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  • でかいペットボトルの焼酎を買う人間の末路

    おれと酒、酒とおれ おれは酒が好きだ。酒も俺のことが好きなんじゃないかな。 とはいえ、「酒」といってもいろいろある。大きく分けたら醸造酒と蒸留酒ということになるのか。大きく分けたらおれは蒸留酒のほうが好きだということになる。 おれが好きなのはウイスキーだ。ウイスキーがお好きでしょう。でも、さらに絞りたい。絞った先にあるのは、スコッチということになる。スコッチのなかの、シングルモルトということになる。 シングルモルトのなかでも、アイラモルトが好きだということになる。ラフロイグが好きだ、ボウモアが好きだ、なによりアードベッグが好きだということになる。どんな味がするのか。薬品臭とすら言われる独特の香りがある。そして、酔いがたまらん。 「酔い」に違いがあるのか。味や、匂いではなく。 おれは「ある」と答えたい。質の良いスコッチのもたらす酔いは別格だ。一瞬で深く染み渡り、じつにいい気分になれる。そして

    でかいペットボトルの焼酎を買う人間の末路
  • 「休めるときに休もう」だと、休めない。

    そういえば、さくらインターネットには2日以上連続の有給休暇を事前申請すると、有給休暇手当が1日あたり5千円出る制度あるんです。 もともと、直前の有給休暇申請を減らして、計画的に休みとって欲しいなって事だったんですが、効果てきめんでした。 ペナルティよりベネフィットだなと思います。 — 田中邦裕@さくらインターネット社長🐈‍⬛🐕 (@kunihirotanaka) 2022年9月12日 このツイートに対するリアクションを見ると、どうやら多くの人は、「ベネフィット」という言葉に惹かれたらしい。 会社がはっきりと「連休取得推奨」を表明していれば、従業員は気兼ねなく連休を申請できるし、さらにカネももらえるのだから、確かに魅力的だ。 でも実は、当に大事なポイントは、別のところにあるんじゃないかと思う。 それは、「計画的に休みをとる」というところだ。 なぜなら、長期休暇取得のためには、「仕事に合

    「休めるときに休もう」だと、休めない。
  • 実力も謙虚さもない年配者は、もう居場所がない。

    年功序列が衰退し、年下の上司を持つことが特に珍しくない時代になった。 マンパワーグループの調査*1によれば、直近3年以内に転職した35歳から55歳の正社員の約7割に「年下の上司」がいるという。 その「年下上司」について、よく言われることの一つが、「一緒に働きづらい」だ。 調査によってばらつきがあるが、上のマンパワーグループの調査では、約3割の人が、「年下と働きづらいと感じた」とされている。また、エン・ジャパンの調査では、約6割の人が「年下と働きづらい」*2と言っている。 正直なところ、これが「年下だから」働きづらいのか、それとも、こんな価値観の人は「相手が誰だろうと、働きづらさを感じる」のか、原因を切り分けるのは難しい。 ただ、エン・ジャパンの調査におけるコメントを見ると、一定数の人が「年上ならまだ我慢できるが、年下で自分より高い地位の人と働くのは嫌」と考えているのだと読み取れる。 『若い

    実力も謙虚さもない年配者は、もう居場所がない。
  • 子育てのため、精神科医の仕事を辞めて「専業主夫」になった時の話。

    今までネットに書いたことがありませんでしたが、ある時期、私は仕事を辞めて子育てに専念していました。 そうなる前、私は私なりに子育てについてだいたいの算段をつけていたのですが、ハプニングがいくつも重なってしまいまして。 このままでは一家崩壊になってしまいそうだったので自分が子育ての主役を引き受けようと決意しました。 常勤の精神科医が仕事を抜けると迷惑になるとも思いましたが、状況が状況だけに職場は承諾してくださり、なんとか年度末まで勤めた後、私は子育て専業主夫になりました。 今日はその頃の話をします。 事前の計画 どうせ仕事をやめて子育て専業主夫を始めるなら、これを危機だと思うよりチャンスだと思わなければもったいない。 そのために何が必要なのか? 家族と相談しながらいろいろ考えました。 まずは軍資金。 先立つものとして1000万円を用意しました。 ミリタリー界隈では「戦争は補給で決まる」という

