分がどのような剣士であるのかさえもあやふやなままで、一歩ごとにサムライになったり、ナイトになったりする。もちろん、おれは剣士ではない。誰だって剣士ではない。しかし、傘を持ったときでさえ剣士になれないような石ころ野郎に、いったい何の用があるというのだろうか。少なくともおれはそんな人間には興味がない。 そんな事ばかり言っているから、おれの周りからまともな人間がどんどん離れていってしまったのだろう。今では、視界に入るのは妙ちきりんな人間ばかりだ。妙ちきりんといっても、彼らは、そしておれは、妙ちきりんなままでこの社会を生き抜くことなどできないことを知っている。 おれたちはきっと、陸に上がった魚のようなものなのだ。海の不在に口をぱくぱくさせながら、大地に点在する沼地を渡り歩くこと

    おれたち秘境探検隊vol.1―東京の廃村― - 未来の蛮族
  • 今年の文学フリマはスゴいぜ!こっそりおれも書いてるぜ!! - 未来の蛮族

    ここのところ、大物はてなダイアラーの文学フリマ参戦のニュースが相次いでいますが、実は僕もこっそりパーティーに紛れ込んでいます。今回、ヨグ原ヨグ太郎は、UMA-SHIKAという雑誌で小説を書きました。ちなみにこの雑誌、UMA-SHIKAは、ムチャクチャ面白いですよ。これは、自分が参加しているから言うのではなくて、ほんとうにそうなのです。こんなヤバい代物、今まで読んだことねえヨ……!そんな驚きを与えてくれる作品が幾つも幾つも収められているのです。 《小説》存在しない三つの故郷についてのメモワール(id:Geheimagent) 《小説》デストルクティオン(id:Dirk_Diggler) 《小説》あっちゃんの東京暴動(id:yoghurt) 《小説》マリンパレス(id:acidtank) 《まんが》かえってきた小鳥 おそろいのポシェット(id:ayakomiyamoto) 《小説》FIVE(i

    今年の文学フリマはスゴいぜ!こっそりおれも書いてるぜ!! - 未来の蛮族
    bassai718
    bassai718 2009/05/06
    当日ぜひ買いに行きたいと思います!楽しみ
  • 静林の如く、女を語れ! 第二章 ともさかりえ - 未来の蛮族

    はじめに断っておくが、僕はともさかりえに恋したことはない。それどころか、僕は彼女について、何一つ語るべき言葉を持っていないのだ。かろうじて、顔がうつみ宮土里に似ているナア……というような感想を持つくらいである。僕にとって、ともさかりえは「語るもの」ではなくて、常に「語られるもの」だった。椎名林檎は、彼女を評して、「きれいで儚い人」だと語った*1。伊集院光は、「微妙な顔なのに美人扱い」「顔が曲がっている」といったような、かなりひどいことをラジオで喋っていた。(深夜の馬鹿力でそのようなことをよくネタにしていたように記憶している)。そのどちらも、僕にはいまいちピンと来なかったのだけれど、不思議に心の隅にひっかかってしまって、今日に至るまで忘れることができなかった。ともさかりえ自身よりも、ともさかりえについて語る彼らのことが気になっていた。僕には、彼らがともさかりえにかこつけて、他の何かを語ろうと

    静林の如く、女を語れ! 第二章 ともさかりえ - 未来の蛮族
  • 疾風の如く、女を語れ! 第一章 川本真琴 - 未来の蛮族

    真琴。今となっては、ずいぶんと古い名前に感じられるかもしれない。 映像は、彼女のデビュー曲、愛の才能*1。当時13歳だった僕は、この曲の歌い出し、しょっぱなのワンフレーズだけで、一瞬のうちに恋に落ちてしまった。 「成長しない」って約束じゃん 僕の衝撃を想像頂けるだろうか。なにしろ僕は13歳だったのである。右も左もわからぬ年齢だ。右も左もわからぬままに右頬を張り飛ばされて、僕は頼まれもしないのに左頬を差し出した。繰り返すが僕は13歳だったのだ。成長痛で夜も眠れない僕に、「成長しない」という「約束」が唐突に突きつけられたのだ。随分、一方的な約束もあったものだが、心を奪われた僕は従わざるをえない。それほどにこの約束は魅力的だった。川真琴……蛙みたいな顔しているくせに、どうしてこんなにエロティックな約束を突きつけることができるのか? 成長、の「せい」、その息遣いに含まれた圧倒的なまでのエロさ

