漸く包括的にイスラームテロの基礎知識を得やすい本に出会えたように思う。 冒頭に言及のあるイスラームテロリストたちの世界の秩序と西欧主義に対抗する「自由戦士」といったアイデンティティに関して、そもそも人権思想とは西欧発のキリスト教的かつ禁欲的な出立である中、これに相反して人間の動物的な欲求や衝動、また抑圧に対する反動に解放的になることで支持層にアピールするといった戦略は整合的だな、と今さらながら対立軸の基本的な部分が思い返された。 体系理解に大変勉強になったが、詳細や量的な情報についてはまた別途学ぶ必要がある。