クリント・イーストウッドはこの5月31日で80歳になる。大恐慌時代に幼年期を過ごした人物が、このところ絶好調で新作を発表し続けているのだから驚くほかない。 放浪と肉体労働、バーでのピアノ演奏、兵役などを経て、ハリウッドに流れ着いたイーストウッドは、24歳で端役デビュー。その後の3年間で映画12本、テレビドラマ4話に出演したが、B級西部劇『Ambush at Cimarron Pass』でのビリング3位が最高位だった。人気が出たのは、その翌年から始まったテレビシリーズ「ローハイド」へのレギュラー出演。準主役の牧童ロディ役を35歳まで演じることになる。 ここで重要なのは、映画スターへの強い憧れや自負があって俳優になったわけではないこと。そして、当時から映画製作の工程全体に興味があり、「ローハイド」ですでに監督もしたがっていたこと(実現しなかった)。 イタリアに出張し、マカロニ・ウエスタン三部作