バクちゃん 1 (ビームコミックス) (amazon), バクちゃん (honto) ■【オススメ】シビアな移民物語、だがかわいいのはこの移民がバクの子供であるところ。 リアルでもありおとぎ話でもあるファンタジー。確かに良さそうな出来。 地球行きの東京メトロスペース線にひとり乗ってやってきたのは、バク星人の少年・バクちゃん。 一時労働ビザでおじを頼りにやってきた。なんとか入国審査を通って彼は電車のホームへ。 異国から飛行機で空港につき入国して、というリアルな流れをファンタジックに置き換えて 描く話。バクの星から来た主人公バクちゃんはバクなので夢を食べる。だが彼の星では もう誰も夢を見ない。なので外の世界で夢を探さなくてはいけないのだった。 そんな移民というか異邦人ものであり、異文化ものでもある。そしてナビゲーターとして いるはずのおじは仕事で不在、かわりに偶然出会った人間の女の子が彼にホー

青春シンデレラ 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) (amazon), 青春シンデレラ (honto) ■【オススメ】デパートのコスメの仕事を している27歳の女性が、地味でトラウマだった 高校時代にタイムスリップ。 恋も２度めなら少しは器用に…。 ヒロインは27歳。デパートのコスメ売り場で 働く美人だが、自分に自信がないので 努力とカネでカバーしていると認識している。 そんな彼女を、昔からの親友が 結婚式と出産を控えこれ以上手伝えないからと 彼女を合コンに送り込む。 しかしその場で男性の一言に、彼女が トラウマとして抱えている高校時代の経験を思い出してしまう。 そんな彼女は、気がつくと、その10年前の高校時代に タイムスリップしていた。 当時好きだった男子に告白したところ、 告白するなら外見くらいなんとかしろよ、 と言われたことが彼女のトラウマ。しかしこのタイムスリップは 夢だ

In Between〜迷わず、彷徨う者〜 (バーズコミックス) (amazon), In Between (honto) ■【オススメ】仕事に悩んでいた製薬会社の社員が、 子供のがん患者たち相手のボランティアを始める。 大手製薬会社の開発職、病気の人たちの未来を作れると 思って勢いこんでついた職だが、上司も会社も業界も 大事なのは人の命より金だった、ということに失望 している青年。彼が同期の医師に愚痴ったところ、 会わせたい人がいるとして連れてこられた場所は、 稀ながんと闘っている子どもたちの病棟だった。 友人の医師は彼にここでボランティアを してほしいという。そして、そこで 彼は１４歳だが妙に大人びている少年と出会う。 そこで子供たちの思いを知り、生活を知り、 そして子供たちの親の姿を殆ど見かけないことに気づく。 ボランティアに時間を割く気のある製薬会社社員と、 それに協力する医師と、さ

シャンピニオンの魔女 1 (花とゆめCOMICS) (amazon), シャンピニオンの魔女 (honto) ■【オススメ】 誤解されている黒魔女の切ない恋のお話。 森の奥深くにひっそりと住む若い魔女の話。 若い魔女といっても人間の何倍も生きている。 動物というか妖精というか使い魔たちと一緒に暮らしているが、 三ヶ月に一回、作った薬を売りに街へ行く。 彼女が通ったあとは毒キノコがはえることが多く、 ゆえにシャンピニオンの魔女と称された。 しかしそれは彼女が臭気を放つというよりも、 街の邪気を吸い取り浄化しているがゆえ。 それを知る者も少ないながらいた。 とはいえその数少ない素性を知ってくれている薬屋と本屋 以外は相手をしてくれる人も店もなく。またその世界は 王家は有力な魔女を王妃に迎えていたが、それ故に 王家にも国にも属す必要のない強い力を持つ魔女を黒魔女として 粛清する魔女狩りを行っても

