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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (31)

  • 河本準一さんをめぐる生活保護費の不正受給疑惑について: 極東ブログ

    お笑いコンビ「次長課長」の河準一さん(私はこの人全然知らないのだけど)の母親に生活保護費が不正受給されていたのではないか、とする疑惑問題がツイッターで沸騰していた。何かが発動しているんだな、なんなんだろうかと、蟻の生活を観察するように(参照)眺めてみた。よくわからないせいか、自分の印象は浮きまくった。うむ。だったら異論の一つとしてブログに書いてみてもいいんじゃないか。ごく簡単に書いてみたい。 当の疑惑問題だが、NHK的にはこうまとめていた。「河準一さん 生活保護費返還へ」(参照)より。読むとわかりやすい口調でありながら、「それって不正なの?」という構図は、いい案配にボカされている。 この問題は、テレビや舞台などで活躍する河準一さんが一定の収入があるにもかかわらず、母親が生活保護を受けていると、先月、週刊誌で報じられ、批判されていたものです。 河さんは25日、東京都内で記者会見を開き

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    cTak 2012/05/28
  • 日本単独為替介入の意味: 極東ブログ

    民主党代表選挙で菅氏が勝利した後、即座に日単独で為替介入が実施された。仙谷由人官房長官は否定はしたが、どう見ても政治的なものだった。この政治ショーはどういう意味があったのだろうか。 15日付け日経記事「官房長官、防衛ライン「82円台」言及 代表選「関係なし」 」(参照)より。仙谷官房長官はこう語った。。 民主党代表選が終了した直後に介入を実施したことに関しては「先だってから『断固たる措置を取る』と財務相は言っていた。あくまでも相場を注視してきたので、代表選との関係はまったくない」と語った。 「相場を注視」ということの裏付けの意味もあったのだろうか、これにとんでもない失言も伴った。 仙谷由人官房長官は15日午前の記者会見で、同日に政府・日銀が実施した円売り・ドル買いの市場介入を巡り、「1ドル=82円が防衛ラインになっているのか」との質問に対し「野田佳彦財務相のところでそういうふうにお考えに

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    cTak 2010/09/20
  • [書評]いつまでもデブと思うなよ(岡田斗司夫): 極東ブログ

    ちなみに私の身長は171cm。岡田斗司夫と同じ。年齢は私のほうが一学年上。50歳オヤジ。体重は63kg。BMIだと、21・5。つまり、べたに標準。というわけで、書「いつまでもデブと思うなよ(岡田斗司夫)」(参照)を実践的な意味で読む必要はゼロ。でも、とても面白かった。年間50kg減量なんていうこと自体がミラクル! ということで、河口慧海「チベット旅行記 抄」(参照)みたいな秘境探訪感も……あるかな。 彼の減量ミラクルについてはすでにネットでも話題らしく、そのレコーディング・ダイエットも各所で実践されているようで、成果もあると聞くが、とか書いたわりに私は実態をよく知らない。書籍としては、1章の「「見た目主義社会」の到来」はいろいろ頷くところがあった。ある意味でいつの時代でも人間の評価なんか見た目だし、作家とか哲学者とかも、見た目ですよ。ただ、岡田の指摘はそういう単純な見た目というより、見た

  • 鳩山首相政治資金問題会見、雑感: 極東ブログ

    昨晩、ちょっとした偶然で鳩山首相の会見をNHKで実況で見てしまった。気持ちの悪いものを見てしまったなというのが率直な感じだが、そう言ってしまえば、鳩山首相を気持ちの悪い奴だと思ったのかと誤解されるだろう。そうではない。もしそうなら、他のスプラッタなニュースと同様私は見ない。気持ちが悪かったのは、鳩山首相のクチから出てくるある毎度の特有なロジックだった。それが日戦争に導いたものだし、日の宿痾と言えるものだ。平成のこのご時世になっても、こいつはでんと日に鎮座しているのかと暗澹たる思いがした。 記者会見の理由は、鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書虚偽記載問題で、東京地検特捜部が、元公設秘書を政治資金規正法違反の罪で在宅起訴、また元政策秘書を略式起訴したことを受け、彼を監督する立場にあり、同会の代表でもある鳩山氏が国民に説明し、進退を明らかにするということだ

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    cTak 2009/12/26
  • 出生率向上は米国にも学んだら: 極東ブログ

