タグ

ブックマーク / mandanatsusin.cocolog-nifty.com (28)

  • マンガの自家コピー問題『アイアムアヒーロー』 - 漫棚通信ブログ版

    今のひとはあまり知らないかもしれませんが、ディズニーのアニメが、商業的にも作品的にもダメダメだった時代があります。 長編アニメのリストを見れば、「ロビン・フッド」が1973年(日公開はずっと遅れて1975年)、次の「ビアンカの大冒険」が1977年(日公開はなんと1981年)です。この間、ディズニーアニメの商業的価値は地をはっていました。 劇場公開時に「ロビン・フッド」を見に行ったわたしがいちばんあきれたのは(地方とはいえ、観客10人程度?)、同じ絵、同じ動きがくりかえし、違うシーンで出てくるところ。すでにTVアニメではあたりまえのテクニックだったのでしょうが、あのディズニーが、劇場用長編で、それをやるかー、という感想でした。 ときは流れて2016年。花沢健吾『アイアムアヒーロー』21巻(2016年小学館、552円+税、amazon)について。 いやもうなんだよこれは。 同じアングルの同

    マンガの自家コピー問題『アイアムアヒーロー』 - 漫棚通信ブログ版
  • 『鼻紙写楽』はまちがっている - 漫棚通信ブログ版

    でもっとも絵がうまいマンガ家にして、きわめて寡作。オビに「伝説」と書かれる一ノ関圭の新作がついに発行されました。 ●一ノ関圭『鼻紙写楽』(2015年小学館、1800円+税、amazon) 連載されたのは不定期刊だった小学館の雑誌「ビッグコミック1(ONE)」。2003年から2009年にかけての連載も不定期でした。雑誌休刊とともに連載は中断されていましたが、連載一回分が描き下ろされ、2002年に描かれた10ページの短編「初鰹」を加えて単行化されました。単行編集・企画としてビッグコミック1の編集長だった佐藤敏章の名がありますね。 わたしが雑誌休刊時に描いた記事はコチラ。→(※) 堪能しました。超絶的な絵のうまさ、マンガ的な人物造形の色気、これでもかという考証と歴史を絡めて練られたストーリーの妙、緻密な構成と演出、どれをとっても一級品です。 しかし。 連載一回一回がとんでもない濃密さです

    『鼻紙写楽』はまちがっている - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2015/03/23
    一ノ関圭の新刊とな!?(ネタバレあるそうなので、評は未読)
  • マンガ特装版という黒い罠『3月のライオン』 - 漫棚通信ブログ版

    マンガの単行に「特装版」というものが始まったのはいつだったでしょう。多くはどうでもいいオマケがついていて、かつてわたし、まちがってタオルつき特装版を買ったことがありました。ええーい、くやしいったら。 最近は特装版はもうアタリマエの存在になってしまって珍しくも何ともありません。ただし特装版のほうが早く発売され、何のオマケもついてない通常版は週遅れで発売、ってどうよと思うところはあります。 しかしまあそれもすべては出版不況が悪いのです。少しでも付加価値をつけて何とか買ってもらおうという戦略。わたしはマンガ以外のオマケは必要としないので特装版は基買いませんが、作家の習作とかを見かけるとすっごく惹かれちゃって、買ってしまったものもあります。 そういうのは読者の選択なんですからしょうがないのですが、こういう特装版にはちょっと納得いかない。何かというと、羽海野チカ『3月のライオン』10巻の特装版で

    マンガ特装版という黒い罠『3月のライオン』 - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2014/12/05
    "マンガファンとしては、きっと『3月のライオン』スピンオフマンガは将来的に別の単行本に収録されるでしょうから、そこまで待てばいいのですけどね。"
  • 色があったりなかったり - 漫棚通信ブログ版

