タグ

ブックマーク / medt00lz.s59.xrea.com (16)

  • 弱い何かに財布を接続する - レジデント初期研修用資料

    自分のためにお金を使う人は減っている。将来への不安とか、不信みたいなものがある限り、この傾向は変わらないと思う。 少し前なら、自分のすごさを表現するために無理して高い車を買うとか、「あえてお金を使ってみせること」というのが、ある種のかっこよさにつながっていたけれど、そうしたリンクはもう切れている。 で、今は何となく、「か弱くてかわいい何か」に強者の財布を接続できた人が、上手な商売を行っている気がする。 トリンプのサイトにはおねだり の機能がついていて、商品を買う女性から、男性の側に、支払いをお願いすることができて、これが大成功しているらしい GREE というサイトのマスコットであるクリノッペがすごい らしい。自分自身の分身である「アバター」にお金を支払うことに抵抗がある人でも、加入すると勝手についてくるペットと遊ぶうちに、そっちにはお金を使ってしまうらしい ペットビジネスは、「弱さ」と「財

  • 「その場の普通」を販売すること - レジデント初期研修用資料

    今また別の出版社お話をさせていただいて、「以降は Subversion が使える、という前提でお話をさせていただいてよろしいですね」なんて メールをいただいた。 もちろんそんなソフトは使ったことないんだけれど、「もちろんです」なんて返信して、入門書を探した。 「Subversion実践入門:達人プログラマに学ぶバージョン管理」というと、 「入門Subversion 」というを 読んだのだけれど、同じ入門書でも、立場がずいぶん異なっていた。 やる気の実践と手順の入門 「実践」のほうは当に実践。最初からコマンドの話を始めるし、インストールは「簡単」としか書いてなくて、話はインストールされたところから始まって、ネットワーク越しに行うファイルのやりとりとはそもそもどういうものなのか、そんなことを語り出す。初心者がこれ見ると泣くと思うんだけれど、このを読むとどういうわけか、Subversio

  • 2009病棟ガイド - レジデント初期研修用資料

    2009病棟ガイドというものを作りました。 ある症状を持った患者さんがいて、その人に何らかの検査がすでに行われている状況で、 「次にどうすれば治癒に結びつけられるのか」の手がかりになるものを目指しています。 まだまだページ内参照も不完全で、疾患名ごとに、定評ある教科書の参照ページをくっつける作業も 残っているのですが、この3週間キーボードを叩き続けて、もうみるのも嫌になってきたので、 とりあえず暫定版を公開します。 まだLaTeX2HTML が通らないのですが、もうしばらくしたらWeb 版を公開できると思います。

  • 法律というカードの切りかた - レジデント初期研修用資料

    「プロ法律家のクレーマー対応術」というの抜き書き。 法律の専門家である弁護士が、「自らの有効な使いかた」を指南してくれる、 おもしろい立ち位置で書かれている。 あくまでも「弁護士に相談できる」という状況でしか役に立たないけれど、 何というか読むと「勝つ予感」がしてくる。 意味のない責任回避が顧客を怒らせる 単なる責任回避は、交渉の成功に何ら貢献しない 企業側が、意味のない責任逃れをする態度を見せることで、「怒れる顧客」が「悪質なクレーマー」へと変貌してしまう 代理店の過失を、たとえば社に持ち込まれたとして、 それを「代理店の問題だからうちは関係ない」といった対応を行ったところで、 その責任逃れは、「社の人」を慰撫する役には立っても、顧客の不満解消には、全く貢献しない メディアを騒がす不祥事などでも、たとえば企業の代表者が「報告を受けていなかった」であったり、 「あれは現場の判断であ

  • NHK 特集 「戦場 心の傷」 - レジデント初期研修用資料

    戦争が兵士に負わせる心の傷を特集した番組。大雑把に、前編は男性の、後編は女性の、 それぞれ心に負った傷に焦点を当てて、番組が作られてた。 以下覚え書き。 リアルな舞台での訓練 アメリカの新兵訓練施設には、周囲の風景だとか建物、通行人の風俗みたいなものまで 再現した「イラクの街」が作られていた。「テロリストを建物に追い詰める」だとか、 「救援物資を届けたら爆弾テロに巻き込まれる」だとか、状況ごとにシナリオを作って、訓練を受けていた 訓練に使う道具は極めてリアルだった。兵士の装備や武器はもちろん物、建物だとか、 「テロリストが爆破した車」なんかもまた、当に爆破した車を使ったりして、「物みたい」を 通り越して、「そのもの」をそのまんま使っていた 番さながらの訓練を積むことで、「ぶっつけ番」の混乱を避けることができたり、 人が人を殺す、人間が来持っているためらいみたいなものを乗り越える

