遺伝子診断は遺伝子異常の有無に基づく診断法であることから正確に判定を下すことができ、 究極の診断法と考えられてきました. 一方ヒトゲノム解析研究の進展によりさまざまな疾患遺伝子が同定されてきました.遺伝子が同定されれば技術的には遺伝子診断が可能となるわけですが、実際に臨床の場に有用な遺伝子検査法が確立したものはこの中の一部に過ぎません. 臨床的に有用な遺伝子検査とは、診断率が高くかつ迅速なものを指すと思います.しかし一般 の臨床の先生方にとってはどの疾患の遺伝子診断は有用でどれは有用でないか、ということを判断することは容易ではないと思われます. これまで疾患ごとに責任遺伝子を示すようなハンドブックや解説書は多数刊行されてきました.しかしそこから一歩踏み込んで、どの疾患であれば遺伝子診断を行う価値が高く、どの疾患においては低いかという点まで言及したものはありませんでした.そこでわれわれは厚生