世の中には、惚れっぽい人間と、野心家と、観察好きと間抜けという四種類の人間がいて、そのうちでもっとも幸福なのは間抜けである――、とイポリット・デーヌはその著書『フレデリック=トマ・グランドルジュの生活と意見、パリ覚え書き』に綴った。 モテルヤツノ人生は十三歳で決まる――、これが私の持論だ。 モテルヤツは、あるいは“人気のあるやつ”と置き換えてもいいのだが、その人が生涯にわたってモテル人生を送るか、はたまた女性にモテるという喜びとは無縁の人生を送るかの“分岐点”は、十三歳のときに訪れる。 私にはそんなふうに思えてならない。 周囲を見渡して、こいつはモテるねと思う友人、こいつは人気者だなと感じる友人は、十三歳の分岐点で、本人が意識していようがいまいが、無意識のうちに“モテる”コースを選んできたとしか思えない節が感じられるからだ。 十三歳という年齢は、中学校にあがる年でもある。私は新潟県の郡