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ブックマーク / book.asahi.com (359)

  • 特別公開:坂本龍一さん3万字インタビュー後編「この日本という国では『やめる』という決定を誰もできない。撤退ができない国なんです」|じんぶん堂

    記事:平凡社 坂龍一さん(2013年5月撮影) 撮影:榎佳嗣 書籍情報はこちら 【前編はこちらから】特別公開:坂龍一さん3万字インタビュー前編「音楽の大きなテーマは、亡くなった者を悼むということ」 震災のことは、一日も忘れたことはない ――東日大震災からすこし時間が経って(インタビュー時は2013年)、社会が平熱に戻った感じがします。被災地では、被災地だからこそ「ようやく震災や原発のことは考えず穏やかに過ごせる時間が増えた」という方もいるようですね。 坂:うーん……。僕は、忘れるという感じはまったくありません。 ――時間が経つにつれて、ふだんの暮らしと「変えていかなくちゃ」という気持ちとをどう両立させていくのかが大切なテーマだと考えるようになってきました。安倍政権に代わってから「原発を動かそう」というムードが強まっていますよね。けれど「どんなふうに暮らしていけば、おなじことを二度

    特別公開:坂本龍一さん3万字インタビュー後編「この日本という国では『やめる』という決定を誰もできない。撤退ができない国なんです」|じんぶん堂
  • 「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日

    藤巻一保さん=撮影・北原千恵美 藤巻一保(ふじまき・かずほ)作家・宗教研究家 1952年、北海道生まれ。中央大学文学部卒。編集者を経て著述活動に入る。東洋の神秘思想、近代新宗教に関する著作を数多く手がけている。主な著書に『密教仏神印明・象徴大全』『役小角読』『秘説 陰陽道』『愛と呪法の博物誌』『偽史の帝国 “天皇の日”はいかにして創られたか』など。 異常な時代の正体を明らかにしたかった ――藤巻さんの『戦争とオカルティズム 現人神天皇と神憑り軍人』は、陰謀論や超古代史などのオカルトに魅了された旧日軍の軍人たちを通して、日を〈聖戦〉へと導いたイデオロギーに迫った異色の戦争裏面史です。執筆のきっかけを教えてください。 若い頃から秘教的な世界に興味があって、長年その分野のを書いたり編集したりしてきましたが、一方で日は神の国であるという信仰に支えられた明治から昭和までの日についてもず

    「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2023/04/15
    “明治政府が打ち出した現人神天皇・神国日本信仰という官制神話を、若い頃からたたき込まれたのがエリート軍人たちです。純粋培養された集団ですから、オカルティックな思想とも親和性が高い。”
  • イラク戦争20年 大国介入の過ち、教訓どこに 千葉大学教授・酒井啓子|好書好日

    日米首脳会談を前に、握手する小泉純一郎首相とブッシュ米大統領=2002年9月、米ニューヨーク イラク戦争から20年。43日間の(ブッシュ米元大統領が宣言した)「主要な戦闘」終了後も、1年2か月の占領統治、8年8か月の米軍駐留、その後IS対策として7年半の再駐留と、米国と国際社会にとって戦後のイラクは、桎梏(しっこく)であり続けた。 最初のイラク駐留中に死亡した米兵は、今年4月の米国防総省発表では4431人、駐留米軍に雇用された民間企業の死者は、米紙報道によると2012年時点で1569人だ。米以外の外国軍の死者は、英軍179人を含め全部で317人。日は、外交官2人を含む6人の命が失われた。 イラク国内では、過去20年間で20万人前後の民間人が命を落とした。06年半ばまでに65万人以上が死亡した、との医療専門誌の推計もある。 戦後も続く暴力 戦後もイラクの人々は内戦(06~07年)、ISの暴

