死亡した父が伯父の債務を引き継いでいたことを3年後に知った子が、その時点で伯父からの相続を放棄できるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は9日、「債務の相続人になったと知ってから3カ月以内であれば放棄できる」との初判断を示した。裁判官4人全員一致の意見。 民法は、相続の開始を知った時から3カ月の熟慮期間内に相続するか放棄するかを決めるよう定める。大都市圏への人口流入が進んで家族関係が希薄化する中、知らないうちに親族の債務を相続していたとの事例も増えているとみられ、最高裁が時代に沿った法解釈で同種事例の救済を図ったといえそうだ。 原告の伯父は2012年6月、債務を抱えて死亡。父は伯父の債務を知らず、相続するかどうかを決めないまま12年10月に亡くなったため、原告は伯父の債務も相続する立場になっていた。