1千億円もの累積債務を抱えた滋賀県造林公社とびわ湖造林公社の問題が越年した。約254億円の負債をめぐる下流自治体との交渉が暗礁に乗り上げている。二つの造林公社は、約40年前に国の施策で設立された。政府系金融機関や自治体の融資を受け、土地を預かって植林。伐採収益で借金を返済し、土地所有者にその一部を分配する計画だった。琵琶湖の水源保全のため下流の大阪府・市、兵庫県など8団体が計172億円の出資などに応じたが、輸入自由化などにより木材価格が下落、債務が急激に膨らんだ。このため滋賀県は昨年、大阪地裁に債務圧縮を求める特定調停を申し立て、最大の債権者である旧農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)とは、県が利息など合わせて約690億円を42年かけて返済することで合意をみた。しかし、70~80%もの債権カットを求められた下流自治体は猛反発。「すべて伐採した収益で返済し、不足分は県が補うべき」との極論ま