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ブックマーク / www.webchikuma.jp (44)

  • 私たちは、今でも棚をつくり続けている 「増補 書店不屈宣言」文庫版あとがき|ちくま文庫|webちくま

    書店の現場はいま、どうなっているのか。四十数年、書店の現場に立ち続ける著者とその同僚たちが立ち向かう書店の現状を描き出した単行「書店不屈宣言」。三年の時を経て、さらなる大きな変化を反映して増補改訂した文庫版のあとがき。 ジュンク堂池袋店は二〇一七年八月二八日で開店二〇周年を迎えた。 戦後、日の書店はほぼ四半世紀ごとに変容してきた。それは一九五三年の再販制の施行からスタートする。まず第一期、駅前や繁華街にある主に個人経営のこぢんまりした屋さん、教科書を扱ったりしていて地域密着型。第二期、七〇年代後半頃からロードサイドの中・大規模ストアや駅ビルにチェーン書店が入り始めた。商圏が広がる。ほぼ同じ頃大都市に大規模書店が現れる(リブロ七五年、ジュンク堂七六年)、さらに商圏が広がる、経営が個人から企業になっていく。そして第三期、九〇年代中頃のバブル崩壊を経て、出版市場は下降の一途をたどり、二〇

    私たちは、今でも棚をつくり続けている 「増補 書店不屈宣言」文庫版あとがき|ちくま文庫|webちくま
  • 暗闇をゆきかう言葉たち|単行本|円城 塔|webちくま

    にもう一度会いたい。地下室に引きこもったとそれを追う夫の不思議なセッションを描いた第33回太宰治賞受賞作『タンゴ・イン・ザ・ダーク』。 この企みに満ちた新鋭のデビュー作を、円城塔さんが緻密に紐解きます。PR誌『ちくま』12月号より転載します。 暗闇の中、音楽だけが聞こえてくる。しかもかつて、二人で合奏した曲が。 明かりをつければ、そこには奏者がいるはずである。しかしまたこうも考えられる。明かりをつけても、そこにはもう誰もいないし、再生用の機械の類も見当たらない。 こうした事態を一足跳びに、不合理、もしくは幻想と決めつけてしまうのは性急であり、人間とは記憶の生き物である。今自分が体験しているものは、過去の記憶でもありうる。目の前の明かりをつけたところで、記憶の中の暗闇が照らしだされるという道理はないのだ。 もっとも通常、現実と記憶は混同されない。たとえ我々が現在体験しているものが、自分の

    暗闇をゆきかう言葉たち|単行本|円城 塔|webちくま
    bookseller56
    bookseller56 2017/12/06
    サクラ・ヒロ『タンゴ・イン・ザ・ダーク』書評(評者:円城塔)
  • 多貌のミエヴィル|単行本|円城 塔|webちくま

    ロシア革命100年の今年、SF界のトップランナーが満を持して放つ最新作『オクトーバー:物語ロシア革命』。史実にどこまでも忠実でありながら、この激動の一年をドラマティックに描き出した異色作を、円城塔さんはどう読んだのでしょうか。PR誌『ちくま』11月号より転載します。 この10月は、ロシアにおける十月革命からちょうど100回目の10月である。正確にはユリウス暦とグレゴリオ暦の兼ね合いがあるが些細なことだ。 この10月、レーニン率いる左派集団、ボリシェヴィキがソヴィエトに権力を集中させた――ということで、これをきっかけとして欧州各国に社会主義革命が連鎖的に発生し、ついには世界革命が達成されることになる、はずだった。少なくともレーニンの構想としては。 という知識はあるとして、1972年生まれのわたしとしては書を読むまで、そのあたりの平仄が理解できないままでいた。もう少し上の世代にとっては自明ら

    多貌のミエヴィル|単行本|円城 塔|webちくま
  • 未来をふみたおせ!|『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』刊行記念対談|ブレイディ みかこ,栗原 康|webちくま(1/6)

