じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」と喋らいでギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、クズスキル【翻訳】の新米回復術士と共にツートな無詠唱魔術で最強冒険者ば目指す~ 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辞めてほしいの」 ――とんでもない場面に出くわしてしまった――。 ギルドマスターにお茶を出そうとしていた新米回復術師レジーナ・マイルズは、ドアの隙間から中を覗き込んだ。 巨大なマホガニー製の机に座り、優雅に足を組んマティルダは、怜悧な眼鏡面を非常に言いづらそうに歪め、なんと言葉を続けようかと迷っているようだった。 この冒険者ギルド『イーストウィンド』のギルドマスター・マティルダは、基本的に公私混同のない冷静な人だ。 かつて『ダンジョンの白百合』と称され、王族からも求愛を受けたと言われるその冷たい美貌も去ることながら、魔導士としての確かな実力