    現代日マンガは、おもにモノクロで描かれモノクロで印刷されています。 日でもかつては、主流ではないにしろマンガが四色三色二色で印刷されていた時代もありました。しかしマンガ週刊誌時代となり、安価で粗雑な紙で分厚い雑誌+モノクロ印刷、という選択をした結果、日マンガは多くのページを獲得し、特殊な発展を遂げます。 コマ構成の複雑化、大ゴマの多用、スクリーントーンなどのモノクロ表現の先鋭化、ひとつのシーンに多くのコマを使用する演出、などです。これにより日マンガは長大なページ数で大長編ストーリーを展開することが可能になったのです。 そして新書判ブームが到来します。かつて雑誌で読み捨てられていた多くのマンガは、新書判単行としてよみがえりました。しかし、そのとき、雑誌連載中の「色」は捨てられることになりました。 雑誌連載マンガにも少しは四色ページや二色ページがありましたが、それは新書判単行で再現

    色があったりなかったり - 漫棚通信ブログ版
  • ホノオモユルの本棚マンガ全チェック - 漫棚通信ブログ版

    TVドラマ「アオイホノオ」おもしろいなあ。これ、わたしだけの感想じゃないみたい。うちのと娘は原作マンガは途中で脱落したけど、TVドラマのほうは喜んで見てます。焔燃(ホノオモユル)役の柳楽優弥くんの、眉毛と演技の濃さが気に入ったらしい。 TVドラマが原作マンガよりも優れているところは、天才・庵野秀明によるアニメや実写作品がいかに主人公をうちのめしたか、それを映像で(コピー作品にしても)まざまざと見せてくれるところ。この部分に関しては、マンガはかないません。 1980年前後の時代考証や細部も楽しい。まるで出崎統アニメみたいな演出とか。ちょっと違和感あるのは、あの時代、若いお姉さんはまだ茶髪にしてなかったし、ファッションは「ハマトラ」いうてやねえ…… とかいいながら見てましたら、やかましいっと家族に怒られたので、以下ブログに書くことにします。 第一回にはホノオモユルの部屋にある棚がちらちらと

    ホノオモユルの本棚マンガ全チェック - 漫棚通信ブログ版
  • 『がらくたストリート』完結というかオシマイから『昔話のできるまで』 - 漫棚通信ブログ版

    最近読んだマンガですごく楽しめたもの。 ●山田穣『がらくたストリート』3巻(2014年幻冬舎、630円+税、amazon) 通称「がっくり」第1巻の発売が2008年。1巻についてのわたしの感想がコチラ。→(※) でもって第3巻の発売が2014年。7年で3巻、書に限らず、日マンガの出版サイクルもBDなみになりましたねえ。2012年末に連載中断となって、描き下ろしを加えての最終巻発売です。 ファンのかたがたが待ちに待った最終巻ですが、特別なことが起こるわけではありません。葦原の瑞穂の国=日そのものである芦原市を舞台に、宇宙人やら怪異現象やら妖怪ハンターが登場するにもかかわらず、男の子、女の子があーだこーだとにぎやかに会話しながら進行するお話。 だって描かれてるのが、運動会、文化祭、遠足、ご近所の散歩、そして温泉旅行ですよ、奥さん。古き革袋に新しい酒を。 ウンチクと会話の楽しさ。地理的にも

    『がらくたストリート』完結というかオシマイから『昔話のできるまで』 - 漫棚通信ブログ版
  • ふわふわでぽかぽか『彼女のカーブ』 - 漫棚通信ブログ版

    ジャケ買いというか表紙買いして正解! ●ウラモトユウコ『彼女のカーブ』(2014年太田出版、952円+税、amazon) 表紙イラストが裸の女の子でいっぱい、オビには「すけべでロマンティック」と書いてあるし、連載は「マンガ・エロティクス・エフ」だし。ということで、エッチに違いないと思って買ったのですが、それほどエッチじゃなかった。でも、買ってよかった。 短篇集です。一応、女の子のやーらかいカラダの一部を描く、というテーマがあって、オッパイとか、二の腕とか、耳たぶとか、脚とかですね。それがタイトル『彼女のカーブ』の意味です。 恋愛がテーマというわけでもなく、基エッチじゃありません。どの作品も一種の会話劇で、日常のちょっとした謎やすれちがいが、会話の中で解決される。銭湯で出会う少女は幽霊なのか? 兄嫁はなぜあんなにわたしをイライラさせるのか? コンタクトを落としてメガネで外出することになった