    『花の命はノー・フューチャーーーDELUXE EDITION』(ブレイディみかこ著、ちくま文庫、2017年6月)の刊行を記念し、ブレイディさんに政治学者の栗原康さんと対談していただきました。8月24日下北沢のB&Bにて。前編、後編のうちの前編です。抱腹絶倒な対談から、国の借金に束縛されない、反緊縮の未来の可能性が見えてきます。 ■伊藤野枝の銅像を作れ 栗原 いつもながら、最初は緊張しますね。人がいっぱいいて、圧が強いですね。緊張をほぐすために、乾杯でもしましょうか。ああ、酒を飲む手が震える(笑)。 ブレイディ いま、福岡に帰省しているんですよ。向こうでも怒涛のようにイベントをやって、飲みに行って、酒量を減らせと息子に叱られて。 栗原 息子さんがしっかりしている(笑)。イギリスを出発する前に1回メールをくれたときも、「二日酔いで出発します」と書いてあって(笑)。こっちに来てからのメールでも、

    未来をふみたおせ!|『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』刊行記念対談|ブレイディ みかこ,栗原 康|webちくま(1/6)
  • 一瞬を切り取る、絵と言葉|単行本|webちくま

    たいへんお待たせしました。いよいよ発売間近となった酒井駒子さんの画文集『森のノート』。詩人の蜂飼耳さんにその魅力についてお書きいただいた書評をPR誌『ちくま』8月号より転載します。 酒井駒子が描く子どもたちの絵には、いつも〈動き〉がひそんでいるように見える。子どもたちは、たとえば、スプーンを持ち上げてその先からしたたるものに見入ったり、なわとびで遊んでいたり、小鳥をかまったり、コップの水を飲んだりしている。あるいは、ふと腕を曲げたり、視線より少し上にある木馬を見つめたりしている。 絵として切り取られるのは、そうした一瞬なのだ。だから、といえばいいか、それなのに、というほうがふさわしいか、少し迷う。けれど、いずれにせよ、切り取られたこの一瞬の、直後にはどうなるのか、なにが起きるのだろうと、そんな想像へぐっと引っぱる強烈な力がそこにはある。〈次の動き〉を宿していながら、しかも画面には独特の落ち

    一瞬を切り取る、絵と言葉|単行本|webちくま
    bookseller56
    bookseller56 2017/08/30
    酒井駒子『森のノート』書評(評者:蜂飼耳)
  • 最終回どうして棚に向き合う時間が減ってしまうのか|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan ■「振り返ってらんねぇ」日々 初夏だというのに枯れた葉が歩道に落ちている。 何の木だろうか。人間の手より二回りほど大きな葉。岩手の県名の由来となった鬼の手形のような形。ラジオ局で紹介のコーナーに出演し、バスで店へ戻る車中は空いている。座席は高く、窓の外に向ける目線は下へと向かいがちだ。だからだろうか。普段は目に入らない落ち葉に目が留まったのは。渋滞していた車列が進み、景色が後方へと流れた後も、妙に心に残った。 最近は、「振り返ってらんねぇ」という

    最終回どうして棚に向き合う時間が減ってしまうのか|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)
    bookseller56
    bookseller56 2017/07/28
    「この連載をまとめた書籍は今冬刊行を予定」
  • 第23回本屋の読書―谷川俊太郎にノーベル文学賞を!|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan ■月に読んでいる冊数 今回は「読むこと」について書こうと思う。 2017年の7月現在、僕が「自分で選んで読む」と「仕事として読む」との割合は半々ぐらいだ。ORIORI店へと異動してきてからというもの、労働時間は増えているのにもかかわらず、読むことに割く時間は以前より増えた。勤務日には、出社前にだいたい1時間30分、昼の休憩時間に1時間、家に帰ってきてから2時間。合計4時間30分ほどを読書に充てている。朝および昼に読むと、夜に読むとは違う

    第23回本屋の読書―谷川俊太郎にノーベル文学賞を!|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)
    bookseller56
    bookseller56 2017/07/14
    「読むということを捉えなおすことによって、多くの新しい切り口が見つかる」「本を読んで想像する力を日々鍛えている僕ら業界の人間が、打開策を見つけられないわけがない」
  • いまいるその場所で|ちくまプリマー新書|森田 真生|webちくま

    5月刊行のちくまプリマー新書『建築という対話 僕はこうして家をつくる』(光嶋裕介著)について、独立研究者の森田真生さんに解説をいただきました。 『建築という対話』と題した書であるが、中身は「家をつくること」以上に、「人と人の関係をつくること」について語られている。著者にとって「建築する」とは、まず何よりも「人間をつくる」ことなのだろう。難解な芸術論や空間論をふりかざすのではなく、抽象的な身体論を捏(こ)ねるでもなく、著者は屈託なく、家族や師匠への愛を打ち明け、人生を形作った縁を喜び、さらに豊かな人と人との関係を育(はぐく)むための、家づくりへのアプローチを語る。 こんなにまっすぐで、こんなに素直な目的を抱いて、人は建築家であり続けることができる――そのことに勇気づけられる若い読者も、少なくないはずだ。 ぼくは著者の友人として、彼が若い学生などと接する場面を、これまでにも何度か目撃してきた

