性器の外観を変える手術をせず、性同一性障害特例法の要件のうち「変更後の性器部分に似た外観を持つ」(外観要件)とする規定の違憲性を争った当事者が、戸籍上の性別を男性から女性に変更するよう求めた差し戻し家事審判で、広島高裁(倉地真寿美裁判長)は10日、外観要件は「違憲の疑いがあるといわざるを得ない」とし、性別の変更を認める決定を出した。 【写真】「『性自認は女性』と主張する男性が、女子トイレや女湯に入ってきたらどうするのか」と声高に叫ぶ人も 23年 高裁は、ホルモン療法で外性器の形状は変化するとした上で、申立人には「身体各部に女性化が認められる」と判断した。手術なしで男性から女性への性別変更が認められるのは極めて異例。 申立人は代理人弁護士を通じ「性別のギャップによる生きにくさから解放されることをうれしく思う」とのコメントを出した。 高裁は、外観要件を「憲法が保障する『身体への侵襲』を受けない