Get Ready? 1 (花とゆめコミックススペシャル) (amazon), Get Ready？ (honto) ■【オススメ】 自分はブス、という呪いのかかった少女の話、としてはかなり 前向きで、読んでいて辛くないのが良いところ。 地味なソバカス女子。幼馴染にブスと言われ続けて、 その呪文にとらわれている彼女だったが、自分以外の女の子が可愛くなるのが好き。 なので化粧っけゼロだが、化粧品会社が協力しているコスメのマーケティングや成分を研究しているゼミに所属していた。そして今話題の美容系ユーチューバーの話題に 聞き耳を立てている。実は、そのユーチューバーの動画の手伝いを彼女がしているのだった。 自分はブスだ、と思い込む女の子。そんな彼女を、可愛い、 メイクしたらもっと可愛くなるのに、と言う子とのバディもの。 まぁその子は実は…な展開になるのだろうが、別に打算や悪意がある わけではないの

●正直言って映画『 バクマン。 』を見に行くことにしたのは、劇伴がサカナクションだったからである。 大根仁監督作品であることもその後押しをした。そうした理由がなければ マンガの実写映画化など見に行くことはなかった。こうした考え方は、世のマンガ好きの 正直なところではないだろうか。 ●実写でここまで出来たのは素晴らしい。さすが監督、さすがスタッフ、制作だけでない、 製作陣の意欲、覚悟、本気度だろう。集英社の本気がまず良い。『ジャンプ』が実名で 出てくるのは原作ママであり原作のおかげだが、それを映画でも押し通した。 この本気度は、歴史に残る。 ●キャスティングも素晴らしい。作りての愛を感じる。小松菜奈 は正直、ん？という配役に思ったが、癖のある役が似合いそうな、歳相応に見えない彼女が、 ここまで可愛いとは。いや、実際はこんな可愛らしい子なんだと思うが、 それをきちんと見せたところが本作の素晴ら

MUJIN 無尽(1) (ヤングキングコミックス) ■【オススメ】幕末。伊庭八郎をじっくりと描く物語。 慶応四年五月の箱根。剣を受け皮一枚で繋がった 腕を自分で喰いちぎり、片腕で立ち向かう。男の名は 伊庭八郎 。 助けにやってきた仲間が彼をおぶり急ぐさなか、 彼との出会いを思い出し、十四五年ほど前の話を語り始める。 そして話は主人公が少年であった頃に。 そこからじっくりと話が綴られていく。 具合を悪くしていた少年を見かけ背負っていったのが 二人の最初の出会い。 病弱だった少年は、実は質実剛健で有名な道場のぼっちゃんであった。 世間をこのとき出会って以来懇意になった男におそわる一方、 体を鍛えたことで剣の道を歩むことになる少年。 周りの人に恵まれ、実父も非常に出来た傑物。 人間としてよろしく育っていく少年を順を追って描く話は じっくり、たっぷり、物語世界に読者をどっぷりと浸からせる。 冒頭で

少年☆少女☆レアカード ： 1 アクションコミックス ■【オススメ】低年齢向けカードゲームが縁で 仲良くなる中学生男女のお話。 会社で大きいプロジェクトを任された、 ということで保育園のお迎えができなくなった 母親にかわり、中学生の姉が志願して面倒を見ることに。 しかし本気の子守は大変なのだった。 スーパーでむずかって小さい子向けの カードゲームをやりたがった妹。じゃあとコインをいれると、 やりかた知らない、ねえねがやって、と言い出して、 そこで分からぬままにやってみたら楽しかった、 というお話。 それでカードゲームにはまっていくのか、というと、 そこにはもう１クッション挟まっていて、 学校で王子様と呼ばれている少年が実はそのゲームが大好きで、 彼が少女がゲームをしている現場を見かけ、 その魅力を朗らかな顔で語られるのだった。 陽気で脳天気な登場人物が 変なきっかけで絡み合うという、 著者