    いまいるその場所で|ちくまプリマー新書|森田 真生|webちくま
    bookseller56
    bookseller56 2017/07/01
    光嶋裕介『建築という対話 僕はこうして家をつくる』書評(評者:森田真生)
  • 遠吠えの聞こえる夜|単行本|吉田 篤弘|webちくま

    PR誌「ちくま」6月号より、久しぶりの長篇小説『遠くの街に犬の吠える』を上梓した吉田篤弘さんの自評を転載します。この小説をめぐる、吉田さんらしいエピソードをお楽しみください。小説を読みたくなります。でも、クラフト・エヴィング商會の装幀の妙は、ここではわかりません。ぜひ現物を手にとってみてください。 あたらしい小説を書きました。 『遠くの街に犬の吠える』というタイトルですが、犬は出てきません。 このおかしなタイトルは、じつのところ、頭と尻尾が要でありまして、つまりは「遠吠え」というものについて、考えたり、考えるのをサボったり、あるいは、大いに横道に逸れたりして書いたのです。 遠吠えとは何ぞや、ということであります。 いえ、遠吠えを対岸の火事のように聞いている、という話ではありません。当の人――まぁ、人が犬であるのなら、「犬」と記すべきでしょうが――は、何ゆえ、あのように哀しげな咆哮を夜

    遠吠えの聞こえる夜|単行本|吉田 篤弘|webちくま
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    bookseller56 2017/06/30
    「久しぶりの長篇小説『遠くの街に犬の吠える』を上梓した吉田篤弘さんの自評」
  • 第22回本屋とメディア―読者の〈未知〉を〈既知〉に変える「接点」|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/3)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan 「努力」とは「このままじゃダメだ」と不安や不満を抱えている人がするものであって、現状に恵まれた人がするものじゃない。 ということは、過去の自分の行いや成果に満足せず、むしろ積極的に否定することからしか努力は生まれないということだ。漫然とした努力なんて存在しない。 え? 継続は力なりという言葉があるように、何かを続けることは努力じゃないかって? いや、それはもはや努力とは言えない。 単なる「日常」だ。 書店とメディアの関係性について、最近よく考える。

    第22回本屋とメディア―読者の〈未知〉を〈既知〉に変える「接点」|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/3)
    bookseller56
    bookseller56 2017/06/24
    「僕らができることは業界の外側から業界の内側を変えるアイディアを出し続けることではないだろうか」
  • 第21回開店してみなければわからないこと―〈雑誌〉と〈コミック〉の構成比について|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! 今回は、先月開店した新店「ORIORI produced by さわや書店」の棚構成、主に〈雑誌〉と〈コミック〉について考えます。 ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan ■開店2週間を迎えて 直近2回の店長日記で書かせてもらったように、5月19日に何とか開店にこぎつけた。開店後、たくさんの方にご来店いただき、それぞれとお話しする機会を得た。普段の僕なら「こんな店ですが、よかったら見ていってください」などというところなのだが、今回ばかりはその言葉を吐けなかった。様々な局面でそれぞれに苦労

    第21回開店してみなければわからないこと―〈雑誌〉と〈コミック〉の構成比について|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)
  • あなたの人生、パンクさせます|ちくま文庫|栗原 康|webちくま

    6月のちくま文庫新刊、ブレイディみかこさんの『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』に寄せられた栗原康さんによる解説「あなたの人生、パンクさせます」を公開します。 さいきん、ある高校の入学式に出席した。それでひさびさにおもいだしたのだが、昔からお偉いさんの挨拶というのはマジでクソだったということだ。「みなさんは、日国の礎(いしずえ)にならなくてはいけません。みなさんは車の部品とおなじなんです。ひとつでも欠けたら不良走行になってしまいますからね。みんなに迷惑をかけないように励んでください」。税金でもいっぱいはらえるようになればいいのだろうか。機械の部品みたいに、文句もいわず死ぬまではたらけばいいのだろうか。この国の未来のために、みんなのために。役にたたなきゃ不良部品だ、とりかえましょうと。そんなこといわれると、もういいたくなってしまう。オレたちに未来なんてない。人生なん

