日本の自治体関係者が、まちづくりのお手本として視察に訪れるカールスルーエ市(ドイツ)。中心市街地は自動車の乗り入れを禁止したトランジットモールで、障害のあるなしにかかわらず、誰もがまち歩きを楽しめる都市空間が形成されています。同市在住の松田雅央さん(NPOドイツ環境情報センター)に、“成熟都市カールスルーエの今”を2回に分けてレポートしていただきました。 松田雅央●まつだ まさひろ 1966年生まれ。東京都立大学工業化学科大学院終了。在独7年。NPOドイツ環境情報センターを立ち上げ、日本へ生きた環境情報を発信している。 ドイツ・カールスルーエ市のメインストリートはトラムと歩行者のトランジットモールになっている。ショッピングなどで多くの人が集う活気ある街並みは、まさしく市街地(City)のコアと呼ぶのにふさわしい。体に不自由の無い人だけでなく、杖をついてトラムに乗降する老人、ベビー