県産業技術総合センター(SAITEC)=川口市=は19日、室温で安全に使用できるマグネシウムを使った蓄電池の開発に成功したと発表した。スマートフォンなどの小型電子機器に使われているリチウムイオン電池より安全で容量が大きく、実用化すれば世界初となる。同センターは県内企業と共同開発を進め、2、3年以内の製品化を目指す。(川峯千尋) ◇ 同センターによると、リチウムイオン電池は原料が高価で確保が難しく、空気に触れると発火するという課題がある。これに代わる次世代蓄電池の開発が世界で進められる中、注目を集めたのが発火の危険性が低く、リチウムの25分の1程度の価格で資源も豊富なマグネシウムの蓄電池。しかし、多くの研究機関が取り組んできたものの高温でしか動作しなかったり、数回の充電で劣化したりと小型の民生用機器への実用化には遠かったという。