    イラク戦争20年 大国介入の過ち、教訓どこに 千葉大学教授・酒井啓子|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2023/04/12
    “小泉政権下で内閣官房副長官補の立場で自衛隊派兵決定の中核にいた柳澤協二の『検証 官邸のイラク戦争』は、当時の官邸の議論を記録した数少ない書物のひとつである。”
  • 特別公開:坂本龍一さん3万字インタビュー前編「音楽の大きなテーマは、亡くなった者を悼むということ」|じんぶん堂

    記事:平凡社 坂龍一さん(2013年5月撮影) 撮影:榎佳嗣 書籍情報はこちら バッハの「マタイ受難曲」を聴くと、まさに「音楽に救われる」という感じがする ――東日大震災と原発事故はだれしもにとってたいへんショッキングなできごとだったと思います。坂さんはどうお過ごしでしたか。 坂龍一:うーん……、直後はやっぱり、音楽を聴く気になれませんでした。 ――音楽家の方でも、音楽が聴けなくなるんですか。 坂:ええ、(音楽家には)きっとそういう人は多いと思いますよ。それで、ずいぶんと経ってから……、ひと月ほど経ってからかな、やっと聴いてみようかなと思ったのは。 ――そのときに、慰めや励ましになったもの、あらためて立ちかえったものってありますか。 坂:それは、やっぱりどうしてもバッハの「マタイ受難曲」です。僕のまわりの音楽好きでも同じようにいう人は多いけれど、やっぱり特別な曲ですね。「また

    特別公開:坂本龍一さん3万字インタビュー前編「音楽の大きなテーマは、亡くなった者を悼むということ」|じんぶん堂
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2023/04/08
    “2014年に刊行された『もんじゅ君対談集 3.11で僕らは変わったか』には、坂本さんが震災後に考えたご自身の「生き方」について語るインタビュー原稿が収録されています。”
  • 20年の時を経てマンガとして再生した『会社はこれからどうなるのか』――岩井克人さん原作者インタビュー|じんぶん堂

    記事:平凡社 『マンガ 会社はこれからどうなるのか』原作者の岩井克人さん。今だからこそ語るべきことがあるという。 書籍情報はこちら 2023年3月22日刊、岩井克人原作『マンガ 会社はこれからどうなのか』(平凡社) ――『マンガ 会社はこれからどうなるのか』は、会社で働く父親、起業を考える娘、さらにその母親も巻き込んで、働き方と会社のあり方を考える家族のストーリーとして大胆に再構成されています。原作から派生した、まったく新しいと言ってよいかもしれません。そして、驚くべきことに、岩井さんご自身もマンガのキャラクターとして登場します。 岩井克人:やはり気恥ずかしいですね。マンガと違って私はこんなに若くもハンサムでもありませんし、ズボンだってもっと太いです(笑)。そもそも、小さい頃に杉浦茂や手塚治虫を読んでいたくらいで、私はあまりマンガに親しんできていません。だから正直に言うと、この企画の話を

    20年の時を経てマンガとして再生した『会社はこれからどうなるのか』――岩井克人さん原作者インタビュー|じんぶん堂
  • 【全文紹介】「幽霊はアレルギー症状を引き起こさない」 岡田利規さんが能に惹かれる理由|じんぶん堂

    記事:白水社 岡田利規『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』(白水社刊)が、国立競技場駅A2出口に出没。都営地下鉄大江戸線は同書で舞台とされる六木駅〜国立競技場駅〜都庁前駅をつなぐ。 書籍情報はこちら 岡田利規[photo © Kikuko Usuyama] 能はアレルゲンフリーの演劇だから 世の中には、演劇アレルギーの人、というのがいる。実のところ、かなりたくさんいる。もしかしたら、花粉症患者と同じくらいの数、いるのではなかろうか。 演劇アレルギーの人は、演劇の演技の噓くささや、わざとらしさに、敏感に反応する。そうしたものに触れると違和感でムズムズしてきて、耐えられなくなってしまうのである。 わたしは演劇を作る人間だけれども、演劇アレルギーの人たちのそうした心情は、とてもよくわかる。わたしもどちらかというと演劇アレルギーだからだ。 岡田利規『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』(白水社)P.54─

