マンションを始めとする集合住宅の「管理」という問題が住民に重くのしかかっている。 1970年代以降、市場に大量供給された分譲マンション。かつては羨望の眼差しで見られた存在ではあるのだが、今や減りゆく住民に増えゆく独居高齢者、孤独死、相続放棄、嵩む管理費・修繕積立金、拒否される理事会への参加と様々な問題に晒されている。 差し押さえ・不動産執行の現場でもマンション管理費滞納による執行は定期的に発生しており、これらの滞納金は競売で購入者が現れた場合、購入者が負担することになる。 とは言え、これも“購入者が現れた場合”の話。 競売入札開始価格の下限である1万円でも購入者が現れないという現象は、既に遠い地方都市だけの話ではなくなってしまった――。 本来マンションなどの集合住宅は“利便性の高い立地”という土地の恩恵を、多くの人が受けられるためにあるべきなのだが、バブル期建造のものともなるとこのような理