    子育てのため、精神科医の仕事を辞めて「専業主夫」になった時の話。
  • 「朝サウナ」は人生を救ってくれるという話。

    久しぶりの記事となってしまった。 実はプライベートでとんでもない事があって一ヶ月も原稿を落とす事になってしまった。 ま、それについては全てが終わったら書くとして、今日は朝サウナという超絶素晴らしいライフハックをご紹介したい。 特に夜型から朝型にライフスタイルを変えたいと思ってる人には非常に参考になる話だと思う。 サウナほどお手軽なリラクゼーション施設はない 以前に何度か書いたのだが、一昨年あたりからサウナの素晴らしさに目覚めてしまい、通いつめている。 究極の愉悦、「交互湯」を知ってしまった。 幼い頃、銭湯にある水風呂の意味がサッパリわからなかった。 ちょっと足をつけただけでギャァと叫びたくなるような冷たいものが、来温まる目的のはずの風呂場に置いてる理由が皆目見当がつかなかったのだ。 「あれは罰ゲーム以外の何に使うんだろう?」 ずっとそう思っていた。交互湯の愉悦を知るまでは。 サウナがどう

    「朝サウナ」は人生を救ってくれるという話。
    chiusagi
    chiusagi 2021/02/15
    自分もサウナ好きだけど、まぁ傍から見れば「サウナ」を「プペル」に置き換えても大丈夫そうな文章だ
  • 仕事の礎は、何よりまず「国語力」という話。

    つい先日、自分の書いた原稿に、出版社の校正の方から手を入れていただいたとき「やっぱりプロはすごい」と感じた。 当たり前なのだが、改めて自分がいかに適当に言葉を使っているかが、よくわかる。 定義忘れ、表記ゆれ、時制の矛盾、前後の文脈とのい違い、変換ミス……改めて自分の国語力の無さに呆れたわけだが、これはこれで一つの訓練だと思い、一つ一つの指摘をボチボチつぶしていった。 そして、作業をしながら、私は一人のコンサルタントをふと思い出した。 「できない」→「できる」 正直なところ、彼はお世辞にも「できる人」ではなかった。 愛嬌はあったが、仕事のできは、良く言っても十人並み。 同じ時期に入社した、目から鼻に抜ける感じの同僚と比べると、明らかに物足りなさがあった。 例えば、私が在籍していた会社では、コンサルタントに日報を書かせていた。 だが彼の日報は、よく言っても学生のレポート並みで、箇条書きであれ

    仕事の礎は、何よりまず「国語力」という話。
  • エンジニアをしていると、世間には「面倒な手続きほど価値がある」と考える人が、けっこういるとわかる。

    この記事で言いたいことは、まとめると以下のような内容になります。 ・「面倒くさくて複雑」といフローは、例外もあるものの、基的には不適切であるか、そのフローが必要とされる前提の方がおかしい ・けれど世の中には、「面倒で複雑なフロー程正しいし価値がある」と考える人が案外多い ・「面倒くさい」と言える人は貴重なんだけど冷遇されがち ・不要なJOIN句は敵だし、JOIN句の使い回しなど絶対してはならない よろしくお願いします。 さて、言いたいことは最初に全部言ってしまいましたので、後はざっくばらんにいきましょう。 先日、Twitterでこんなことを呟きました。 エンジニアをしていると「面倒くさいやり方は大抵間違っているか、あるいはそのやり方を必要としている前提の仕組みの方がおかしい」という思考は割と普通だと思うんだけど、どうも世間的には「面倒くさければ面倒くさい程正しい、ないし価値がある」と思っ

