家計の金融資産残高が、1年ぶりに増加に転じた。日本銀行がまとめた資金循環統計(4〜6月期速報)によると、6月末の家計の金融資産残高は1441兆円で、3月末の1409兆円から32兆円(2.3%)増えた。株価上昇やボーナス支給があったためとみられる。 内訳をみると、株式・出資金が前期より17兆円(20.4%)増え、101兆円になった。株の値上がりで評価額が上がったためで、増加は4四半期ぶり。投資信託も3兆円増の50兆円になり、やはり4四半期ぶりに増加に転じた。 現金・預金は10兆円増の796兆円と過去最高を更新。夏ボーナスによる上乗せに加え、株や投信などから、安全資産とされる預金に資産を移す動きが続いているという。 ただ、ボーナスや給与は減少が続き、株価もここにきて伸び悩んでいる。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次主任研究員は「現在の株価水準では9月末の金融資産残高も増える見込みだが、所得の動