    【全文紹介】「幽霊はアレルギー症状を引き起こさない」 岡田利規さんが能に惹かれる理由|じんぶん堂
  • 「鴨川ランナー」グレゴリー・ケズナジャットさんインタビュー 米国出身青年の葛藤、日本語で紡ぐ|好書好日

    米国出身のグレゴリー・ケズナジャットさん(38)は、第2言語の日語で創作する作家だ。デビュー作『鴨川ランナー』(講談社)所収の表題作で、二つの文化のはざまで揺らぐ青年の心を繊細に描いた。 主人公は、日語を学ぶ米国人青年の〈きみ〉。高校生のとき旅行で初めて京都を訪れ、夕暮れの鴨川に〈まるで御伽噺(おとぎばなし)の光景だ〉と心奪われた。念願かなって大学卒業後、英語指導助手として京都で暮らすことになる。 主人公の歩む道は、作者自身の経歴と重なる。米クレムソン大学を卒業後、2007年から10年間、京都で過ごし、同志社大で谷崎潤一郎を研究した。作品は、日語でつづっていた当時の日記をもとに虚実を織り交ぜ、日語で書き上げた。「第2言語で書くと、言語への構えが変わる。使いなれた決まり文句を捨て、より誠実に言葉と向き合える」 〈きみ〉という二人称による語りを選んだのは、「距離感がちょうどよかった」か

    「鴨川ランナー」グレゴリー・ケズナジャットさんインタビュー 米国出身青年の葛藤、日本語で紡ぐ|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2023/03/19
    “「外国人が日本語で書くとき、日本について新しい視点で書くことを期待され、それが一種の型になっている。そこから逸脱してみたい」”
  • 極右のディスコースの恥知らずな常態化――批判的談話分析からのミクロ・ポピュリズム研究|じんぶん堂

    記事:明石書店 『右翼ポピュリズムのディスコース【第2版】――恐怖をあおる政治を暴く』(明石書店) 書籍情報はこちら ヨーロッパにおける極右ポピュリズムの伸張 ヨーロッパにおいて極右ポピュリズムの躍進が続いている。 2022年9月、高福祉国家として知られるスウェーデンの総選挙で、多文化主義反対を唱えるスウェーデン民主党が第二党へと躍進を果たした。初の国政進出からわずか12年で、閣外協力とはいえ政権を担うまでの存在となった。その2週間後に実施されたイタリア総選挙でも、ネオ・ファシズム政党として知られたイタリア社会運動の流れをくむ政党であるイタリアの同胞が勝利した。党首のジョルジャ・メローニがイタリア初の女性首相に就任し、主要7カ国で初の極右政権の誕生と話題をさらった。 また、これらの選挙に先立つ4月にも、フランス大統領選挙で、国民連合(旧国民戦線)のマリーヌ・ル・ペンが決選投票でエマニュエル

    極右のディスコースの恥知らずな常態化――批判的談話分析からのミクロ・ポピュリズム研究|じんぶん堂
  • 安藤礼二「折口信夫」書評 画期的な天皇論、新資料交え分析|好書好日

    折口信夫 [著]安藤礼二 総索引が付いた全集ばかりか講義録まで完備している。個人の思想を研究するのに、一見これほど恵まれた環境はない。けれども、いったんその「森」に足を踏み入れるや、あまりに蒼(うっそう)としていて方向感覚を見失ってしまう――折口信夫とは、そんな思想家だ。一体これまで幾人が踏破を試み、失敗を重ねてきただろうか。 安藤礼二は、2002年に「神々の闘争――折口信夫論」を世に問うて以来、一貫して批評家としてこの巨人と向き合ってきた。テキストを厳密に読み抜き、読み破った者でなければ見えてくることのない新たな地平を、独力で切り開いてきたのだ。書は、10年以上にわたる安藤折口論の集大成として大きな意味をもつ。 第1章から劇的である。これまでの研究で空白のままだった大学時代に、折口は荘幽蘭(ゆうらん)という女性と出会い、神風会という神道系の団体と関わっていたことが、新資料を交えつつ