    エンジニアをしていると、世間には「面倒な手続きほど価値がある」と考える人が、けっこういるとわかる。
  • 「部下を育てる」ことを「部下の能力を上げる」ことだと勘違いしていた、という話

    この記事で書きたいことは、下記のようなことです。 ・「部下を育てる」ことは「部下の能力を引き上げること」だと勘違いしていた ・上司が部下に出来ることは、最大限上手くいっても「行動パターンのちょっとした変容」くらい ・けれどそれで、あんまり出来なかった人を出来る人っぽくムーブさせることは出来る ・もしかすると、「育てる」ってそういうことの積み重ねなのかも知れないなあ ・なんだかんだで「インフラ整備」以上に効率よく人の行動パターンを変容させられるものはない 以上です。よろしくお願いします。 *** さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんに行きましょう。 「人材育成」というのは仕事においてものすごーーく大事な要素でして、もちろん色んな人が色んな言葉で語っていますし、もたくさん出ています。 何百人も部下を育てた人たちの言葉は大変説得力があって、私も感心することしきり

    「部下を育てる」ことを「部下の能力を上げる」ことだと勘違いしていた、という話
  • 「初心者」に厳しいと、結局、自分たちのクビを締めることになる

    壱岐でお世話になった知人が、クラウドファンディングで支援者を募っていた。 発起人は立山晋吾さん。 生まれ育った壱岐島の漁業の衰退を目の当たりにし、勤め先の九州郵船を辞めて、「釣り船」の会社を立ち上げた。 そう聞くと、読者の方々は、昨今のいわゆる「スタートアップ的な」起業を思い浮かべるかも知れない。 テクノロジー、マーケティング、モバイル、AI、最適化…… 「釣りのプラットフォーム」とかそんな言葉が並ぶ起業だ。 しかし、この起業は、そういった話とは無縁だ。 立山さんの問題意識は別のところにある。 初心者に異様に厳しい「船釣り」の世界 一年半ほど前「釣りを始めた」という記事を書いたが、その中で「釣り船は客が怒られる世界だ」と述べたことがある。 30代後半からは、意図的に「教えてもらう側」に回り続けないと、学びがどんどん下手になる。 この話をすると、「釣りって、楽しいですか?」と聞かれることがあ

    「初心者」に厳しいと、結局、自分たちのクビを締めることになる
  • 組織で「怠け者」と、みなされている人にこそ、改善のヒントが隠されている。

    キャッチなタイトルだが、このは「決めつけ」に関するエピソードを集めたものだ。 どういうことか。 例えば、「組織で「怠け者」と、みなされている人にこそ、改善のヒントが隠されている。」と述べたら、どう思うだろうか? 通常、「それはない」と思う方のほうが多いだろう。 「怠け者」とみなされている人物の存在は、一般的には問題であり、 「使えない」「やる気がない」などと言われてしまっていることもしばしばある。 しかしそれは「決めつけ」である。 別に彼らに気を遣っているわけではない。 当にそうなのだ。 「怠け者」が組織改善のキーになるときもある。 * ある会社の、営業ミーティングに出席していたときのことだ。 この日の話題は、「営業記録の精査」だった。 この会社では、営業は、日々の活動をシステムに入力しなければならない。 クライアントへ訪問したのか、電話したのか、メールを送ったのか、その内容は何だった

    組織で「怠け者」と、みなされている人にこそ、改善のヒントが隠されている。
  • そもそも、教育の専門家でもない先輩社員たちに新人教育を丸投げしてしまうこと自体、間違ってません?