餅巣菓さんに呼ばれる (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) ■【オススメ】癖のある文法で正直読みづらいが、 次第に慣れる。 小さな会社が舞台の職場もの。 主人公はそこに勤務する青年。 だがタイトル・ロールは女の子。 彼女は、主人公のことが好きらしい。 しかし、その態度は、どうも普通ではない. 彼女が常人離れしている理由は、地下牢で暮らしていたからだった。 地下牢ってなんだ？ 彼女の不可思議な行動はなんなんだ？ という点について全く触れないまま話が進む割に、 主人公たち周りの人物は彼女を受け容れているので、 読者としては狐につままれた感じで、腑に落ちない思いを 抱えつつ読むことになる。 癖のある描き方だが、 ただしこれは、話の展開上、 敢えてとられた方法であり、 終盤では女性の生い立ちも語られる。 とはいえ設定には常識からジャンプした 部分もあって、微妙にファンタジーな 世界での話なの

すくってごらん（１） ■【オススメ】金魚すくい漫画とはユニーク。 主人公は堅物の銀行員。営業成績も良かったのだが 契約をミスして地方転勤の辞令がおりた。そしてそこは、 やたらと金魚を推している町、大和郡山市だった。 素人が金魚と金魚すくいに出会う話。 好みの女性に出会ったことで、彼に金魚すくい熱が灯る。 そして大会に代理で参加することにもなる。 ズブの素人、だが、彼は研究熱心ではあるし、 目がいい、という特徴がある。ということで、 実は大方のスポーツ漫画と同様の構造ではある。 そこに、金魚すくい、という珍しい題材を まじめに絡ませたところが特徴で、「ちはやふる」 などと同じ作り方である。 王道の作り方でも題材を変えたうえで、 その題材を真剣に極めれば、面白い作品になる、という好例。 【データ】 大谷紀子 （おおたにのりこ） すくってごらん 【発行元／発売元】講談社 【レーベル】講談社コミッ

塔子さんには秘密がある フラワーコミックス ■【オススメ】ふわふわした少女漫画チックでもあり、 地に足の着いたレディースコミックでもあり。 オーバー30歳が主人公の連作短編。３編の主人公はいずれも独身だが、 彼氏なし、彼氏あり、バツイチ子持ち、とパターンは分かれる。 その３者の共通点は、行きつけのバー。 仕事に頑張りつつ、プライベートが人にいえない秘密、 という１編めは、その秘密を密かに好意を持っている人物に 見抜かれる。年下の相手が上手、という理想的な関係の話。 ２編めは長い春を終わらせたくないヒロインの話。 プロポーズされているけれど踏み切れない、 というのは結婚に憧れ待ち焦がれる他の同世代女性からツッコミも 入ろうもので実際本編中でもあるが、 虚像と実像に差がある人でその虚像がうまく浸透してしまった 場合にはそういうこともあるのだろうなぁ、と生き方のヘタなアイドル なんかに近いのかも

大和の獅士 １ ニチブン・コミックス ■【オススメ】失言癖あり女癖も悪い地方代議士が国政に打って出る。 その裏には、切れ者の秘書がいた。しかし、この物語は、 それだけの薄い話ではない。 昔風の田舎の代議士。失言もあれば女癖もよろしくない。県議会議員からこの度、国政に打って出たが泡沫候補。だが、切れ者の秘書がついていた。 この秘書が代議士を持ち上げるだけの話か、というと、さにあらず。冒頭から、議員と秘書との信頼関係が示されている。実際、そういう話である。切れ者の秘書は、自身のためではなく、代議士のために動く。なぜか、といえば、それは代議士に受けた恩のため。単に恩があるだけでない、一番困っているときに手を差し伸べる、それが自分のすることだ、という思想が代議士にあるからだった。 濃く、雄大な話。代議士としての器を描くもので、その大きな器が、一見そうは思えない、洗練とは遠い形であるところ、そして、

