春の陽気に誘われ、ついうとうとする季節がやってきた。夜に十分な睡眠を取っているのに、昼間に強い眠気に襲われてしまう。実は、そんな病気があるのをご存じだろうか。睡眠障害の一つ「過眠症」のうち、ナルコレプシーや特発性過眠症と呼ばれる疾患だ。症状が出ると、試験や会議など重要な場面でも眠ってしまうが、社会の認知度は低く、周囲から「単なる怠け者」と思われがちだという。患者たちは病気への理解を求めている。 【写真】過眠症の女性は援助を求める「ヘルプマーク」を携行 睡眠障害に詳しい久留米大の内村直尚教授(睡眠医学)によると、ナルコレプシーと特発性過眠症の患者は、夜間に7~8時間の睡眠を取っていても、日中に強い眠気を何度も感じ、突然寝てしまう。主に10代半ばで発症し、症状は生涯にわたって続くという。睡眠不足症候群と違って、一年を通じて眠気を感じない日が1日もない。 睡眠時は通常、脳が休息する「ノンレム睡眠