    ふわふわでぽかぽか『彼女のカーブ』 - 漫棚通信ブログ版
  • 吸血鬼殺人事件『白暮のクロニクル』 - 漫棚通信ブログ版

    どういうマンガが好きなのかと問われて個別のことはともかく、一般化して話すならこれはもう、魅力的なキャラクターがステキなストーリーをくりひろげるマンガ、であるわけですね。この二者のどちらが欠けても成功しない。 ストーリー/プロットについてはマンガに限ってどうこういえるものではないのでおいといて、マンガにおけるキャラクターは特殊です。なんつっても、紙の上に描かれた線の集合であるところの何か、なんですから。しかもそれが複数のコマにわたって「演技」らしきものをくりひろげ、総合的にマンガのキャラクターとして認識される。これらを大きく含めてわたしたちはキャラクターとして受け入れています。 ひとが演じる演劇や映画テレビならキャラクターは「姿形」+「会話」+「演技」ですが、マンガなら「姿形」+「会話」+「作者の演出による演技らしきもの」となります。つまりすべては作者のコントロール下にあります。 というこ

    吸血鬼殺人事件『白暮のクロニクル』 - 漫棚通信ブログ版
  • 『このマンガがすごい! 2014』補遺 - 漫棚通信ブログ版

    ●『このマンガがすごい! 2014』(2013年宝島社、500円+税、amazon) 前回のエントリでオンナ編1位にちょっと難癖をつけてしまいましたところ、『さよならソルシエ』の雑誌連載は、2013年8月28日発売の「flowers」10月号で完結しとったやないかーい、とコメントをいただきました。 ごもっともでございます。となりますと、各選者のかたがたが雑誌での完結を知ったうえで投票されたかどうか、ですね。というわけではないのですが、選者のコメントを細かく読んでました。 みなさん、いろんな作品を挙げられてますねー。白山宣之『地上の記憶』に票がはいってるのに驚いた。ドリヤス工場けっこう人気。村上もとか『フイチン再見』はまだ1巻しか発売されてないのに、票が集まりすぎじゃないか。それにしても、こうの史代『ぼおるぺん古事記』をオンナ編に分類するのはどうなのか。 さて今年の「このマンガがすごい!」の

    『このマンガがすごい! 2014』補遺 - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2013/12/13
    "本作に投票したひとが少ないと感じられるかもしれませんが、毎年、トップの得票率はこんなものです。上位に投票するひとが多いかどうかで順位がころころ変わるのが、こういう限ら(以下略)"
  • 不幸な家族の物語『スティッチ』 - 漫棚通信ブログ版

    意外な作品の邦訳ですが、これも海外マンガ邦訳ブームがあってこそです。いやもうありがたいったら。 ●デイビッド・スモール『スティッチ:あるアーティストの傷の記憶』(藤谷文子訳、2013年青土社、2600円+税、amazon) 出版社よりご恵投いただきました。ありがとうございます。 まず翻訳者名に注目。おおっ、あの平成ガメラシリーズのっ、ヒロイン、藤谷文子ではないですか。書の邦訳は彼女の持ち込み企画だそうです。 作者のデイビッド・スモールは1945年デトロイト生まれの作家/イラストレーター。書は彼の自伝マンガで、原著は2009年に発行されました。ソフトカバー、モノクロ300ページ超。 薄墨を使ってさらっと描いた絵で、邦訳はフキダシ内も手書き文字。一連の動きで「コマを割る」映像的な表現が多用されていて、日人読者にも読みやすいのじゃないかな。 父親が放射線科の医師、母親が専業主婦である主人公