    疾風の如く、女を語れ! 第一章 川本真琴 - 未来の蛮族
  • 下ネタを巡る幾つかの葛藤、もしくは世界同時セックス論 - 未来の蛮族

    最近、めっきり下ネタが苦手になってしまった。もともとおれは下ネタにはかなり厳しいルールをもって臨むタチだったから、そうなってしまうのもある程度やむをえないことなのかもしれない。厳しいルールというのは、一言で言えば、下ネタには夢がないとダメだよね、ということ。夢のない下ネタっていうのは生々しいというか肉々しいというか、そういうもの。最近彼氏にフェラーリ褒められるんだ〜☆とか、好きな体位は宣教師スタイルなんだ〜☆、だとか、そういう話を女の子がしてたとしてもね、おれはそういうの聞きたくないのよ。そういうのをにやにやしながら聞いてる自分も嫌なのよ。 例えば、複数プレイの話をするんでもね、おれは3Pとか4Pとかの話は聞きたくないわけ。なぜって3Pとか4Pだったらひょっとするとありえちゃう話だし、ほんとうにそいつが体験した話かもしれないじゃない。そうじゃなくて、おれが聞きたい下ネタっていうのは、1,0

    下ネタを巡る幾つかの葛藤、もしくは世界同時セックス論 - 未来の蛮族
  • もっと、食パンのようなブログを! - 未来の蛮族

    雲のジュウザに憧れて生きてきたおれが、なんでサラリーマンなんかやってンだよ……!バカかよ……!だいたい、雲ってイメージほど自由じゃねエよ! 行先風向依存じゃねエかこの雲固野郎が! ちょっと前なら、上のような弱い内容でも、1エントリとして堂々とアップしていたんだよね。しかし、今はちょっと無理だろうなと思う。この程度の内容なら、twitterかwassrに書けば? そんな批判を、日記を書く前から感じ取ってしまい、キーボードを打つ手が震えてしまうのだ。いや、もちろん、皆そんなことをわざわざ表立って言ったりはしないだろうとは思うよ。でも、かえってそのことによって、心の内では皆そう思っているのではないか……? という疑念を晴らすことはできなくなってしまったりもする。 まあ、他人が何文字でエントリ書こうがどうでもいいっていうのが実際のところだろうけど、自分がブログを書く段になると、結構この辺のことを気

    もっと、食パンのようなブログを! - 未来の蛮族
  • デイドリームはチャイナタウンで - 未来の蛮族

    春節*1の横浜中華街に行ってきました。 北京ダック。 もちろん、そのような高級材を注文するお金などあるはずもなく、 僕はトランペットを前にした少年のように、ただひたすらショウウインドウを眺めていました。 実際に僕がべたのは、海老ワンタンと牛の牡蠣油炒め。美味しかった! 昼を終えたあとも、僕は調子に乗って饅頭だのゴマ団子だのをべ歩いていたので、 太陽が傾きはじめるころには、お腹がはちきれんばかりのありさまになってしまいました。 くちくなった腹が頭の働きを鈍らせ、眠気を誘い出してゆきます。 僕は朦朧とした意識のまま、街をさまよい歩きました。 ……歩いていたように思います。 そうして、気がつくと、不思議な路地に迷い込んでいたのです。 「台」「南」「小」「路」と書かれた提灯の上に、台湾の国旗がひらめく。 春節で賑わう中華街の喧騒も、この路地までは届いてこない様子で、夢の中に迷い込んでしまっ

    デイドリームはチャイナタウンで - 未来の蛮族
  • 消えた野良犬 - 未来の蛮族

    上京してもう何年にもなる。東京では、ただの一匹も野良犬を見たことがない。おれはこのことをわりと重大に受け止めていて、さすがは大東京だ、犬畜生に生きる余地など残しはしないぜ、などと考えていたのだが、慎重に記憶を辿ってみれば、東京から遠く離れた故郷の村でさえも、ここ十年ほどは野良犬を全く見ていないのだ。 今からずっと前、おれがまだガキの時分には、村には沢山の野良犬がいた。おれの家の近所にも一匹の雌犬が暮らしていたのを覚えている。彼女はどちらかといえば醜かったが、とても大人しく、賢い犬だったので、近隣のガキどもにはわりと愛されていたように思う。 おれは彼女の足音を聴くのが好きだった。人間に比べればはるかに小さな彼女の足がアスファルトを叩き、とっとったっ、とリズミカルに音をたてるのを聴くと、何とも言えないような気分になったものだ。当時のおれは、どういうわけだか、足音をたてる動物は人間だけだと思い込