  • 欺瞞と匿名がネット社会の本質 - レジデント初期研修用資料

    世田谷区の小学生が、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使った、 独自の鬼ごっこを考え出して遊んでるなんてニュースが、なんだかすごく未来っぽい。 細かいルールは報道されていないけれど、基は普通の鬼ごっこ。 ゲーム機の通信機能を駆使して、「鬼が来た」だとか、「○○君が鬼になった」だとか、 お互いに情報を交換したり、あるいは鬼になった子供が偽情報流して「人間側」の混乱を はかったり、情報戦になるらしい。 「DS鬼ごっこ」に感じたわくわく感、今まで見たことのないものを見たときに感じる、 前向きな違和感みたいなものというのは、「誰もが欺瞞情報を流せる」というところなんだと思う。 トランシーバー鬼ごっこの頃 子供の頃にはトランシーバーが流行ってて、鬼ごっこだとかかくれんぼだとか、 そんなときに誰かがおもちゃのトランシーバー持ち込んで、おしゃべりしながら遊んだ記憶がある。 トランシーバーみたい

  • 平和を求める声が戦争を呼ぶ - レジデント初期研修用資料

    動物には、「同族同士は殺しあってはいけない」という共通認識が組み込まれていている。 同族どうしで利害の対立を生じても、だから争いは威嚇だけで終わったり、暴力が導入されても、 それは儀式的な戦いで終わることが多くて、「殺しあい」に発展することは少ないらしい。 同族で殺しあうことに対する抵抗感は、人間であってもやっぱり強い。 第二次世界大戦以前、兵士の発砲率はせいぜい2 割ぐらいで、「殺さなければ殺される」ような 状況においてもなお、多くの兵士は銃を撃たなかったり、あるいは狙いを外したりして、 自ら「殺す」ことを避けようとした。 人間には、元々から争いを避けるような性質が備わっていて、それをそのまま生かすような やりかたをすれば、状態としての平和は、結果として達成される、はずだった。 合理化が抑制を解除する 「殺したくない」という抑制は、相手との物理的な、心理的な距離が近いほど強力になる。 剣

  • 貨幣がもたらす秩序 - レジデント初期研修用資料

    中国の被災地で、援助物資の横流しを行っている人がいるとか、 市民による略奪が起きたり、被災地は暴動寸前だなんて報道を見た。 「貨幣」というものは、あるいは秩序をもたらすのかもしれないなんて、ちょっと考えた。 災害現場に銀行を作る 今のやりかたは、軍隊だとか政府機関が、援助物資と一緒に現場に入って、 被害にあった人達を集めて、物資を均等に配る。政府側の人にだって限りがあるし、 被害にあった人達だって、ほしいものとか足りないものとか、みんな違うだろうから、 時間はかかるし、「配る側の公平」と、「もらう側の公平」とは、絶対に一致しない。 物資は全て「もらう」ものだから、お互い買えないし、市場がないから交換も難しい。 10人ぐらいで集まって、「うちはミルク要らないから、代わりに毛布下さい」だとか、 お互い持っているものの価値が分からないと、たぶんやりにくい。 「市場」と「銀行」は、あるいは混乱した

  • 間違えることが無意味になる仕組み - レジデント初期研修用資料

    住んでるのが田舎だから、毎朝の出勤は自家用車で、田んぼの中を縫いながら、 信号のない交差点をいくつも通る。 あぜ道だけに、道はまっすぐ。田舎の常で、あらゆる道には素敵な舗装が施されてて、 見通しのいい直線道路は、その気になれば高速道路と変わらない。朝の忙しい時間帯、 みんな床までアクセルを踏む。 交差点を右に曲がる場所が何カ所かある。みんな飛ばしてる。いつも命がけになる。 車は切れない。だから自分が曲がろうと思ったら、相手のウィンカーを見るしかない。 曲がりたい側の車が、自分の方向にウィンカーを出す。そのときその車は減速して、 後続の車を遮ってくれるから、そのタイミングで交差点に進入できれば、自分も曲がれる。 相手がもしも「嘘をついた」ら、間違いなく事故になる。 田んぼ道のローカルルール 自分たちがいる車線は細くて、曲がりたい側の道は、太くてまっすぐ。同じ車同士だけれど、 何となく「立場」

  • 技術の欺瞞 広告の欺瞞 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 技術や企画、営業や広告、それぞれの職種には、たぶんそれぞれ持つべき 欺瞞のスタイルというものがある。 欺瞞を捨てた、全方向的な「よさ」を追求した先には、魅力的なプロダクトは生まれない。 「いい」製品と、魅力的な製品というものは異なっていて、商品の魅力というのは、 たぶん技術職と営業職の、欺瞞ベクトルの「ずれ」が作り出す。 Thinkpad を買った 新しいThinkPad を買った。自分みたいな素人には「速い」ということしか分からないし、 今使ってるぶんには何の不満も無いけれど、キーボードの印象がずいぶん変わった。 前使ってたA30 というモデルは、IBM 時代の製品。IBM が中国に買収されて、 「ThinkPad はもう終わりだ」とか言わ

