自身のデータを売りたい個人と、データを買いたい企業を仲介する、「情報銀行」の実証実験が次々に立ち上がっている。大手企業が参入する中で、ベンチャー企業のデータサイン(東京・渋谷)が消費者志向の情報銀行の計画を立ち上げ、気炎を吐いている。情報を「開示」、「持ち出し」、「削除」するという、法律でも十分に保護していない機能の実現に取り組んでいるのだ。 「ユーザーはフェイスブック上の情報をコントロールできる」 米フェイスブックにおける個人情報の不正流出問題を受けて、マーク・ ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が米議会公聴会で証言した内容だ。記者はこの証言を眉に唾をつけながら聞いていた。 ユーザーがある会社に提供した自身の情報をコントロールするには、「情報を開示させられる」、「情報を他社に持ち出しできる」、「情報を削除できる」ことが重要だと記者は考えている。ひとつひとつ説明しよう。 まず「開示」。