「混沌が活力を生み、新しい価値を創る。そんな場を作り続けたい」 日経ビジネスには、「旗手たちのアリア」というコラムがある。ある人物の半生を徹底的に取材し、その考えや生き方を通して、物事の本質を紡ぎ出していくという、記者にはやりがいのある企画だ。そのコラムで、昨年、私は佐賀県武雄市長の樋渡啓祐氏を取り上げた。1カ月ほどの取材期間を通して、特に印象に残っているのが、冒頭の言葉だった。 佐賀県の西部に位置する武雄は、人口10万ほどの地方都市である。ごく一般的な、地方自治体に過ぎなかったのが、2005年の樋渡氏が市長に就任して以降、全国の注目を集めるユニークな政策を連発する活気ある自治体に変貌していく。 世間の耳目を集めた政策の数々は、記事をご覧いただければと思うが、重要施策の1つをここで紹介する。それは、ツイッターやフェイスブックのアカウントを武雄市職員に持たせることだ。市長公認の職員によるソー