要介護原因第1位の認知症は、生活習慣病による2型糖尿病との関連が深いことがわかってきた。そして、2型糖尿病は歯周病とも関係する。2型糖尿病では歯周病が悪化し、歯周病によって2型糖尿病が悪化するという相互の悪循環にも陥ってしまう。 「咀嚼能力(そしゃくのうりょく=噛んで飲み込む力)が落ちると、脳への刺激が減って認知能力も低下します。健康寿命を延ばすには、生活習慣病を改善すると同時に、口腔ケアも非常に重要なのです」 こう話すのは、帝京大学臨床研究センター長を兼務する寺本内科歯科クリニック(東京都文京区)の寺本民生・内科院長。同クリニックの寺本浩平歯科院長とタッグを組み、「LSM(ライフ・スタイル・モディフィケーション)」という生活習慣改善の理念を掲げて診療に当たっている。 「LSMは、生活習慣病に対し、内科と歯科の連携による診療の基本です。糖尿病と歯周病を同時に治療することで相乗効果が得られ、