井上理 日経ビジネス記者 1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ この著者の記事を見る
日本では、児童養護施設を舞台にしたテレビドラマに抗議が殺到して、全スポンサーCM放映中止という異常事態になっていると聞く。タブーに挑戦するような「問題作」と言われるドラマは過去にもいくつもあったが、民放では「誰もが見る」がための公共性の制約もあり、クリエーターの意欲とスポンサーの意向が必ずしも一致しない問題は常についてまわる。 アメリカでも事情は同じで、地上波は何かと制約が多い。だが、実は抜け道がある。きわどいテーマや大胆な表現を扱いたい番組は、ケーブル専門チャンネルで流せばいいのだ。このため、ドラッグの話題を扱う「Breaking Bad」(AMC)や、中世の残虐処刑シーンも登場する「Game of Thrones」(HBO)のような大型ドラマが、続々とケーブルチャンネルから出て人気を博している。 母数となる視聴者の少ないケーブルチャンネルでも潤沢な制作費がかけられるのは、広告だけでなく
何度、屈辱的な思いを味わったことか。人と会うことさえ怖いと思った時もあった。華やかな世界の裏側で目にした現実。それでも、森脇緑は退くことをよしとしなかった。「血を吐くまでやる」と決意してから6年。あの頃24歳だった緑は、今年で30歳になる。 サーキットの街・三重県鈴鹿市。鈴鹿サーキットを駆けるマシンの走破音が聞こえてきそうな距離に「モリワキエンジニアリング」はある。従業員数37名。二輪車・四輪車用の高性能パーツの開発から販売までを手がける会社だ。 緑の祖父の名は吉村秀雄。「ポップ吉村」の名をオートバイの世界では知らない人はいない。「ヨシムラ」の創始者。オートバイとレースに生涯を捧げた伝説の人物だ。 吉村のもとでエンジニア兼レーサーとして働いていたのが森脇護だった。護は、吉村の娘・南海子と結婚。1973年に独立し三重県鈴鹿市に「モリワキエンジニアリング」を立ち上げる。その4年後に緑が生まれた
増田 宗昭(ますだ・むねあき) カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEO 1951年生まれ。大阪府枚方市出身。83年、「蔦屋書店(元・TSUTAYA枚方駅前本店)」を創業。85年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社設立。2011年12月、大人たちに向けた新しい生活提案の場として、東京・代官山に「代官山 蔦屋書店」をオープン。TSUTAYAやTカードなど「カルチュア・インフラ」を創りだす企画会社の経営者として、奔走している。(撮影/大槻純一) 増田:そうそう。ぼんぼんだったの。姉もいるし、妹もいるし、おふくろは教育ママだし、完全に女系家族だったの。だから、女の人とのコミュニケーションは結構うまいんだよ、今も昔も。でね、しゃべりかたも、ふるまいも、子どものころは女みたいだったのよ。それで中学校ぐらいになると自分に目覚めるじゃない。自我の目覚めというか。
前回のコラムでは、独身アラフォー女性向け雑誌「DRESS」新創刊に見る「世の中ゴト化」のカギについて、戦略PRの視点からお話した。実はこの「DRESS」(創刊号の評判はあまり良くないが…)、PRとソーシャルメディアの化学反応を起こし、大きな前評判をつくった戦略は実に見事だった。今回は、PRとソーシャルメディアの化学反応を起こし、話題を最大化させるために必要な視点を解説していこう。 マスメディアがソーシャルメディアを刺激する 第1回目のコラムで、「ソーシャルメディアで会話されていないブランドは、この世(ソーシャルメディア上)に存在していないも同然である」ことをお話した。ソーシャルメディアという場所は、ユーザーが投稿や会話をしないと情報が存在しないからだ。 では、ソーシャルメディアではどんなことが会話されているのだろう。もちろん、曜日や時間帯にもよるが、大きな会話の塊(多くの人が同一のテーマに
「世界で580万『いいね!』を集めるベンチャー企業」として、8月10日の日経ビジネスオンラインで紹介した「Tokyo Otaku Mode(トウキョウ・オタク・モード)」。日本の漫画やアニメ、ゲームからコスプレなどの “オタク文化”関連のニュースを集めて英語で発信するフェイスブックページを運営するベンチャー企業が、米シリコンバレーで注目を集めている。日本では全くといっていい程無名だが、シリコンバレーでは著名なベンチャーキャピタル「500スタートアップス」から出資を受けたほか、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ所長の伊藤穣一氏がアドバイザーに就くなど、密かな話題を呼んでいる。今回は、同社を創業した35歳の社長兼CEO(最高経営責任者)、亀井智英氏に創業秘話を聞いた。 ――8月10日に日経ビジネスオンラインで記事を紹介してから、5日後にフェイスブックの「いいね!」が600万を突破
