戦国武将らに使われてきた手書きのサイン「花押(かおう)」が記された遺言書の有効性が争われた訴訟の判決で、那覇地裁が、花押について、民法が遺言書に必要とする「印」と認めていたことがわかった。判決は「文書作成者の特定に使われてきた歴史がある」とし、遺言書も有効と判断。伝統的な文書成立の証明方法に、司法がお墨付きを与えた形だ。 判決などによると、遺言書は、琉球王国の名家の末裔(まつえい)にあたる沖縄県内の男性の名義。男性は2003年に85歳で死亡し、遺言書には、息子3人のうち、地元に住み続けて関係が良好だった次男に山林などの不動産をすべて譲るとする内容が書かれていた。 民法968条は、本人が遺言書を作成したことを厳格に証明するため、署名と「印」の両方をつけるよう規定。認め印や指印も有効だが、男性は末尾に署名はしたものの押印せず、花押を記していた。 長男と三男は「遺言書は無効」と訴え、10年近く話