    不幸な家族の物語『スティッチ』 - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2013/11/30
    "まず翻訳者名に注目。おおっ、あの平成ガメラシリーズのっ、ヒロイン、藤谷文子ではないですか。本書の邦訳は彼女の持ち込み企画だそうです。"
  • 『ザワさん』完結 - 漫棚通信ブログ版

    『高校球児ザワさん』が全12巻でめでたく完結。 ●三島衛里子『高校球児ザワさん』全12巻(2009~2013年小学館、524~571円+税、amazon) 都澤理紗さんは高校野球の古豪、日践学院高校唯一の女子野球部員。ポジションはピッチャー、あだ名がザワさん。一所懸命練習しても、彼女は公式戦には出られない。そういう彼女の日常を描いたマンガです。 最終12巻でザワさんは、他校のロクでもない三年生とつきあったりしてて、お父さん世代としては心配で心配で。でもきちんと高校を卒業、大学進学して野球人生を続けることになります。とてもいい終わりかたでした。 『ザワさん』はどこが新しかったのか。連載の1回分が6ページから10ページ程度という少ないページ数。その少ないページ数でストーリーがどんどん展開するわけではなく、そこで描かれるのは日常のスケッチ。叙事でもなく叙情でもなく、叙景とでもいうべきか。 しかし

    『ザワさん』完結 - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2013/05/06
    "いしいひさいち以来、四コママンガで描く大河ドラマというのが成立しましたが、それをストーリーマンガに逆輸入した感じですね。"
  • 施川ユウキまつり - 漫棚通信ブログ版

    今年のゴールデンウィークは施川ユウキまつり。 新作三冊のうち『ごはん』と『オンノジ』を読んで、あまりのすばらしさに興奮。『バーナード嬢曰く。』がご近所で見つからないので朝から車を飛ばして遠くの書店まで足を伸ばしてようやくゲット。 ●施川ユウキ『ごはん』1巻(2013年秋田書店、552円+税、amazon) ●施川ユウキ『オンノジ』(2013年秋田書店、552円+税、amazon) ●施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』(2013年一迅社、619円+税、amazon) まずはわが家では、すぎる、と評判の悪い『ごはん』。えー簡単にいいますと、読むと心がめいってくる、裏『孤独のグルメ』です。 就職浪人の主人公(♂)が、基ひとりで事をしながら考え込む内容のあれこれ。読者はそれをモノローグとして読むのですが、これがまあ、じつにネガティブ思考ばかり。 事の喜びというものがまったくない。という

    施川ユウキまつり - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2013/05/01
    チャンピオンのサナギさんの作者だったか。
  • 手塚的なものとは『ブラック・ジャック創作秘話』 - 漫棚通信ブログ版

    はじめは一巻完結だと思ってたのですが、続いてますねー。 ●吉浩二/宮崎克『ブラック・ジャック創作秘話 手塚治虫の仕事場から』3巻(2013年秋田書店、648円+税、amazon) この巻には、手塚のアシスタントだった石坂啓・高見まこの体験談、秋田書店編集者・阿久津邦彦の話、手塚治虫と孫悟空の話、の三話を収録。 わたしも手塚関連の文献はひととおり押さえているつもりだったのですが、手塚先生のエピソードはいくらでも出てきますね。それだけ巨人であり、奇行のひとでもあったということでしょう。 今回感心したのは孫悟空というキーワードで手塚の人生を切りとった「手塚治虫と6人の孫悟空」。こういう視点もあったか。読みものとしてよくできてました。 ただしそれぞれの作品の掘り下げは浅い。って、それぞれを追求するようになると、マンガじゃなくて研究書になっちゃいますね。 手塚治虫の功績、あるいは後世に与えた影響と

    手塚的なものとは『ブラック・ジャック創作秘話』 - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2013/04/13
    "さてアニメにおける手塚治虫の功績(もちろん批判の対象にもなるのですが)は「動かないアニメ」あるいは「少ない枚数のアニメ」の開発、なのじゃないか。"
  • 『ウツボラ』を読み解く - 漫棚通信ブログ版