    あなたの人生、パンクさせます|ちくま文庫|栗原 康|webちくま
    bookseller56
    bookseller56 2017/06/08
    「6月のちくま文庫新刊、ブレイディみかこさんの『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』に寄せられた栗原康さんによる解説」
  • 第20回新店の選書について―8つの苦しみ|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/3)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! 今回は5月19日に開店する新店舗「さわや書店ORIORI店」の選書について。 ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan ■選書は〈地獄〉 2月下旬からひと月半もの間、新店舗の開店のために選書をしていた。 外界から遮断されたさわや書店フェザン店のバックヤードの片隅。目の前には壁。日に日にみじめな気持ちが増してゆく。僕の心と反比例するように根雪は身を縮め、雪がちらつく晩冬から季節は巡って気づくと岩手にも春が訪れていた。 「どんなぁ、お客さんが来てくれるのかなぁ」 「どうやってぇ、お店にぃ、私ら

    第20回新店の選書について―8つの苦しみ|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/3)
  • 第19回 「あの日」の決意―さわや書店の10年と自分に足りなかったもの|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/3)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan ■2008年の2つの「あの日」 自分を殺した「あの日」を境に、いつの間にか自力で物事を解決する力が低下していた。店長になることが決まってから、5月の開店にむけて準備をしなければならない状況に直面し局面、局面で判断を迫られるたびにそう感じる。でもそれは、以前の自分を美化しているからかもしれず、実のところ当にそうであるかどうか自信はない。 船頭多くして船山に上る。 金言ではないだろうか。さわや書店という小さな船でも、方向性を失わないためには「自分」の

    第19回 「あの日」の決意―さわや書店の10年と自分に足りなかったもの|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/3)
  • 不自由さを承知で愛する誰かの何かに宿る ―― こうの 史代|ちくま文庫|webちくま

    亡くなったひとのだいじな思いをのせて静かに感動の輪が広がりつづけている東直子『とりつくしま』を、『この世界の片隅に』『日の鳥』の漫画家・こうの史代さんにお読みいただきました。PR誌『ちくま』3月号より転載いたします。 死んでしまった後に、まだこの世に未練を残していると、「とりつくしま係」がやって来て、あなたの望む物体に、あなたの心を入れてあげると言う。とりつくしまもなく、この世から引き離されてしまったわたしに、とりつくしまを与えてくれると言う。そしてわたしは、今まで見慣れた何かに宿って、いちばん大切だった誰かを、思いがけず間近から再び眺めることになる。 この作品は、こうしてこの世をほんの少しの間、今までの自分とは違う視点から眺め直す、十一の物語でできている。 ある者はロージンバッグとなって、少年野球の投手である息子をてのひらから見守った。ある者は居間のマッサージ器になって、家族が腰掛けるの

    不自由さを承知で愛する誰かの何かに宿る ―― こうの 史代|ちくま文庫|webちくま
    bookseller56
    bookseller56 2017/04/06
    東直子『とりつくしま』書評
  • 第17回 さわや、新店出すってよ 【後編】―出版社へのお願い|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! 今回はタイトルにあるように5月にオープンが決まった新規店について、後編は、出版社の編集との会合で発表した新店のコンセプトについて。 ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan ■新店名は「さわや書店ガラパゴス店(仮)」 2日目の朝、遅く動き出した僕らは昨日の酔いを引きずりながら神楽坂へと向かう。目的地は新潮社および、その隣にある「la kagu」という店舗兼イベントスペースの視察。以前、東北の営業を担当していたO田さんと、現担当M村さんにお話を伺う。昼時だったので新潮社館地下の社員堂に

    第17回 さわや、新店出すってよ 【後編】―出版社へのお願い|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)
    bookseller56
    bookseller56 2017/03/10
    「個人的な体験である『本を読む』という行為を進歩させて、SNSとは対極にある『現実のつながり』と『実際の共有』のモデルケースにしてみせる」
  • 第16回 さわや、新店出すってよ 【前編】|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! 今回はタイトルにあるように5月にオープンが決まった新規店について、前編と後編、2回に分けて書いていただきます。 ◆さわや書店ホームページ http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan さわや書店、5月に新規店 1月中旬の3日間、僕は田口幹人店長とともに東京にいた。 僕は「次長」という肩書で、一応副店長なので店のトップ2が不在の非常事態である。一体さわや書店フェザン店に何が起きたのか。 話は2016年の秋にさかのぼる。以前『屋の勘(かん)』の回で書いたのだが、天下分け目の決戦(僕が勝手にそう考えていた)と位置付けた出店