    安藤礼二「折口信夫」書評 画期的な天皇論、新資料交え分析|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2023/01/26
    “第1章から劇的である。これまでの研究で空白のままだった大学時代に、折口は本荘幽蘭(ゆうらん)という女性と出会い、神風会という神道系の団体と関わっていたことが、新資料を交えつつ論証される。”
  • 「人間椅子」和嶋慎治さんが再び行き着いたホンダXL50S|好書好日

    大学受験に失敗したので、仙台の予備校に入った。いや、失敗した、は正しくない。将来の展望があるでもなく何かやりたい学科があるでもなく、勉強をほったらかしにして立ちすくむうちに、そうなっただけのことだ。 予備校で最初に友だちになったのは、山形出身のM君だった。お互いに筒井康隆のファンで、意気投合したのだった。M君の下宿に行くと、郷里の仲間がわらわらといる。楽しそうにバイクの話なんかをしていて、青春だなあと思った。M君はホンダのMB50、それがし君はヤマハパッソーラ、なにがし君はヤマハベルーガに乗っているらしい。 気が付くと、僕も原付免許を取っていた。仕送りから捻出したお金を握りしめ、予備校近くの、いかにも浪人生相手といった風情のH輪業に向かう。和嶋君におススメのバイクがあるよ、とM君の進言があった気もする。「ミッションの原付バイクが欲しいんですけど」あーいいのがあるよ、これはどうだい、ほら、い

    「人間椅子」和嶋慎治さんが再び行き着いたホンダXL50S|好書好日
  • なぜわれわれは魯迅を読んでいないのか――『魯迅を読もう』の読者に寄せて(1)|じんぶん堂

    記事:春秋社 魯迅 書籍情報はこちら 魯迅――親しくて疎い存在 多くの日の読者にとって、中国近代文学の第一人者である魯迅(1881-1936)は、親しくもあり、また疎い存在でもある。魯迅の著したいくつかの小説(例えば『故郷』)はいまでも日の中学校や高校の国語教科書に収録されている点からして、誰もが比較的に早い段階からこの文豪に接しているはずだ。しかし他方で、魯迅が人々に――とくに若者に読まれているかというと、おそらく「否」である。魯迅という「他者」は、いったん国語の授業で現れ、また忘れ去られてしまう、そうした存在である。話を「世界文学」のレベルにまで拡げてみても、魯迅を含む中国近代文学が、同時代のフランス文学やドイツ文学を凌ぐ若い読者を獲得しているかというと、やはりそうとはいえない。これはまず、認めなければならない事実である。 もちろん、戦中・戦後において竹内好や丸山昇などの知識人が築

    なぜわれわれは魯迅を読んでいないのか――『魯迅を読もう』の読者に寄せて(1)|じんぶん堂
  • 柄谷行人さん『力と交換様式』インタビュー 絶望の先にある「希望」|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 柄谷行人さん 書籍情報はこちら 「これ以上ないところまで書いた」 柄谷さんは、四半世紀にわたって、〈交換〉から社会の歴史を見る仕事に取り組んできた。今作は、その〈交換様式〉がもたらす〈観念的な力〉に着目した到達点といえる一冊だ。 「私は、これ以上ないというところまで書きました。だから、今後どうすればいいんですか、なんてことを聞かないでもらいたい(笑)」 その仕事に取りかかったきっかけの一つは1991年のソビエト連邦崩壊だった。 「やはり、すごく大きな事件だったんですね。このとき、〈歴史の終焉〉ということが大々的に言われましたが、私は反対でした。なぜなら、何も終わっていなかったからです」 当時、米国の政治学者フランシス・フクヤマが、イデオロギーの対立は自由・民主主義の勝利に終わったという仮説を示して注目を集めた。根的な革命はもう起こらないとも言われた。しかし、柄谷さ