プロチチ（1） (イブニングKC) ■【オススメ】 家事ものか、専業主夫ものか、 と思うとそのとおりなのだが、 設定に一捻りあり、これは唸る。 赤子である息子が泣く中、妻は産休明けで出勤していく。 子供の面倒を見るのは、夫。 無職な夫が専業主夫として子供の面倒を見る、 という話。これだけでは単なる育児ものである。 いや、それもそれで面白そうではある。 が、エピソードに依存する設計である。 この物語は、もう一捻り。 夫は、計画通りに行かないと不安になるタイプ。予定通りに ことを運びたい。が、相手は赤ん坊である。不安になると、 過去が頭を駆け巡る。悪い連想、つらい思い出。 付き合いの悪い奴、として噂される自分。そのとき、 病気なんじゃないか、と言われたことを思い出す。発達障害、 アスペルガー症候群・・・ そんな設定に据えて、しかもいい年になり、子供も出来てから気づく− というのは漫画のようだが

昭和元禄落語心中（1） (KC×ITAN) ■ 【オススメ】 お勤めをすませた青年は、 弟子をとったことのない落語家の初弟子となった。 刑務所から出てくる青年は、お勤めしていた割に屈託のない好青年。 脳天気な彼はそもそも中途半端で流される自分を自覚し、 刑務所に入る代わりに組を抜けてきていた。 それで向かった先は、刑務所の慰安で見て感動した落語家のもと。 名人と言われる師匠は弟子をとったことがないので有名だったが、 青年の性格ゆえか、はじめて内弟子として引き受けるのだった。 落語ものというと噺と芸道にフォーカスする話が多く、 それは当然で、この作品もそうした部分は勿論あるのだが、 更に一歩踏み出したところに特徴がある。 その部分は、主人公の青年が追うものではなく、 彼は狂言回しであり、役割を必要以上に担わせていないところが、 巧い設定である。 名人には仲の良い同期がおり、タイプの違う落語で

奇異太郎少年の妖怪絵日記 壱 (マイクロマガジン・コミックス) (マイクロマガジン☆コミックス) ■ 【オススメ】霊感の強い主人公は、一人、離れで暮らすことに。 しかしそこには先客がいた。 ［アイディア］ケータイ連載の作品をうまく書籍化 ［エピソード］テンポと語り口の良い一話完結型 ［ストーリー］流れる空気の暖かさと裏にある切なさが絶妙な雰囲気を醸し出す 主人公は自身をナイス美少年と称するようなイイ性格。霊感の強い彼は、本宅から追い出され、ひとり、離れに住むことになったのだが、そこには先客がいた。その女の子は、座敷わらし。 ということで、主人公の前に、妖怪続々登場、という物語。座敷わらしとの同棲もの、との見方もできるコメディ。ページ数というかコマ数の関係もあり、話運びはあっさりとしているが、その割り切り方にセンスがあり、テンポ上々。バックグラウンドの話は切ない部分もありそうだが、それはそれ

王狩（1） (イブニングKC) ■ 【オススメ】 熱き将棋漫画が新たに登場。奨励会で将棋に挑む、 少年少女の物語。 少女は6歳。病院でも将棋を指したい、という祖父のために デパートへやってきた。そこでは将棋大祭が開催されており、 エレベータには大人ひとりと8歳・9歳の少年たち３人が乗り合わせた。 そのエレベータが停電で停止。なぜか非常用の電源がつかず、 インターホンも繋がらない。少年のひとりはケータイで電話しまくるが 連絡がつかず。そこで、会場にいて電話できる人、という発言に、 少女の脳が活発に動き出す。ポスターから浮かび上がる文字、 それを記憶から引き出し半年以上前に見た祖父宛の年賀状から 電話番号を探り当てた。 祖父譲りの記憶力をもち、それを祖父の親友に見出され、 女性最年少での奨励会入りを果たしたヒロインの物語。 エレベータで同上した少年たちも同様に奨励会に。 彼女のほうが先に弟子入

