ジャーナリスト、事業家、社会活動家など様々な立場で国内外の現場を見てきた記者の引地達也さんが発行するメルマガ 『ジャーナリスティックなやさしい未来』。今回は、日本の「精神保健」に対する理解の低さに苦言を呈しています。1978年にイタリアで実際に起こった精神保健の改革運動に関する実話を基に制作されたイタリア映画「人生ここにあり」と、その背景にあったイタリアの社会背景を紹介。なぜ日本では、このような運動が起きないのか、その理由について分析しています。 イタリアでできて、日本でできない精神保健の問題 精神保健の世界に身を置いてみると、社会保障制度の不備、という現実的な問題が詳らかに見えるようになると同時に、その背景を考えると、一般社会で精神保健に対する理解が広がっていないという「社会の質」のような問題に直面する。どうしたらよいのか、と一般の方々が受け入れやすい切り口を探してみるが、同じ問題意識を