株式会社コプロシステム取締役 商品計画研究所所長。携帯電話キャリア、電機・食品・化粧品各メーカー、エンタメ系企業等のブランディング、商品開発に関するプロジェクトを多数手がける。Mac大好き。

HCII09にて。 HCD-Netでオーガナイズドセッションを担当した「Persona and Scenario-based Design in Asia」にて、かねてから疑問だったらシナリオ法についての疑問が明確になった。 結論から言うと、シナリオ法とは「デザイン過程において、自然言語で記述するようなシナリオを用いること全般」を指す。 ペルソナ法といっしょに語られることが多い、シナリオ(シナリオ法)であるが、現場でシナリオを用いる場合、大きく二通りの用途があるのが気になっていた。 ケース1:シナリオを調査結果モデル化の表現に用いる場合 わかりにくいが、前者はあくまでファクトベースのシナリオ、後者は問題を解決するためのソリューションととしてのシナリオ、ということができる。 どっちでも大差ないよ、という方も多いと思うが、書籍やら事例やらを見ているとどっちのケースも見受けられ、また、デザインプ
「新規顧客開拓にペルソナを使いたい」や「ペルソナをBtoBに使いたいのだけど…」。最近は、ペルソナ導入の具体的な相談を受けることが増えてきました。 数年前までは「ペルソナに興味があるんだけど…」といったゆるい感じの話が大半だったのに、今では「いかにペルソナを使いこなすか」という話が大半なのですから、ペルソナも「マーケティング業界」にすっかり定着してきた感があります。 ペルソナとは、事実(データ)の積み重ねによってつくられる、ユーザーの典型的な特徴を併せ持つユーザーモデルです。つまり架空のユーザー。しかし、この架空のユーザーが驚くほど成果を生み出します(だからこそ定着したのです)。 ではなぜ、ペルソナがマーケティングに有効なのか?それには「3つの理由」があると感じています。 まず「消費心理」を把握できることが挙げられます。ユーザーが何を、いつ、どこで購入したのか、を把握することはさほど難しい
野村総合研究所 技術調査室 田中 達雄 2009/7/1 ユーザーインターフェイス技術、分析・管理系技術、開発手法の3つの融合が実現する、新しい潮流を解説する モノがあふれる時代、多くの商品やサービスがコモディティ化し、その機能や性能だけでは差別化が困難になっている。そんな中、顧客の感情面に訴求する「顧客経験価値(Customer Experience)」というアプローチが北米中心に注目を浴びている。 米国大手調査会社が2007年夏に発表したレポートによると、調査対象となった北米銀行約200社の半数以上がChief Customer Experience Officer(CCEO)を設置し、顧客経験価値に対して組織的に取り組み始めたと発表している。金融業界の商品やサービスは特にコモディティ化しやすく、顧客経験価値に対する期待や注目の高さをうかがわせるものだ。 顧客経験価値をもう少し具体的に
笑顔を創りたいWeb屋の日常 Web業界からひょんなことで専門学校の先生に。そしてまたWeb現場に戻ったWedディレクターのブログ。情報デザインやWebの勉強をしています。 おかげさまで、多業種多職場でお仕事をさせていただいたことで、たぶん同年代より、いや、一社にずっと勤めている人よりいくらかいろんなものが見えたような気がします。(長く働いたら働いたで見えてくるものもあるので、どちらが良いというものではないと思いますけどね) で、どこでも必要で、そして組織としてできているかどうかで生産性が変わってくるものの一つが「ワークフロー」なんだと、僕は感じています。僕が所属していた組織でも千差万別でした。全くできていないところ、きちんとできているところ、できているどころかそれが売りのようなガッチガチのところ、誰もワークフローなんて意識していないんだけど、長い長い歴史で組織の体に染み付いた「工程管理」
ユーザーをグループ分けしよう前回説明したようにユーザーに弟子入りしてていねいに話を聞くという調査を根気強く繰り返していると、ある時点であなたは気づくだろう――「同じような話をしているユーザーが複数いる!」。もちろんまったく同じ話をするユーザーはいない。細部を比べれば個々のユーザーの体験談はすべて異なる。しかしユーザーの目的や行動パターンに注目すれば、赤の他人同士であるユーザーの間にいくつかの共通点が見えてくるのだ。 まずユーザーの情報を1人分ずつ1枚のカードに書き出してみよう。名前、性別、年齢、職業、行動の特徴、一番印象に残った言葉などなど。インタビューしたときのユーザーの雰囲気も思い出そう。そして、そのカードを並べ替えて似たようなユーザーをひとまとめにしよう。 ちょうどいい具合にグループ分けができたら、次はそれらのグループにタイトルを付けよう。たとえば、衣料品サイトのユーザーならば「流行
Web担当者Forum × CSS Nite「実践ワークショップ」 第2回『サイト設計の切り札「ペルソナ」開発工程を体験!』 に参加してきました。 井登 友一(いのぼり・ゆういち)さん 株式会社大伸社 m.c.t.インタラクティブ チーフコンサルタント によるペルソナの解説とワークショップです。 実際の工程の本当に短縮バージョンになった、キットを使用しての体験。 使用したキット 完成しつつある状態。 右部分にまとめてきます。 実際にやってみて、大量のエレメント(言葉)を前にして漠然としていた人物像が、作業の過程で顔を持ち始め、矛盾がないように見えてくるのがびっくり。 最終的には、男性の好みまで妄想が膨らんでいました。 但し、注意点として、データ上にないことは、出してはいけないので、妄想は妄想の範囲内で。 これまで疑問に感じていたいくつかの点について、明確になった部分があります。 ◎ペルソナ