    少子化の議論はもうおなか一杯です的腹膨るる業だが、先日発表された今年の合計特殊出生率一・二五関連の話をメディアとかで読んでいて、あまりに物言わざるもなと思いちょっと書く。わかりやすく書くとどっと非難を浴びそうだが、それほど物騒なネタでもないし、亀甲様には及びもせぬが馬鹿呼ばわりされるもブログの芸の内。 話の枕は毎日新聞社説”1.25ショック サバ読み年金設計は出直せ”(参照)。社説としてはどうでもいいような内容だが、次の部分にカチンと。 日出生率は世界の先進国ではドイツ(1.34)イタリア(1.30)と並んで最低レベルだ。米国は97年に1.97で底を打ってから上昇傾向に転じている。最大の要因は移民のヒスパニック系住民が原動力になっていることだ。フランス(1.89)は先進国の中で米国に次いで高い。手厚い家族給付と行き届いた育児サポートに起因すると言われる。 どう読むかね、これ。出生率向上

  • 米国オバマ大統領の人気低下原因としての医療保険改革: 極東ブログ

    米国オバマ大統領の人気がずるずると落ちている。識者には予想されていたことでもあり、驚きはない。いくつかの要因があるが、その一つは「極東ブログ:オバマの戦争」(参照)で触れたオバマの戦争ことアフガン戦争の行方が芳しくなく、米国民からの支持が落ちてきていることだ。オバマ政権としては同盟国から確たる支援が欲しいところだが、主要な同盟国はというと、現下微妙なことになってしまっていて心許ない。その他の要因には経済問題などもあるが、最大の下げ要因となっているのはオバマケアと呼ばれる医療保険改革問題だ。 ごく簡単に言えば、日のようによくできた医療皆保険を米国でも実現することだが、重税という負の側面が予想され国民から大きな反対にあっている。正確にいえば問題はもう少し複雑で、その複雑な側面に踏み込まないと、話題となっているペイリン前アラスカ州知事・共和党副大統領候補の言動も理解しづらいのだが、ここでは触れ

  • 民主党政権で国民年金の支払いは月額5万円か: 極東ブログ

    今日になって気がついたのだが、2ちゃんねるのスレッドをコピペした「民主党の財源がわかったよー\(^o^)/」(参照)が話題になっていた。話の切り出しは「民主党、マニフェストの「年金改革」は政権取った4年後に…職業に関係なく、全ての人が収入の15%を納付する形」ということで、典型的な反応としてはこんなのがある。 31 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/08/25(火) 12:20:07 ID:q5sl53LR0 年収400万の人だと、年60万 ボーナス無しで月5万円の負担 現行だと、月に5万も払う人は最高等級の620とかだよな 日終わったwww そう言われるときついなという感覚はある。私も迂闊にも、あれ?と思ったことがあった。「極東ブログ:フィナンシャルタイムズ紙の民主党政権観」(参照)で「バカヤロー経済学」(参照)に言及し、「イメージとしては現状の社会保険料が二倍弱くらいに

  • [書評]中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて(島田裕巳): 極東ブログ

    大変な労作だと思うし、この一作をもって私は島田裕巳への評価を変えることした。粗方は想定していたことでもあり、驚きは少なかったとも言えるが、いくつかかねて疑問に思っていたことやミッシング・ピースをつなげる指摘もあり、貴重な読書体験でもあった。 ただ、読後自分なりの結論を言えば、あの時代島田裕巳を批判していた人々と同じ地平に島田裕巳が立ってしまっているのではないか、そうすることで暗黙の大衆的な免罪の位置に立とうしているのではないかとも思えた。もっとも、彼の意識の表出としてはこれ以上はないというくらいきちんとした反省の思索の跡が見られるので、それは批判ということではない。 書がどのようなであるかについては帯書きがわかりやすいと言えばわかりやすい。 初期著作でオウムに影響を与え、麻原彰晃を高く評価し、サリン事件以後もテロを容認する発言をやめない中沢新一。グル思想、政治性、霊的革命、殺人の恍惚な

