歴史的な円高に伴い、個人がドルなどの「外貨預金」を増やす動きが広がっている。日銀によると、円相場が対ドルで戦後最高値を更新した今年3月末、残高が初めて5兆円を突破。7月末には前年同期比7.7%増の5兆1553億円に拡大した。どの通貨も円より金利が高いうえ、将来、仮に円安になれば、外貨を再び円に換えてもうけが出るためという。手数料を抑えたインターネット銀行の拡大も人気を後押ししている。ただ、購入後に一段と円高が進めば、元本割れするリスクがあり、十分な注意が必要だ。 「円高を機に外貨預金を始めたい」。1ドル=70円台後半の歴史的な高値圏で推移した8月、ネット銀行大手の住信SBIネット銀行には個人顧客からの問い合わせが急増。同月末の外貨預金残高は、前年同月比1.8倍の1085億円になった。同行企画部は「顧客の中心は一定の収入があり、投資への関心も高い30~40代の男性。新たに口座を開設する人も多