ヒラリーから要職に抜擢されたスローターだったが、家庭の問題で退かざるを得なかった Ruben Sprich-REUTERS 今年は、大統領選でアメリカの次期大統領を決める重要な年だ。元国務長官のヒラリー・クリントンは有力候補のひとりだが、これが実現するまでには2つの大きなフェミニズムのムーブメントがあった。 第1世代(1st. wave)のフェミニズムは、19世紀末から20世紀はじめにかけての「女性の参政権運動(Women's suffrage)」だ。投獄を覚悟で戦った女性たちのおかげで、女性の私たちは現在のように選挙権を得ることができたのだ。 第2世代(2nd. Wave)のフェミニズムは、中絶の合法化や、社会的な男女平等を憲法のレベルで求める運動で、黒人の公民権運動と反戦運動が高まった1960年代におこった。この運動後の知的階級のアメリカ人女性は、フランスの女性哲学者シモーヌ・ド・ボー