    柄谷行人さん『力と交換様式』インタビュー 絶望の先にある「希望」|じんぶん堂
  • 「犠牲者意識ナショナリズム」 各国の歪んだ自意識と向き合う 朝日新聞書評から|好書好日

    犠牲者意識ナショナリズム 国境を超える「記憶」の戦争 著者:イム・ジヒョン 出版社:東洋経済新報社 ジャンル:社会思想・政治思想 「犠牲者意識ナショナリズム」 [著]林志弦 「犠牲者意識ナショナリズム」とは著者の造語で、自分の国の一体性や正当性を主張するために、自分たちの英雄的な行動ではなく、他国から受けた被害を過剰に強調し、自分たちの加害を過剰に小さく見せようとする態度のことをいう。 慰安婦問題が欧州の女性に対する犯罪の記憶を呼び起こしたり、ホロコーストの記憶とイスラエルによるパレスチナでの暴力の記憶が重ねられたりする記憶のグローバル化を背景に、ポーランド、ドイツ、イスラエル、日韓国、旧ユーゴなどの犠牲者意識ナショナリズムを縦横無尽に論じる快著の翻訳を寿(ことほ)ぎたい。 私が初めて著者の報告で犠牲者意識ナショナリズムという言葉を聞いたとき、なんて恐ろしい概念だと驚愕(きょうがく)し

    「犠牲者意識ナショナリズム」 各国の歪んだ自意識と向き合う 朝日新聞書評から|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/11/06
    日本、韓国、ドイツ、イスラエルなど/“各国の歪(ゆが)んだ自意識と超然と冷静に向き合う著者は、犠牲者意識ナショナリズムを犠牲にすることでしか記憶の連帯は生まれないと主張する。”
  • 「野蛮と宗教 Ⅱ」 啓蒙期の歴史叙述 通説を覆す 朝日新聞書評から|好書好日

    野蛮と宗教 2 市民的統治の物語 著者:J.G.A.ポーコック 出版社:名古屋大学出版会 ジャンル:伝記 「野蛮と宗教 Ⅱ」 [著]J・G・A・ポーコック 著者は世界有数の政治思想史家で、1924年生まれの98歳。共和主義の歴史を辿(たど)る『マキァヴェリアン・モーメント』がよく知られてきた。自己利益の追求に基づく自由主義とは異質な、公共精神を重んじる思想の系譜を発掘した大著だ。 同書の刊行直後から構想されて、2015年刊の第6巻で完結したのが『野蛮と宗教』だ。ギボンの大作『ローマ帝国衰亡史』をめぐる思想史的分析で、スケールも紙幅も壮大だ。成果を発表するたびに、思想史像を大きく刷新してきた著者の力量は、さらに際立っている。 昨年翻訳された第1巻と、この第2巻では、ギボンを読む前提として、まずは、彼が生きた18世紀の啓蒙(けいもう)思想が精査される。通説は次々覆されていく。 第1巻は、フラン

    「野蛮と宗教 Ⅱ」 啓蒙期の歴史叙述 通説を覆す 朝日新聞書評から|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/11/06
    ご存命なのか/“宗教が、この世の秩序や幸福を乱すのを防ぐ。ポーコックは啓蒙が目指したゴールをそう捉えたうえで、無神論者だけでなく聖職者や宗教家も含む、同時代の多くのアクターが、様々なかたちで啓蒙を担っ
  • 西村賢太さんにお別れ…愛飲の焼酎捧げ|好書好日