    第16回 さわや、新店出すってよ 【前編】|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)
    bookseller56
    bookseller56 2017/02/24
    「5月にオープンが決まった新規店について」という以上に、「フェザン脳」脱却のために見学した進駸堂中久喜本店(栃木県小山市)について。
  • 作家たちの生原稿が語るもの|『「本をつくる」という仕事』刊行記念|稲泉 連|webちくま

    1月刊、稲泉連『「をつくる」という仕事』から1章分掲載の第3回目、最終回です。 校閲という仕事にどのようにして誇りをもっていったかが、描かれています。 文学で身を立てる 新潮社の創業者・佐藤義亮は、日の出版史における立志伝中の人物だ。 一八七八(明治一一)年、彼は秋田県仙北郡(現・仙北市)の角館町に生まれた。『佐藤義亮傳』(村松梢風著)によると、実家はその極寒の町で荒物屋を営んでおり、父親の為吉は棚に並べている商品に「論語」からとった言葉を付けている変わり者。地元では珍しいほどの読書家だったという。 その父が購読していた新聞や仏教雑誌を読みながら育った佐藤義亮は、青年になるとともに文学を志すようになり、博文館発行の雑誌『筆戦場』への投稿を始める。そんななか、日清戦争が勃発。新聞や雑誌に掲載される著名な戦場特派員の原稿を読み、〈血なまぐさい戦場も一管の筆によって人の心を躍らせ昂奮させる〉

    作家たちの生原稿が語るもの|『「本をつくる」という仕事』刊行記念|稲泉 連|webちくま
    bookseller56
    bookseller56 2017/02/09
    刊行記念、第4章「校閲はゲラで語る」全文公開の第3回(全3回)
  • 校閲を大事にする会社|『「本をつくる」という仕事』刊行記念|稲泉 連|webちくま

    1月刊、稲泉連『「をつくる」という仕事』から1章分掲載の第2回目です。 今回はお話では、熱気あふれる時代の出版社の空気にふれることができます。 文学の熱気あふれる出版社へ 矢彦さんが新潮社へ入社したのは一九七〇年。 街がざわついていた時代だった。 高田馬場に借りたアパートから矢来町の社屋に歩いていくと、安保闘争の学生たちが大勢いた。入社前には機動隊に投石する一群に投げ込まれた催涙ガスを吸い込み、涙が止まらなくなったこともある。 一九七〇年は一一月に三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地でクーデターを促し、割腹自殺を遂げた「三島事件」が起こった年だ。 三島の作品を多く出版していた新潮社も蜂の巣をつついたような騒ぎとなり、翌年にかけて三島作品が飛ぶように売れたものだった。矢彦さんはそのような時期に、校閲部員としての最初の一年間を過ごすことになった。 長野県出身の彼は、高校生の頃から『古事記』や『万葉

    校閲を大事にする会社|『「本をつくる」という仕事』刊行記念|稲泉 連|webちくま
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    bookseller56 2017/02/02
    刊行記念、第4章「校閲はゲラで語る」全文公開の第2回(全3回)
  • 第14回 本屋の複合化|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)

    全国から注目を集める岩手県盛岡市のこだわり書店、さわや書店で数々のベストセラーを店頭から作り出す書店員、松大介氏が日々の書店業務を通して見えてくる“今”を読み解く! ◆さわや書店ホームページ開設されました! http://books-sawaya.co.jp/ ◆さわや書店フェザン店ツイッター https://twitter.com/SAWAYA_fezan だけ売っていては駄目? 「書店の複合化が進んでいる」と業界では言われている。 だけ売っていては駄目だという意見が大勢をしめる。事実、1996年をピークに書籍の推定販売額は右肩下がりだ。は利益率がとても低い。1000円のが売れたとして、屋には200円ほどの粗利が入る。だがそこから家賃、光熱費、人件費などの諸経費を引いていくと、せいぜい数十円ほどの純利益が残ればいいほうだ。 いま「屋」という言葉を聞いて、頭に浮かぶイメージは

    第14回 本屋の複合化|冷やかな頭と熱した舌|松本 大介|webちくま(1/2)