#1 サッチャーよりも過激だったブレア ブレイディ この本で取り上げられていて、日本でまったく話題になっていないものといえば、「エキストリーム・センター」(以下、エキセン)の現象があります。 森 今のヨーロッパのメディアでは、あらゆるところで「エキセン」について論じられています。「これからの政治は右でも左でもなく、中道であるべきだ」っていう考え方ですけど、「それだと体制にやられるだけだ」という批判があちこちから挙がっていて。 ブレイディ 「道の真ん中を歩いたら車に轢かれる」というアナイリン・べヴァン(※1)の言葉があるように、まさにイギリスでは「エキセン」が大きな問題になっています。来年1月の総選挙で労働党が勝つと予想されていますが、現党首のキア・スターマーが、まさに「エキセン」そのものという人なんです。トニー・ブレア元首相がアドバイザーなんですけど。 森 まだブレアが出てくるんですね。