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  • 親の愛が社会をガチガチにする - 未来の蛮族

    だいたいね、もう21世紀になって何年もたっているんだからさ、その辺のおっさんやおばさんだって、それは相当に自由な考え方を身に付けているはずなのである。はるな愛や椿姫彩菜といったような人々がお茶の間の人気者になるような時代だ。そうじゃなくっちゃ嘘だろう*1。 隣人がどのような生き方を選択していても、いちいち口を騒ぐような必要はないし、法律や制度だってもっと様々な人たちの権利を認めていくように変えてしまって構わない。そのように考える人は、20年前よりもずっと多くなっているはずだ。にも関わらず、僕らの暮らすこの社会は、まだそれほど自由なものにはなっていない。最近、また、息苦しさが増してきているような気さえするほどだ。それは何でよって話しよ。ひとりひとりは、自由な考え方をもっているはずなのに、何で社会は自由でないのって話よ。 結局のところ、それは未だ僕たちがそれほど自由ではないからなのだと思う。と

    親の愛が社会をガチガチにする - 未来の蛮族
  • ぜんぶ、KOFのせい - 未来の蛮族

    なぜ、オタクはダサいのか とかく馬鹿にされがちなオタクファッション*1。しかし、考えてみればおかしな話で、アニメやゲームを好むということと、服装が冴えないということには、来何の関係性もない。むしろ、アニメにせよゲームにせよ、非常に視覚的な趣味であって、美的感覚を養う上でよい働きをすることだって期待できるはずだ。にもかかわらず、「オタク」と「ダサい」という二語はまるで赤壁における連環の如くに固く結び付けられている。桃屋といえば、三木のり平。青雲といえば、君がみた光*2。そして、オタクといえばダサい。このような状況を生み出した大犯罪人を僕は知る。 SNK。そして、KOFである。 KOFが犯した罪 念のために、説明しておくと、SNKとは企業の名称である。かつては「餓狼伝説」「龍虎の拳」といった対戦格闘ゲームで一世を風靡していた。KOFとは、King Of Fightersの略称であって、上記

    ぜんぶ、KOFのせい - 未来の蛮族
  • オバマ - 未来の蛮族

    大暮維人はアクロバティックなストーリー展開に定評のある漫画家ではあるけれど、さすがにここ最近の「エア・ギア」の展開にはちょっと空恐ろしいものを感じる。オバマ次期大統領が登場したかと思ったら、主人公のチームメイトの女の子と脈絡もなく「オレがオマエでオマエがオレで」になってしまったのである。この漫画の中のオバマは、スゴいローラースケートで夜の街を駆け抜けるカッコいい大人として描かれており、どうやら自由のために闘う闘士でもあるらしい。 極東の島国の漫画にまで、わけのわからない登場をしてしまうオバマ。こんな大統領もなかなかいないだろう。ブッシュ大統領もよく漫画に登場する人物であったが、多くの場合、彼は漫画の中では典型的な権力者、腐敗した独裁者として描かれていて、エア・ギアの主人公イツキから「イカスね この人 俺らなんかより よっぽどガキだぜ!」なんて賛辞を贈られるような扱いを受けたことはほとんどな

    オバマ - 未来の蛮族
  • 悪の海岸 - 未来の蛮族

    僕がまだ若く、心がいまよりもずっとざわめいていたころ、海岸には巨石が林立していて、若者たちはそこで各々のささやかな悪を育くんでいた。波にえぐられ、きのこ状に形を変じた岩陰は、野暮天な大人たちや、洒落の通じない警官どもから身を隠すにはもってこいの場所だったのだ。もちろん僕も、そうした若者のひとりであったので、夏が来るたびにあの岩陰に出向き、ここではとても書けないような悪の実践に励んでいた。 岩陰は無数に存在していたけれど、自分のお気に入りの実践場を見つけることは、決して簡単ではなかった。海岸には、日語、英語中国語、ハングル、あるゆる言語が刻まれたゴミが流れ着いてくる。そうした中で、潮風と海流に守られた、ゴミを寄せ付けない場所を探さなければならないのだ。その他にも、草の生え方や、岩の丸められ方など、考えるべき要素はいくらでもあって、それらの条件を全て満たした場所となると、長い海岸線の中にも

    悪の海岸 - 未来の蛮族