    2巻が発売されたときにすでに読んでいたのですが、と娘(高校生)がワケわからんっ、解説しろとせっつくので書くことにしました。たしかに結末で迷う読者もいるでしょう。わざとわかりにくく描いてるみたいだしなあ。 ●中村明日美子『ウツボラ』1・2巻(2010/2012年太田出版、各680円+税、amazon) 全二巻で完結のミステリ。冒頭の謎はすごく魅力的です。 若い女性がビルの屋上から転落死する。顔のつぶれた死体となった彼女の名は「藤乃朱(あき)」。ケータイにはなぜか二人の履歴しか残っていなかった。ひとりは双子の妹「三木桜(さくら)」、もうひとりは作家の溝呂木(みぞろぎ)だった。 警察に呼び出された溝呂木は、藤乃朱の書いた「ウツボラ」というタイトルの小説を盗作したという秘密を抱えていた。溝呂木は三木桜が藤乃朱とまるきり同じ容姿をしていることに驚く。さらに三木桜は、溝呂木と藤乃朱の間の秘密を知って

    『ウツボラ』を読み解く - 漫棚通信ブログ版
  • ほのぼのしんみりだけじゃない『ペコロスの母に会いに行く』 - 漫棚通信ブログ版

    書店ではマンガの棚じゃないところに置いてありました。 ●岡野雄一『ペコロスの母に会いに行く』(2012年西日新聞社、1200円+税、amazon) 予備知識がまったくなく、ぱらぱらと立ち読みをしてから購入。シュリンクしてなかったのでありがたかった。 まずタイトルで「?」ですが、ペコロスとは著者のペンネーム。書影イラスト右のハゲたおっさんですね。そして左のばあちゃんが著者のお母さん。老いた母が老いた息子のハゲアタマをなでている図です。 「会いに行く」とは著者の母が認知症となりグループホームに入所しているから。 長崎のタウン誌に連載されたのち自費出版され、評判となって大手から出版されたそうです。 著者は長崎在住のフリーライター62歳。母は夫が亡くなってからゆっくりと認知症の症状を悪化させていきます。物忘れ、幻覚、妄想…… 最初のほうは母の見せる老いと認知症を描いた日常エッセイマンガ。一篇が二

    ほのぼのしんみりだけじゃない『ペコロスの母に会いに行く』 - 漫棚通信ブログ版
  • 幸福で不幸な『鉄腕バーディー』完結 - 漫棚通信ブログ版

    ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』終わっちゃいましたねー。 ●ゆうきまさみ『鉄腕バーディー EVOLUTION』13巻(2012年小学館、524円+税、amazon) 『鉄腕バーディー』が全20巻。タイトルを変えた続編『鉄腕バーディー EVOLUTION』が全13巻。連載期間は10年におよびます。 12巻が発売されたときに全巻読み直して、最終13巻を読んだ上でもう一回全巻読み直し。いやーつくづく傑作だった。最終13巻の第3話までは。 一部ではジャンプのバトルものを少年マンガの「王道」と呼ぶ向きもあるようですが、歴史的にはバーディーのほうがよほど王道でしょう。 手塚石森以来のSFである。探偵対怪盗という古典的な構造をもち、正義対悪の戦いである。明朗活劇で、ストーリーとギャグのバランスが抜群。ちょっとエッチでオタク要素もはいってる。ほらほら王道じゃないか! 銀河連邦の女性捜査官バーディーが、地球に

    幸福で不幸な『鉄腕バーディー』完結 - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2012/10/02
    "12巻が発売されたときに全巻読み直して、最終13巻を読んだ上でもう一回全巻読み直し。いやーつくづく傑作だった。最終13巻の第3話までは。"
  • 一ノ関圭の絵本『琉球という国があった』 - 漫棚通信ブログ版