  • [書評]優生学と人間社会 ― 生命科学の世紀はどこへ向かうのか(米本昌平、橳島次郎、松原洋子、市野川容孝): 極東ブログ

    [書評]優生学と人間社会 ― 生命科学の世紀はどこへ向かうのか(米昌平、橳島次郎、松原洋子、市野川容孝) 私は優生学というものにそれほど関心を持ったことはなく、よって、浅薄な見解しか持ち合わせていない。単純に人間の選別に加担する間違った医学であり、ナチスのホロコーストにもつながる間違った思想なのだろう、というくらいの認識しかなかった。 書「優生学と人間社会 ― 生命科学の世紀はどこへ向かうのか(米昌平、橳島次郎、松原洋子、市野川容孝)」(参照)はその程度の「認識」を踏まえ、それに対置した形で議論が緻密に描かれている。しかも、読みやすく、そして啓発的だった。 とはいえ、この啓発の意味合いをどうとらえてよいかという問題は残った。率直に言うと、書の見解はどことなく「歴史修正主義」といった思考の圏内に近い印象もあったからだ。あるいは、「ホロコースト ― ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌(

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    cTak 2009/08/15
    「本書では細菌学の限界から、病原としての遺伝的な関心に移ることで、優生学的な動向を見ていこうとしている」「栄養学とは皆兵としての国民の健康の学であり、優生学と似たなにかの精神的な軸上にある」
  • それってとにかく説明体系としての進化論や脳科学のような気もするが: 極東ブログ

    NHKスペシャルの「シリーズ 女と男 最新科学が読み解く性」(参照)という3回シリーズの番組があり、すでに2回まで放映され、私も録画したのを見た。面白いといえば面白かった。特に西田尚美が好演という印象だった。 1回目は”惹(ひ)かれあう二人 すれ違う二人”(参照)ということで、こんな話から。 男女はなぜ惹かれあうのか。脳科学はいま、恋のメカニズムを解明しつつある。その中心はドーパミンという脳内物質。快楽を司るドーパミンの大量分泌が恋する二人の絆となっているのだ。ところが脳科学は同時に、皮肉な状況も浮かび上がらせている。高い代謝を要求するドーパミンの大量分泌は身体への負担が大きく、長く続かない。そのため、“恋愛の賞味期間”はせいぜい3年ほどだというのだ。 まあ、よくある話だ。以前、「愛はなぜ終わるのか―結婚不倫離婚の自然史(ヘレン・E・フィッシャー)」(参照)も話題になった。と思い返すに

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    cTak 2009/01/18
  • [書評]水辺で起きた大進化(カール・ジンマー): 極東ブログ

    以前ニューヨークタイムズでカール・ジンマー(Carl Zimmer・参照)による生物学のコラムを読んで、この人は面白いな、何か邦訳でもあるかなと思って買ったのが「水辺で起きた大進化(カール・ジンマー)」(参照)だった。購入時にざっとサマリーを知るべく速読したものの、これはじっくり読むタイプのだなと思いつつ積んでおいたのを崩して正月に読んだ。面白かった。かなり読み応えがあり、いろいろ考えさせられた。 話は、邦訳題からもわかるように進化論がテーマで、このタイトルだと「水辺」が注目されているし、巻末の訳者解説もそうなっているのだが、どちらかというと「大進化」という現象をどう考えるかという基的な進化論の難問のケーススタディーと、書執筆時までの最新の進化論状況の話だ。当然ながら遺伝子的な見方が主流にも思える現代の進化論における、考古学や解剖学的・形態的な思考による「大進化」との関連に焦点が当

  • 理系・文系: 極東ブログ

    お茶を濁す程度の呑気な話だが、朝日新聞社説「学力テスト――理数教育の底上げを」で、ほぉと思った。毎度の朝日新聞罵倒はしない。 全国の高校3年生を対象にした学力テストの結果が文部科学省から公表された。 おおむね予想通りの水準だった国語や英語に比べ、数学と理科の正答率は文科省が期待した成績をかなり下回った。しかも、基的な知識や原理、法則が十分理解されていなかった。 さらに数学では、できる生徒とできない生徒に分かれ、二極化がうかがえる。理科では平均点より低い生徒たちの層が最もふくらんでいた。かねて専門家が指摘してきたように、理数系の教育が深刻な状態なのは間違いない。 ふーんという感じがする。高校三年生なのに「理科」なのかというのも変な感じだが、些細なことはどうでもよかろう。で、この問題は深刻なのか? 朝日はごにょごにょと作文を書いているが、端的な話、二極化というのは、受験の時の文系・理系を反映