とせい 1~任侠書房 (マンサンコミックス) ■ 【オススメ】 ヤクザがマジメに出版社を経営することに？ 主人公は暴力団の代貸。組長は昔ながらの義理堅いタイプで その人の良さに彼をよく知る元からの地元民からは愛されている。 主人公も当然好きなのだが、このオヤジは突拍子のないことも 時に言い出す。今回は始末のつかない出版社の話を聞き、 組長が社長、代貸が役員として乗り込んで立てなおそうじゃないかという 話になり・・・。 ヤクザが企業の経営に乗り出すが、企業舎弟というものではなく、 相手は儲からない出版社。それをワケの分からないなか切り盛りしていく というコメディ。その分野には詳しくないが、他の詳しい知識を動員していくことで 結果ユニークな存在になっていくという、しっかりしたビジネスコメディになっている。 異色作、ではあるが、組長の身勝手に振り回される中間管理職の悲哀、という 話は抱腹絶倒のギ

轟けっ!鉄骨くん 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ) ■ 【オススメ】 人の脳をコピーした ロボットが登場。 このコメディはなかなか不思議で新しい！ とりあえず絵には目をつぶれ。 商店街の慰安積立金を使い込んだ 工具店のオヤジ。しかし彼は想定外のシロモノを 作り出していた。それは、ロボット。 鉄骨くんと名付けられた人型重機は、 しかし息子の体をかってに改造した、と言い出す。 が、当の息子がそこに帰ってきて、 ロボットは息子の脳をコピーした存在であると知る。 ふてくされようにも人助けするように 作られた鉄骨くんは、人助けしたいという衝動に 従わないと壊れてしまう。 仕方なく、しかしウキウキと、 鉄骨くんは人助けに走るのだった。 人でないことに悩み落ち込み戸惑うロボット 鉄骨くんを主人公としたＳＦコメディ。 一応はコピー元になった実在の人間の欲望を 包み隠さずデフォルメして見せるという

わさんぼん 1 (まんがタイムコミックス) ■ 【オススメ】 和菓子屋修行物語。主人公がバカすぎるので内容はひたすら陽気。 昔食べた葬式饅頭に魅せられ、以来和菓子に興味のある少年は 長じて製菓学院の和菓子専攻に入学。しかし、基本的に甘いものは苦手。 だが昔食べたその和菓子は餡も非常に美味で自分にもあった。 そこに就職したい−しかしどこだろう？と考えていたが灯台下暗し、母親の 実家筋だと判明、住み込みで修業することに。 ４コマだがストーリーのある展開。美少女もきちんといるがクセがある− が今回は主人公のキャラクターも際立っており、それは手先の器用さという スペック面だけではなく、底抜けのバカである上に思ったことが口に出て おんなじ話を繰り返しもする。そのキャラはしかし京都舞台で、 土地柄をそのまんまあらわす京女の奥さんというような濃い人物を配置する なかでは良い塩梅。 言葉でなくって感覚で覚

水の森（1） (KCデラックス) ■ 【オススメ】 ジャンヌ・ダルクが現代に生き返る− 純粋であるが故に人間に失望した彼女は、 純粋な人間に出会い、癒されるのか。 神の力を得て使命に燃えたジャンヌ・ダルク。 しかし人間の本性を知り絶望した。 そんな彼女は神はあんまりだと思い、 喪われた３年間をやり直させることにする。 ６００年ほど後の平和な国で、少しは平穏に暮らせるようにと。 神の与えた力そのままに守護されながら生きるジャンヌは、 しかしそのなかでも人の争いを見ては心を痛め動揺する。 その動揺の所以は遠くの国での戦争であったりするのだが。 人を遠ざけて生きる彼女に偶然出会った少年は、 彼女の美しさに惹かれる。そして彼自身、 火事のなか桜を守ろうとする純粋な人物だった。 神の御心だの与えし力だのが寧ろジャンヌを守るよりも 追い詰めている感のある閉塞した話、にみえたが、 主要人物に人の良い者を