筆者が「女子会」の存在に初めて気づいたのは、東京ウォーカーのウェブ版記事「男子禁制!秘密の花園『女子会』がブーム」(2008年12月24日)を読んだ時でした。女性だけで集まる飲み会が流行していることを伝えた記事です。流行の背景として、同記事は「関西の人気読者モデルが女性だけの飲み会を開いていたこと」や「米国のテレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』で女性同士の友情が注目されたこと」を指摘していました。 やがて、女子会の概念は一般にも普及しました。例えば2010年の新語・流行語大賞は、トップテンの1つに女子会を選んでいます。 ところで、女子会という言葉が流行した2010年ごろから、マーケティングの世界で「女子○○」という表現が流行し始めました。女子飲み、女子ラーメン、女子鍋、女子旅、女子登山、女子キャンプ、女子ジャズなどの表現を使用することで、女性需要を喚起するようになったのです。筆者は
「もう頭打ちでは」と言われ続けて数年。昨年は「コンプガチャ」問題もあり、そろそろソーシャルゲーム業界の空模様も怪しくなってきたのかとささやかれていたが、ディー・エヌ・エー(DeNA)は相変わらずの成長路線を維持している。先行きを不安視するどころか、同社取締役でChief Game Strategy Officerの小林賢治氏は、“失敗”や“苦戦”が伝えられる海外展開でも手応えをつかみ、「卑屈になるな! 日本のソーシャルゲームのビジネスモデルは世界でも通用する」と力強く語る。その自信の源はどこにあるのか。何が底堅い同社の業績を支えているのか。変化の1年を乗り切ったDeNAの戦略について聞いた。 (聞き手/酒井康治=日経ビジネス、秦 和俊、写真/吉田明弘) 小林賢治氏(以下、小林氏):ディー・エヌー・エー(DeNA)としては、2012年度は引き続き成長することができました。これだけの規模にまで
前3回まで、岸勇希さんが展開される「コミュニケーション・デザイン」の手法をうかがってきました。そんな岸さんには、失敗例も聞いてみたいのですが。 岸:こんな言い方をするのは、謙虚じゃなく聞こえると思いますが、キャンペーンに限定すれば致命的な失敗は、ほぼないと思っています。競合プレゼンでは、少なくともここ3年は無敗です。最近正直、負け方が分からないんです。 さらっと明るく強気に。 岸 勇希(きし・ゆうき):電通CDCクリエーティブ・ディレクター/次世代コミュニケーション開発部専任部長。東京大学講師(2011-2012)。 1977年、名古屋市生まれ。東海大学海洋学部水産学科卒業。早稲田大学大学院国際情報通信研究科修了。2004年、電通に入社。中部支社雑誌部、メディア・マーケティング局を経て、06年10月より東京本社インタラクティブ・コミュニケーション局クリエーティブ室へ。08年より現職。 広告
ファイギ:(横に置かれた「アベンジャーズ」の日本市場向けポスターを見て)ああ、ここに書かれている日本語のコピーはそういう意味なの? それはグッドだね。 言っていることは事実だよ。「これが映画」。まさにそうなんだ。今年最大のヒット作がこの映画。日本は、アベンジャーズがいちばん遅く公開される国。世界中でヒットを飛ばした上で、あえて日本に持ってきた。だからこういったコピーになったのだろう。 全世界に遅れる形で日本公開に踏み切ったのはなぜですか。 ファイギ:映画配給を担当した、ウォルト・ディズニー・ジャパンのアイデアでそうしたんだ。宣伝期間が十分でないまま全世界と同じタイミングで公開するより、世界でヒットした事実を市場に浸透させた上で公開する。そうすることで、日本の観客に「他の国でこんなに記録的なヒットを飛ばしている作品なら、ひとつ見てみるか」と思ってもらえるのではと。あくまで戦略として、日本での
2011年度(2011年4月~2012年3月)のバンダイナムコホールディングスにおけるコンテンツ事業は、売上高を2170億円(前年同期比120.6%)、営業利益を145億円(同468.9%)と見込み、業績を急回復させている。家庭用ゲーム、業務用ゲームが堅調に推移したほか、ソーシャルゲームでの売り上げが100億円を突破し、利益に貢献している模様だ。 コンテンツ事業の中核をになう、バンダイナムコゲームスの鵜之澤伸副社長に、各分野の現況と今後の見通しについて聞いた。 (聞き手/秦 和俊、写真/吉田明弘) 昨年の業績をどのように見ていますか? 鵜之澤伸(以下、鵜之澤):一つは、ソーシャルゲームの伸びに代表される部分が大きいですが、それ以外の各部門も復活してきましたよね。 例えば、業務用ゲームに関してはシェアの拡大による業績好調があります。国内アミューズメント施設の売り上げはここ1年で下げ止まって、
成長する海外市場をどう開拓するか。それぞれの企業はもちろん、日本経済の将来をも左右する大きなポイントになる。新興国の経済発展で競争のフィールドは大きく変わり、戦い方も一様ではなくなった。その最前線では何が起きているのか。 「日経ビジネス」は6月25日号で「『ニッポン』を売り込め」と題した特集をまとめ、未踏の地に果実を求める先駆者たちを追った。この企画と連動し、「日経ビジネスオンライン」では5回にわたり、海外営業の猛者たちを紹介する。 最終回は、西アフリカのガーナとナイジェリアで国民食となっているニッポンの缶詰「GEISHA」の売り上げ増に取り組む2人の人物を紹介しよう。ガーナに赴任している川商フーズの小和田規浩アクラ事務所長と、中東ドバイの拠点でガーナとナイジェリアの販売代理店を統括する中東川商フーズの林靖記社長だ。 =文中敬称略
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