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 先日公開された富士通さんの「キッズコンテンツ作成ハンドブック・ペルソナマーケティング編」のペルソナを見て思ったことをすこし。 富士通キッズ キッズコンテンツ作成ハンドブック:http://jp.fujitsu.com/about/kids/handbook/ まず、思ったのは「んっ、なんだ? このペルソナ」ってことです。 みても、何のためにペルソナをつくったのかわからなかったわけです。 いったい、これをどう使うんだろ?って。 で、最初は出来がよくないのかなとか勘ぐったりしました。 でも、そうじゃないんですよ。 他人がみてわかるペルソナのほうがおかしい自分が関わっていないデザインのためのペルソナをみてもわからないのがとうぜんなんです。 だって、ペルソナに描かれるのはデザインの
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 タイトルでは疑問形で書きましたが、なんとなくそういうニーズがあるのか、と。 いくつか企業主催のセミナー、ワークショップの講師をさせていただいてますが(たとえば、これ)、このご時世でもあり、自分の会社からは高い参加費は出してもらえないという方もいるようです。 というわけで、個人的にもご相談いただければ対応してみようか、と。 ご相談いただけるワークショップの内容対応可能な内容は下記。 ペルソナ、シナリオ、ペーパープロトタイピングの方法を身につけるためのワークショップ・実習(1日8時間前後)ワークショップの場合ははじめに1時間程度の講義付き講義のみご希望の方にも対応化(講義だけ聞いてわかるものでもないので、あまりおすすめしませんが)場合によっては、終了後に軽く打ち上げ実施内容の概
[コラム]カスタマーエクスペリエンスで 道は開ける ~フォレスター・リサーチのWebサイト方法論 by ジョナサン・ブラウン フォレスター・リサーチのシニア・アナリストであるジョナサン・ブラウン氏によるウェブコラム。 主にカスタマーエクスペリエンスとマーケティングの側面から企業のビジネスをサポートしているジョナサン氏が、企業サイトにおけるユーザー志向の考え方や方法論をさまざまな切り口で解説します。 このコラムを読んでくれているみなさんは、「ペルソナ」という言葉をすでに何度も聞いたことがあるでしょう。新聞記事などで他社のペルソナ事例などをご覧になった人はたくさんいるでしょうし、ウェブデザインのプロジェクトのために実際にペルソナを作ってみようと決めた人もいるでしょう。 しかし、数年前だったら、日本ではペルソナを知らない人が多かったでしょう。確かに、この2~3年の間に、日本市場で多くの企業がペル
顔の見えにくい漠然とした「ユーザー」ではなく、あたかも実在する人物のように具体的に記述されているので、ペルソナシートを読めば、その人が何を期待してどのようにウェブサイトを訪れ、どのように見るページを選んでいるかなどを、具体的かつ体系的に深く理解できる。 ユーザーが「できること」だけではなく「したいこと」を見つける「ユーザーにとって使いやすいサイトを設計したければ、ユーザビリティテストで十分だ」と考える人もいるかもしれない。確かに、ユーザーが「できること」「できないこと」「しやすいこと」「しにくいこと」に関しては、いわゆるユーザビリティの領域でカバーできていた部分だ。しかし、ユーザビリティでは、ユーザーがそれを望んでやっていることかどうか、つまり「したいこと」「したくないこと」あるいは「してほしいこと」「してほしくないこと」を理解することは難しい。 それに対してペルソナは、架空とはいえ、あた
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 ひさびさに人間中心設計(Human Centered Design=HCD)に関する話題を。 ここで書くのは、ユーザー調査から得られたユーザーの行動を構造的に分析するために用いる、5つのワークモデルについて。このワークモデリングの手法はContextual Designで用いられているものです。 ペルソナ/シナリオ法の使われ方に問題あり?で、なんで急にこんな話を書こうかと思ったかというと、世の中のペルソナ/シナリオ法の使われ方に疑問をもったからです。 前に「ユーザー行動シナリオは最初のデザイン」というエントリーで「ペルソナ/シナリオ法の肝は、実はペルソナのほうじゃなくてシナリオのほう」だと書きました。 しかし、世の中ではどうも「ペルソナ」という言葉のほうばかりが先走ってしま
