連載目次 前回の番外編4では、図形的な意味や一次独立、一次従属といった線形代数の基本を踏まえて行列式について見てきました。今回も同様に、固有値と固有ベクトルの考え方について、ポイントを押さえながら説明します。また、行列の対角化を行うことにより、行列のべき乗を簡単に求める方法を紹介し、その応用としてマルコフ過程の事例を紹介します。 ポイント1 固有ベクトルは一次変換を行っても向きが変わらないベクトル ひと言でいうと、固有値や固有ベクトルは一次変換を特徴付ける値やベクトルです。しかし、以下のような式がいきなり登場して面食らってしまった人もいるのではないでしょうか。 「一次変換を表す行列をAとしたとき、 を満たす0でないベクトルxをAの固有ベクトル、λを固有値と呼ぶ」 というものです。確かに、式を見た瞬間に気を失いそうになりますね。しかし、Aが行列で、λが定数であることに注目すれば、ベクトルを一
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