「もはやサブプライム問題と呼ばない方がいい。この言葉が実態を分かりにくくしている」。米国の金融関係者の間から、こんな声が出ている。 サブプライムローンは、低所得であったり、借金の延滞歴があったりする、信用力の低い消費者向けの住宅ローンのことを指す。確かに今回の金融不安の発端は、このサブプライムの焦げつきが増加したことで、一部の金融機関が資金繰り難に陥ったことだった。 しかし、現在の状況はサブプライムという言葉では、事態の大きさを語り尽くせていない。実際には、企業買収を手がけるプライベート・エクイティ・ファンドが資金調達難に陥ったり、銀行間市場における資金が逼迫したりするなど、サブプライムの枠を超えて、あらゆる金融商品に信用収縮の波が広がっている。先日はカナダで投資銀行のコベントリーなど複数の企業が、満期を迎えた資産担保CP(コマーシャルペーパー)の償還を延期した。 商品が多岐に及ぶばかりで