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    cTak 2008/11/20
    「世界を知ることは、他の誰かでもできる。世界を感じ取ることができるのは生きている間の「私」だけのこと」
  • [書評]〈現代の全体〉をとらえる一番大きくて簡単な枠組(須原一秀): 極東ブログ

    以前は彼の自死の文脈で読み、そして今度はさらにそうした文脈で読まなくてはらならだろうと思っていたが、意外とさらっと読めた。もともと私は須原と似たような考えをしていることもあり、どちらかというと私にはつまらないだった。こんなだったのかなと、少し嘆息した。ただ、そのあと、あることにはっと気が付いた。そして、このの意義を再確認した。 同書についてだが、アマゾンの読者評にとても優れているものがある。これだけ書かれていたら、特にブログでエントリを起こす必要もないのではないかと思えるほどだ。 ★★★★★ 密かに読まれ、でも、なかったことにされる(かもしれない), 2005/4/30 By モワノンプリュ (Japan) - レビューをすべて見る とてもいいだし、破壊力もある。しかも、それこそちょっと気の利いた高校生ならラクに読みこなせる、易しい言葉と、スッキリした論理で書かれている。 著者の

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    cTak 2008/11/16
  • [書評]自死という生き方 覚悟して逝った哲学者(須原一秀): 極東ブログ

    哲学者、まさに哲学者としか言えないだろう須原一秀の著作は三冊読み、最初に「極東ブログ: [書評]高学歴男性におくる弱腰矯正読(須原一秀)」(参照)を書いてからしばらく、その先が書けなかった。その次の「“現代の全体”をとらえる一番大きくて簡単な枠組―体は自覚なき肯定主義の時代に突入した」(参照)はようするに、書「自死という生き方 覚悟して逝った哲学者」(参照)へのつながりで読むしかないし、そのことは自死という問題に直面することだからだ。 正直にいうとそれに直面することは怖かった。今でも怖いと思っている。ただ、なんとなく今書かなければ書くこともないようにも思えるし、心がまとまらなくてもそれなりに書いておいてもいいかもしれないと思えた。今手元のこの書籍をパラパラとめくってみて、ある意味で普通のには思えた。またこの須原は、どちらかというといつまでたっても心に老いを迎えることのないタイプの男性

  • 知人の自殺をきいて: 極東ブログ

    ごく私事といえば私事なのだがなんとなくブログに書いておきたくなった。知人が自殺した。一歳か二歳年上のかただった。パソコン通信時代からの知り合いだった。そのころの知り合いは、私が言わなくてもこのブログのことをは知っているものだが、彼についてははっきりとこのブログを書いていると告げた数少ない人だった。当初は私が珍妙な古代史観をもっていることに興味を引かれたらしくそんな交流をしていたものだった。 あのころの私は今のようにネット上での交友関係から引きこもるふうでもなく、よくオフ会なども出たものだった。でも不思議と奇妙な縁で彼と面識をもつ機会がなく、初めて会ったのはこの夏の終わりだった。そしてそれが最後になった。それから数日して彼は自殺したということになる。 彼とは喫茶店で二時間も尽きぬ話をした。その後の古代史観についても話した。古代史というのは、素人にはトンデモ説花盛りの幻想の領域だし、彼もそこを

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    cTak 2008/11/12
  • [書評]おまえが若者を語るな!(後藤和智): 極東ブログ

    ちょっと前のことになるが「おまえが若者を語るな!(後藤和智)」(参照)がネットで少し話題になっていたので読んでみた。よくわからないだった。賛否以前に、この書籍で何が問題なのかという部分でまったく共感できなかった。というか率直に言うとつまらなかった。ただ、このつまらさは著者の論のつまらなさというより、批判対象とされる部分のつまらなさということだ。巻末に参考書がずらっとリストされているのだが、いくつかの社会学的な分析を除けば、よくここまでつまんないをきちんと読んで論が書けるものだなという敬服感すらあった。 なんなんだろうこの感じはと思って、あとがきに達して少し得心した。 多くの読者は、なぜ今更宮台真司などという、ほととんど忘れ去られた論者を批判するのか、と思われるかもしれない。 まさにその通りで、宮台真司の90年代の議論というのは忘却していいだけのものなのではないか。と、思いながらふと思い

