政府は原発ゼロを目指す一方、使用済み核燃料の再処理政策については「従来の方針に従う」と継続を決めた。だが、非核保有国では日本にのみ許された核燃料サイクルは、ウラン資源の有効活用や核拡散防止の目的で認められている。それは原発運転の継続が前提となるだけに、「原発ゼロ」とは矛盾する。政府のエネルギー戦略は相反する基本政策を打ち出し、早くもほころびを露呈した。 政府がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略案」では、脱原発に向けた「5つの施策」の1項目に「国際社会との連携」をあげた。日本が核不拡散条約を批准し、原子力の平和利用を推進してきたと指摘。核燃料サイクルなどの見直しでは、米国など「諸外国と緊密に協議し連携して進める」とした。 日本はこれまで、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを回収して再利用すれば、「準国産」のエネルギー資源になると説明。「石油危機などのリスクを回避するため」として、核燃料