紙面で読む再稼働に向けた工事が始まった日本原子力発電の東海第二原発=2011年12月、本社ヘリから 前のめりになる原発政策 ■知らぬ間に始まった工事 茨城県東海村の村上達也村長(70)は、耳を疑った。 日本原子力発電が、村にある東海第二原発(停止中)で「フィルター付きベント(排気)」や防潮堤の工事を始めたという。6月19日の記者会見で記者から知らされ、「何だそれ。私は知らないぞ」と叫んだ。 確認すると、前日の18日朝から工事を始めていたことがわかった。フィルター付きベントは、事故が起きた時に大気中への放射性物質の飛散を抑える。防潮堤とともに、原発を再稼働するために必要な工事だ。 18日は午後2時から日本原電幹部と定例の協議を開いたはず。だが、着工の話は一切なかった。あとになって、この日夕方に日本原電の担当者が役場に持ってきた書類に工事開始が書かれていたことがわかった。 地