    今年2月に54歳で急逝した作家、西村賢太さんのお別れの会が11日、東京都内で開かれた。祭壇には故人が愛飲した焼酎2ダースがずらり。読者100人ほどが献花に訪れたほか、親交のあった作家らが集まった。 読む喜び感じさせる文章芸、この世を楽しんだ 献杯のあいさつに立った島田雅彦さんは「芥川賞受賞以前からひそかに愛読していました」と話し始めた。西村さんを無頼の系譜に位置づけて、「時にむちゃをし、愚行を重ね、文句を言いまくり、けんかをする。やけっぱちに暮らす生活態度こそが、ふざけた時代にはふさわしいという考え方もある。西村賢太が示した生き方の研究は、今後未来に向かって有効に活用されうるのではないか」。 ともにヤクルトファンで神宮球場でよく観戦したという木内昇さんは「西村賢太という名前だけで勝負ができた人。文章を読む喜びを感じさせる文章芸だった」とたたえ、「(未完となった)『雨滴は続く』を最後まで読み

    西村賢太さんにお別れ…愛飲の焼酎捧げ|好書好日
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    bt-shouichi 2022/09/18
    “西村賢太さんの献花台には宝焼酎が捧げられていた”
  • 「加速する社会」 かくも忙しい時代の原理を解く 朝日新聞書評から|好書好日

    ISBN: 9784571410697 発売⽇: 2022/07/04 サイズ: 22cm/522,40p 「加速する社会」 [著]ハルトムート・ローザ ますます忙しくなっていないか。電子メールやオンライン会議も活用してマルチタスクでこなしているのに、なぜか以前よりも時間が過ぎるのが速く感じられる。ストレスが高まる。 そんな「加速の経験」をうまく拾いあげて語り始めるだ。 ずっと走り続けていないと、いまの立場すら保てないのではないか。そこにはそんな不安が潜む。まるで、「地滑りを起こしている急斜面」に立っているかのようなのだ。社会が変化するスピードはどんどん速くなっており、キャッチアップを少しでも怠れば、たちまち知識や情報は古びて、時代遅れになる。「私たちは同じ場所にとどまるためにできるだけ速く走っている」。「加速する社会」への適応を拒み、電子メールを放置でもしようものなら、代償は高くつく。

    「加速する社会」 かくも忙しい時代の原理を解く 朝日新聞書評から|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/09/11
    “「加速」こそが近代の基本原理である。これが本書の主張だ。近代社会は絶えざる成長と上昇を必要とし、その加速のプロセスが自らを強化して、さらなる加速をもたらす。”
  • ユートピアを求めることの虚しさ――アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』|じんぶん堂

    記事:作品社 アンドレイ・プラトーノフ(1899-1951) 書籍情報はこちら 翻訳者が抱く素朴な願いとしては、『チェヴェングール』という作品をなるべく多くの人に読んでもらいたい。しかし、『チェヴェングール』は明らかに難解な作品である。そこで稿は、作中で重要な意味を持つと感じられたキーワードを解説し、読者の作品理解の一助としたい。取り上げるのは、「作為」と「自然」、そして「虚しさ」の三語である。 書のあらすじ 舞台は20世紀初頭のロシア。1917年のロシア革命を挟んで激変する社会の中で、革命の意味やより良い生を求めて試行錯誤する人びとが描かれる。 ロシアのある農村で工作物の修繕をしていた職人のザハール・パーヴロヴィチは、飢饉に見舞われた村を出て、町で鉄道修理工として働きはじめる。彼はそこで同郷の孤児アレクサンドル(サーシャ)を発見し、引き取ることにする。サーシャは、死への興味に取り憑か

    ユートピアを求めることの虚しさ――アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』|じんぶん堂
  • 「僕の狂ったフェミ彼女」著者&訳者インタビュー フェミニズムは誰かを排除するためのものではない|好書好日

