陸上自衛隊が2002~04年、イラク派遣に反対する運動をしていた人たちを監視し、個人情報を集めていたのは違法だとして、東北6県の91人が損害賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決が2日、仙台高裁であった。古久保正人裁判長は、一審・仙台地裁判決の一部を取り消し、原告1人についての情報収集の違法性を認めた。情報収集の差し止めは一審に続いて却下した。原告は上告する方針。 高裁判決は、原告1人については「公になっていない本名や職業を陸自に調べられた」として、プライバシーの侵害を認め、10万円の賠償を国に命じた。一方、一審判決で賠償が認められた5人のうち、地方議員ら4人の請求については「所属政党など第三者に知られることを前提とした情報で、収集は違法ではない」と述べ、棄却した。 きっかけは、共産党が自衛隊関係者から入手したとして、07年に公開した内部文書。東北6県で行われたイラク派遣に反対する集会やデモ行進