人類は、月や火星に探査機を飛ばし、すでにほぼ100%の詳しい地形図を手に入れたといわれます。ところが、足元の地球については、まだまだわかっていないことが多いのです。問題は海です。地球の総面積の3分の2を占める海は、詳しい海底の地形がわかっている範囲が、わずか15%ほどしかありません。この海底地形を2030年までに100%解明しようという野心的なプロジェクトが発足しました。 いまなぜ海底地形図が求められているのか。そして、人類が100年以上をかけても進まなかった解明を、どのように成し遂げようとしているのか、取材しました。 「Seabed2030」と名付けられたこのプロジェクトは、海に関わるさまざまな活動を支援している日本財団と、海底地形図の作成を手がける国際組織「GEBCO指導委員会」が共同で立ち上げました。GEBCOというのは、国際水路機関=IHOとユネスコの政府間海洋学委員会=IOCによ