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    cTak 2008/10/20
  • フィナンシャルタイムズ曰く、変化が必要なら政権交代しろよ、日本: 極東ブログ

    タイトルをこうすべきか悩んだのは、あとで紹介するけど、若干微妙に書いてあるし、なんかタイトルで釣るというタイプのブログはあまり好きじゃないんだよね、なのだけど、まあ、概ねそういうこと。では、福田首相辞任についてのフィナンシャルタイムズのご託宣のほどは、と。 その前にこの社説、翻訳出ているんじゃないかなと、gooニュースのフィナンシャル・タイムズ(参照)を覗くと、デビッド・ピリング東京支局長のコラム”やはり「その場しのぎ」首相だった 福田氏辞任”(参照)のほうの翻訳は掲載されていた。原文はこれね、”Stop-gap leader proves critics right”(参照)。他にも、デビッド・ピリングとミチヨ・ナカモトによる”Fukuda quits as Japanese PM”(参照)と”Fukuda gives up the unequal struggle”(参照)がある。こっ

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    cTak 2008/09/04
  • [書評]私のアメリカ家庭料理(長島亜希子): 極東ブログ

    どこの国の料理が一番べたいと聞かれて、そして正直に答えてよさそうなら、私はアメリカ料理と答えてしまうかもしれない。それでいいのかなと今一度自分に問うてみて、それほど確たるものはないが、概ねそれいいかなとやはり思う。自分に一番合う料理はといえば、気分とか季節にもよるけどなんとなく地中海料理かトルコ料理かもしれないが、ああべたいなというときに思うのはアメリカ料理だし、家庭料理ということで思い浮かべるのもアメリカ料理だ。アメリカ料理って、ところで何? 長島亜希子が生涯の1冊のとして、特に娘さんが大学を卒業するの合わせて書かれた「私のアメリカ家庭料理」(参照)は私のアメリカ料理のイメージがつまっただ。掲載されている料理は1960年代のもの。私は1957年生まれ。別段アメリカ家庭料理べて育ったわけでもないけど、わずかに進駐軍文化や、当時のアメリカのホームドラマなどの影響から、そんな思い込

  • [書評]胎児の世界(三木成夫): 極東ブログ

    新書形式の「胎児の世界」(参照)をもって三木成夫の畢生の大作と言えば違うのだろうが、そう言たくなるほどのインパクトを持っている希有な書籍だ。思想家吉隆明は晩年になって書を初めとした三木の思想の直撃をくらい、心的現象論を大きく変えることになった。と、大上段に語ることもないか。普通のエッセイとして普通に読めるでもある。 内容は標題どおり「胎児の世界」である。受精し生命が誕生し母体のなかで人間になる過程を発生学の専門家である三木成夫が一般向けに語るのだが、その過程こそヘッケルが「個体発生は系統発生を繰り返す」としたように生命史が凝縮されてもいる。 が、正確に言えば、不用意な誤解を招くのを避けるのなら、言うまでもなく、ヘッケルのこの命題は間違いであり、そのあたりはWikipediaのヘッケルの項目(参照)や同じく反復説の項目(参照)でも参照されればいいだろう。と読み返すに、なかなかギャグっぽ

  • [書評]記憶する心臓―ある心臓移植患者の手記(クレア・シルヴィア他): 極東ブログ

    このところ思うところあって「記憶する心臓―ある心臓移植患者の手記(クレア・シルヴィア他)」(参照)を読み返した。訳書は一九九八年に発売されたもので、もう七年も前になる。その後読み継がれているふうもないので事実上絶版になったようだが、アマゾンの古書では安価に手に入る。文庫で復刻されるかもしれない。 話は、実記の体裁をとっているが奇譚と言っていいだろう。クレア・シルヴィアというユダヤ人中年女性が脳死の若い男性の心臓と肺を受けて同時移植手術を受けたところ、術後に、移植元の若い男性の性格が乗り移ったり、また睡眠中の夢のなかでその若者にあったり、その若者の記憶が乗り移ったりしたというのだ。通常、移植手術を受けた人はもとの脳死者の情報を得ることができないが、彼女は夢で知った若者の名前を手がかりに人を突き止め、その家族に出会うことになる。 そんな話がありえるだろうか、臓器にそれ自身の記憶が宿り、移植手