    就活を前に不安な僕を癒してくれた、愛らしい僕の彼女。毎日のようにベッタリで、付き合って1周年を迎えた。そんなとき僕は、1年間の海外インターンシップに行くことに。遠距離は不安だけど、彼女なら安心だ、待っていてくれるはず――。しかし、出国当日。空港にいたのは、涙ぐむ彼女を抱きしめる僕ではなく、別れのメールをもらってメンタルが崩壊した僕だった。 そんな初恋を引きずりながら 大企業に就職し3年目を迎えた「僕」ことスンジュン。周囲はほとんど結婚して、「まだ独身なの?」とからかわれることも多い。結婚する女性を選ぶだけなのに、なかなか結婚への意欲がわかない。そんなある日、初恋の彼女と出くわした! 心がまた動き出す……ところが、彼女はこともあろうにフェミニストになっていた!(イースト・プレス公式サイトより) ●『僕の狂ったフェミ彼女』試し読みはこちら 年を重ねるにつれて大きくなっていった違和感 ――韓国

    「僕の狂ったフェミ彼女」著者&訳者インタビュー フェミニズムは誰かを排除するためのものではない|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/06/05
    韓国のアンフェの活躍…“特にこの作品がウェブ漫画になった直後、私の写真が男性中心のウェブコミュニティの掲示板に晒され、2500件以上のコメントがつきました。ほとんどが私の外見に対する侮辱の言葉でした”
  • 「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日

    「神になった武士」 [著]高野信治 副題にすっかり騙(だま)された。「平将門から西郷隆盛まで」――ふむふむ、その他の神になった武士といえば徳川家康に豊臣秀吉、源為朝もいたっけと考えながら読み始め、己の浅学に打ちのめされた。なにせ書によれば、古代から現在までに神格化された武士の総人数は二四三一人、うち一カ所のみで祀(まつ)られている者は二一一二人と、私の予想をはるかに超える武士祭神が紹介されていたからだ。 書は全国に存在する武士祭神を統計化し、そのデータを元に神格化の歴史を読み解いた書籍。作中にも言及がある通り、そもそも武士祭神は地域色が強い存在である。それを悉(ことごと)く調査した筆者の意欲には、つくづく感服させられた。 武士はなぜ神とされるのか。平将門、徳川家康といった著名な者ばかりではなく、実に二千人を超える武士が全国各地で祀られる理由は何か。筆者はその背景を分析するとともに、彼ら

    「神になった武士」書評 2千人超が祀られるのはなぜか|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/05/30
    “古代から現在までに神格化された武士の総人数は二四三一人、うち一カ所のみで祀(まつ)られている者は二一一二人”
  • ノーベル文学賞・グリュックさんの詩の魅力 個人の苦悩、花や木にたとえ普遍化 米文学者・木村淳子さん|好書好日

    ルイーズ・グリュックさん=AP 深いテーマ すっきりとした言葉で表現 カナダ東部のハリファクスへ、夏の研修に送っていた24~25人の学生を迎えに行ったんです。ひまな時間に街を歩いて屋さんに入ったら「野生のアイリス」という詩集があった。グリュックという作者は存じませんでした。当時日ではほとんど知られていなかった。何となく手に取って買って帰ったんですね。同時多発テロの直前の2001年8月のことです。 そのころ、研究者仲間と英米詩の輪読会を開いていて、毎年、「オーロラ」という同人誌を出していました。グリュックさんの勤め先の大学宛てに「翻訳して誌面で紹介させてもらいます」と手紙を書きました。諦めかけたころに返事が届いて、「私は手紙を書くのが遅くて、下手で」と。それで、2003年の8号に8編、翌年の9号に4編の詩を載せたんです。 彼女より、ひと世代上のアメリカの詩人には「告白詩」といわれる先進的

    ノーベル文学賞・グリュックさんの詩の魅力 個人の苦悩、花や木にたとえ普遍化 米文学者・木村淳子さん|好書好日
    bt-shouichi
    bt-shouichi 2022/05/17
    北海道武蔵女子短大名誉教授・木村淳子による解説