書店の現場はいま、どうなっているのか。四十数年、書店の現場に立ち続ける著者とその同僚たちが立ち向かう書店の現状を描き出した単行本「書店不屈宣言」。三年の時を経て、さらなる大きな変化を反映して増補改訂した文庫版のあとがき。 ジュンク堂池袋本店は二〇一七年八月二八日で開店二〇周年を迎えた。 戦後、日本の書店はほぼ四半世紀ごとに変容してきた。それは一九五三年の再販制の施行からスタートする。まず第一期、駅前や繁華街にある主に個人経営のこぢんまりした本屋さん、教科書を扱ったりしていて地域密着型。第二期、七〇年代後半頃からロードサイドの中・大規模ストアや駅ビルにチェーン書店が入り始めた。商圏が広がる。ほぼ同じ頃大都市に大規模書店が現れる(リブロ七五年、ジュンク堂七六年)、さらに商圏が広がる、経営が個人から企業になっていく。そして第三期、九〇年代中頃のバブル崩壊を経て、出版市場は下降の一途をたどり、二〇