  • 正しい技術は驚きを生まない - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ウルルン滞在記だったか、レポーターが未開の地を訪れるテレビ番組で、 ジャングルで昔ながらの狩猟生活をする人たちが取材されてた。 族長の住居には電話線が引かれていて、族長は電子メールで「注文」を受けていた。 おそらく「通信」というのは、かなり昔から人類が共通に持っていた発想であって、 それが文字や狼煙みたいなものであっても、インターネットみたいな ものであっても、それが「通信」という考えかたの延長線上に乗っている限り、 適応するのは案外簡単なのかもしれない。 番組の中では、族長は電子メールを使っていたけれど、 その人がたとえばAmazon の通信販売を利用できたりするのかどうか、 ぜひとも見てみたかった。 電子メールによる情報交換と、ネット世界

  • 夢は描いた瞬間から陳腐化する - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります ニュース番組で、岐阜大学の救急医療情報共有支援システム「GEMSIS」が特集されていた。 「サンダーバード」に発想を得たプロジェクトで、数年がかりで取り組んでいて、 これが完成した暁には、救急医療の問題解決に役立つらしい。 開発するのに数千万円かかってて、完成にこぎつけるまであと5000万円、 数年後の普及を目指してて、各病院に設備を入れるのに、30億円かかるんだという。 報道されてたのと同じことやればいいなら、今すぐにでも無料でできるなと思った。 報道されてた機能 GEMSIS のネット情報は少なくて、全容はどうなっているのか分からない。 単なる情報共有のシステムなのか、それとも救急医のモチベーションを維持するための、 政治タームのお話まで

  • 正しさは市場に決めてもらったほうがいい - レジデント初期研修用資料

    昔研修していた病院は、400床規模の施設に医師100人あまり。 臨床研修を行う病院としては、決して規模の大きな施設では なかったけれど、総合病院を名乗ってた。 今いる病院は、300床に対して医師10人。専門外来は、 大学の先生に来ていただいているけれど、カテ室が必要な患者さんだとか、 放射線治療が必要な患者さんだとか、一部の患者さんを除けば治療できるし、 人工呼吸器が必要な患者さんとか、それなりに重症の患者さんもいるけれど、何とか回ってる。 人数は1 割になったけれど、労働時間はむしろ少なくなった。 研修医の頃とか、大学病院で働いてたときとか、夜の10時に病院から帰れれば、 それは速いぐらいだったけれど、そんな頃を思えば、今はずいぶん速く帰れる。 当直だって、昔は月に10回が当たり前だったけれど、今は片手に余る。 医師の平均経験年次が圧倒的に違うから、もちろん単純比較なんて できないんだけ

  • 後期高齢者医療制度がよく分からない - レジデント初期研修用資料

    外来で使えるお金が、月に6000円までに制限されること。 患者さんを何もしないで看取った場合、国から2000円の「ご褒美」がもらえること。 入院した患者さんの扱いは、よく分からない。 後期高齢者医療制度が始まって1ヶ月が経ったけれど、現場の理解だって、まだこの程度。 これから起きる問題を見極めようにも、それ以前の混乱が大きすぎて、まだ外来には何も伝わらない。 現状 「75歳になった人は見殺しに」なんてメッセージが力強く伝わるこの制度は、 だから全然普及していない。 今はまだ移行期間だからなのか、患者さんは旧制度と新制度、どちらか一方を選択できて、 地元医師会も「もう少し様子を見ましょう」なんて、外来主治医制度に名乗りを上げていない。 ソフトウェアのアップグレードに似ている。「人柱」になる人達がまず試して、 その制度が「いい」ものなのかそうでないものなのか、見極めがつくまでは、 普通の人は怖

  • twitter を中心にした文章生成作法 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります この数ヶ月間のやりかた。そこそこうまくいく。 アイデア出しと、それを文章にするまで。あと必要な「量」のお話。 アイデアは一瞬で腐る アイデア出しは twitter 。twit という専用ツールを常時起動しておくと、 クリックから書き込み可能になるまで0.5 秒ぐらい。 「コンマ秒」を追求するのは、アイデアを出すときにはとても大切。 アイデアが浮かんでから、それを文章に定着させるまでの時間というのは、短ければ短いほどいい。 「1 時間を10分に」なんてスケールではなくて、1 分では遅すぎて、最低でも1 秒以内、 「コンマ秒」を縮められるなら、ツールを総とっかえしてもいいぐらいに大切。 アイデアは、生まれた瞬間から腐りはじめて、すぐに蒸発する。

  • 幸福の複雑性 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 社会の「成功」を、富の大きさで判断することは正しいんだろうか? たとえば「文字数」は、を表現するパラメーターのひとつではあるけれど、 文字数それ自体は、「の面白さ」を保証できない。白紙はつまらないけれど、 文字が膨大だからといって、そのが面白いとは限らない。 面白さというものは、「白紙」と「膨大な文字数」との間にあって、 文字数という測定可能な数字では表現できない、「複雑」な何か。 「幸福感」みたいな社会の空気もまた、そんな「複雑さ」に属するパラメーターなんだと思う。 漁礁を作る人 漁獲量を増やしたい漁師は、そのへんの岩とかスクラップを 海に投げ込んで、「漁礁」を作る。漁礁は藻が生える場所を作ったり、 魚が逃げ込める空間を提供したりして

  • 1