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 何のためのペルソナを作るのか? ペルソナを作ることがゴールではないのは、当然として、では、ゴールは何なのか。そのゴールに対してペルソナにどのような役割を担わせようとしているのか。 ユーザー理解のため、ユーザー視点でデザインをするため。それではまだ答えとしては曖昧です。 ペルソナは別の万能ツールではありませんので、ユーザーのあらゆる面を理解したり、デザインするために必要な情報のすべてを教えてくれるわけではありません。何を知りたいのか? その焦点が絞れていないとぼんやりぼやけた役に立たないペルソナができてしまうでしょう。 マーケティングセグメントとペルソナ混同されがちなのがいわゆるマーケティングセグメントとペルソナです。あるいは今度はしていないけれど、両方に期待する役割をペルソ
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 さて、1つ前の「ゴールダイレクテッドデザインとは」で紹介したゴールダイレクテッドデザインプロセスのなかでもとうぜんペルソナとシナリオが使われています。そりゃ、そうですよね。クーパーがペルソナの生みの親なんですから。 僕はこれまでペルソナ/シナリオ法という用語を使ってきましたが、今後はもうその用語は使わずに、ゴールダイレクテッドデザインという用語を積極的に使っていこうと思います。 というのは、ペルソナ/シナリオ法あるいはペルソナという言い方は誤解が多すぎるからです。 デザイン・シンキング(デザイン思考)といい、どうしてこうも流行りだからというだけで飛びついて、それが何なのか、何の役に立つのかをちゃんと自分で理解して使おうとする人がすくないんでしょうね。それでそういう人に限って
アクセス解析の仕事をしていると、アクセス解析さえあれば「キーワードを見ればユーザーのニーズや考えている事が分かる」とか「CVRを元に最適な集客プランはこの手法だ」とか「導線分析を行うことによってユーザーが一番コンバージョンする最適な経路ははこれだ!」とか思ってしまう事があります。 しかしWhat Web Analytics is Missing... という記事を読むと、改めてアクセス解析ツール(単体)の限界や課題点について考えさせられました。当たり前だけど、アクセス解析は万能ではなく、あくまでもユーザーの動きが結果として集計されているだけだったりします。 この文章ではアクセス解析ツールに対して感じている7つの課題に関して記載されています。「本当に知りたいビジネス要件について回答を教えてくれない」という意味で、全てのツールにあてはまる内容になります。その内容を紹介いたします。 ※記事の内容
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 これだけペルソナ手法が注目されても、まだ誤解があるようですね。 ユーザーに関する調査をせずに作ったユーザー像なんてペルソナって呼びません。 それってもっともらしくユーザーについて考えた風なだけです。 そもそもね、ペルソナ/シナリオ法で大事なのは、ペルソナを作るほうじゃなくて、ユーザーの行動やその背景を調査して、ユーザーとモノとのあいだのインタラクションを見直すことです。むしろ、調査して、きちんと分析するならペルソナなんか作らなくていいくらいです。それを調査もせずにペルソナを作りましたなんていうコンサルタントがいたら信用しないほうがいいですよ。 調査・分析でユーザーの行動構造をモデル化できなければペルソナなんてただの妄想もちろん、形式ばった調査だけが調査ではありません。『ペル
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 『ペルソナ作って、それからどうするの?』の第1章では、「デザインって何なのでしか?」という問題の整理をスタート地点にして、「ウェブの制作とデザイン」、「創造性とデザインの方法」、「ユーザーの行動とデザイン」、「ウェブサイトをデザインする際の境界線問題」と話を進め、現在のウェブデザインの問題点と課題を整理・指摘しています。 それを受けた第2章は「ペルソナ/シナリオ法とウェブデザイン」と題して、<「誰のためのデザインなのか?」という疑問に対して「誰のどんな問題を解決するのか」を明示するデザイン手法がペルソナ/シナリオ法>を紹介するとともに、「ユーザビリティとペルソナ」、「ユーザーエクスペリエンスとペルソナ」、「ペルソナを用いてインタラクション・デザインを考える」など、ペルソナ/
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 5月30日に発売になる『ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト』(amazonでは予約を開始しています)では、ペルソナ/シナリオ法やユーザー中心デザインの手法を使った、Webサイトのデザインを進めるにあたっての日本的な方法を模索し、概要編と実践編との2部に分けて理論と実践方法という2軸から紹介しています。 今回、本を書くにあたっては、いろんな書籍を参考にさせていただきました。 今日から数回に分けてそれらの本を「『ペルソナ作って、それからどうするの?』といっしょに読みたい参考文献」と題して紹介していこうと思います。 デザイン関連本本書ではいきなりウェブのデザインを語ることはしていません。その前にそもそもデザインとは何かを考えることからはじ
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