    「ビッグコミック1(ワン)」に連載されていたマンガ『鼻紙写楽』が雑誌休刊に伴い中断してしまった一ノ関圭。最新のお仕事は絵です。 ●上里隆史・文/富山義則・写真/一ノ関圭・絵「月刊たくさんのふしぎ2012年5月号 琉球という国があった」(福音館書店、667円+税、amazon) 福音館書店は月刊誌形式の絵をいろいろと刊行してますが、これもそのひとつ。一ノ関圭としては「月刊たくさんのふしぎ2002年5月号 おおふじひっこし大作戦」以来、二回目の登場です。 絵は子供向けの沖縄史、とくに貿易に注目して書かれたものです。写真と絵が半々ぐらいで、一ノ関圭の絵はカット的なものが多いのですが、一部にびっくりするような絵もあって、大型ジャンク船や倭寇船をこまかく描いたものは絵画としても図解としてもすばらしい。 那覇港を鳥瞰した絵は登場する十数隻の帆船のデザインがすべて異なるというものですし、那覇市場の

    一ノ関圭の絵本『琉球という国があった』 - 漫棚通信ブログ版
  • 小ネタ集 - 漫棚通信ブログ版

    bridgestone
    bridgestone 2012/02/10
    "●アニメ「偽物語」第五話で笑ったのが、ニセ壱万円札。福沢諭吉の髪型が主人公の阿良々木暦のそれで、中央にでかでかと「赤瀬川」。現代に赤瀬川原平の千円札裁判がネタとして通用するのかどうか。"
  • マンガの色についてふたたび - 漫棚通信ブログ版

    マンガから色がなくなったのはどうしてか、と考えることがあります。 戦前の日児童マンガ単行には、一部は四色(あるいは三色)カラーが使用され、多くは二色カラーで印刷されるという伝統がありました。 坂牙城『タンクタンクロー』1935年(復刻版・小学館クリエイティブ) 第二次大戦で日の子どもマンガがほぼ絶滅してしまい、その空白のあと戦後はどうなったのか。 じつは戦後の日マンガも、色を失わないように奮闘していました。たとえば少年画報社の前身、明々社が発行した雑誌「冒険活劇文庫」1948年創刊号は、その復刻版を見ると総38ページのうち半分が二色です。 「冒険活劇文庫」1948年創刊号(復刻版・「少年画報大全」付録) 紙の悪い時代でも、子どもマンガには色をつけるべき、と考えられていたのでしょうか。多くの赤マンガも四色や二色をとりいれていました。 しかしマンガは子供のものですから安価でなけ

    マンガの色についてふたたび - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2012/01/12
    (所謂)二色カラー衰退考察。
  • 『ののちゃん』とマリーザ - 漫棚通信ブログ版

    朝日新聞に連載中のいしいひさいち『ののちゃん』に登場する高校生シンガー、吉川ロカ。 彼女は、ののちゃんちのとなりのキクチ堂でアルバイトをする代わりに、店の定休日にはライブを開かせてもらってます。彼女が歌うのはポルトガルの民謡、ファドです。 ファドをエネルギッシュに歌い上げる吉川ロカは、中央の音楽シーンも注目する知る人ぞ知る存在、と言いたいところですが、じつは彼女のことはののちゃんちのご近所だけじゃなくて、日中、数百万の読者がそれを知ってるわけですね。 わたし、吉川ロカが歌うファドの歌詞が登場するたびに、モトウタを特定しようとしてたのですが、今日の(2011年12月5日5110回)はわかりやすかった。 ファドの新星、マリーザの歌うところの「Dona Rosa」ですね。 吉川ロカは以前にも、マリーザも歌ってるファド「Beijo de Saudade」をレパートリーにしてましたが、こうなると

    『ののちゃん』とマリーザ - 漫棚通信ブログ版
    bridgestone
    bridgestone 2011/12/05
    "極東で数百万部も発行されてる新聞で、ポルトガルのシンガーがモデルとなるキャラクターが描かれてて、しかもそれがほとんど誰にも知られてない、というこの不思議。"