インターネットサービスの多様化など社会の変化によって匿名性の確保が容易になったことが、犯罪のインフラ(基盤)として悪用される事件が増えていることから、警察当局は対策を強化する方針を固めた。匿名性を悪用し、資格や身分を偽装する“ネームロンダリング犯罪”も多発しており、関係機関への要請や法制度改正などを進める予定だ。 捜査関係者によると主な「犯罪インフラ」は、犯罪の連絡・通信手段▽犯罪収益の流れの追跡を困難にする▽不法滞在者らの生活基盤を支える▽資格や身分を偽装--の4類型。 連絡・通信手段の主なものは不正に取得された携帯電話だ。千葉県警が昨年摘発した事件では「闇のタウンページ」という闇サイトの求人に応募した男らが、養子縁組を繰り返し住民基本台帳カードを不正に取得して携帯約100台を入手。1台あたり5000~1万円の報酬を受け取っていた。 09年、暴力団員らのグループが「セレブ女性」を紹介する