    この記事で書きたいことは、大筋下記の3点です。 ・そもそも、部下や後輩を「ちゃんと育てられる」人など滅多にいない ・きちんとした予算も評価もなしに、新人育成を個人任せにするのは会社の重大な錯誤 ・どうしても新人教育の予算がちゃんと取れないのであれば、せめて新人教育をきちんと定型化して誰でも出来るようにする工数をかけるべき よろしくお願いします。 ということで、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、後はざっくばらんにいきましょう。 先日、megamouthさんのこちらの記事を拝見しました。 底辺IT企業は『書けない』プログラマとどう向き合ってきたか 最初のほうは優しく教えていたと思う。話したりハンズオンしている時に、あっこの子、変数のことわかってないな、と感じたら、ホワイトボードを持ち出してきて、例の”x”と書いた箱の絵に矢印を引いて、値が入っている図を書いて、「わかった?」「あ、はい

    そもそも、教育の専門家でもない先輩社員たちに新人教育を丸投げしてしまうこと自体、間違ってません?
  • 「コミュ障」の本質が、ようやくわかった。

    「コミュ障」という言葉がある。 正確に書くとコミュニケーションに関する障害(を持つ人)となるが、もちろんこれは来の「障がい者」という意味で使われているのではなく、単にコミュニケーションの下手くそな人、という意味だ。 さて、この「コミュ障」だが、よくネタにされる。 友達付き合いや、仕事においてもコミュニケーションの能力が重要であるからなのだろう。 だが、私はいつも不思議に思っていた。 人の認識と、実際の能力のズレについてだ。 例えば、自分自身で「コミュ障です」と言っている人であっても、特に仕事を進める上でコミュニケーションに苦労しなかったり、一見社交的で、仲間とうまくやっているのに、実は仕事でコミュニケーションが非常に取りづらい人がいたりする。 一体これは、どういうことなのだろう。 「コミュ障」の質とは、一体何なのだろう。 そう思っていたところ、先日読んだ一冊のが、これらの疑問につい

    「コミュ障」の本質が、ようやくわかった。
  • ライフハックとは「目を良くしようと努力せず、すぐメガネをつかえ」ということである

    珍しく売れて欲しい、と心の底から思えたがあるので紹介する。 借金玉さんの「発達障害の僕が「える人」に変わったすごい仕事術」である。 タイトルだけみると、よくある自己啓発の亜種にも見える書だけど、その質はそういうものとはちょっと異なる。まあ質については後で書くとして、まず書の見どころから書いていこう。 ライフハックとは「メガネをつかえ」ということである まず、このは読み物として普通に面白い。 このは大雑把にわけると全部で2つの構成要素がある。1つ目が日常生活への適応で2つ目が社会への適応である。 以下順に説明していこう。 世にある多くの自己啓発は「こうすれば朝型人間になれる!」だとか「こうすれば仕事の生産量が圧倒的に高くなる!」といったスーパーマンの成り方を語っているけれど、このは「残念ながら自分は変わらない」事を前提に書かれている。ここが物凄く面白い。 「残念ながら自

    ライフハックとは「目を良くしようと努力せず、すぐメガネをつかえ」ということである
  • 一見、理解されがたい仕事のスキルの所有者たちが、正当に評価され、報われますように

    いきなりですが皆さん、システムの保守・運用っていうと、どんなことする仕事なのかってご存知ですか? 勿論、一言で保守とか運用って言っても、対象となるシステムにもよりますし、担当者の守備範囲にも、契約の内容にもよるんで、あまり一概に言える話でもないんです。 ないんですが、それを承知でざくっと言ってしまうと、例えば一般的なwebシステムでいえば、 ・システムの負荷監視、死活監視、パフォーマンス監視 ・トラブル時の調査・問題切り分け・障害対応 ・インフラの故障対応 ・ネットワーク監視 ・バックアップ対応 ・定期メンテナンス ・ジョブ管理 ・マニュアル・ドキュメント管理 ・障害対応訓練 ・バージョン管理・変更管理 ・ログ管理 ・セキュリティパッチ対応 ・瑕疵対応、バグ対応 ・修正開発時の事前調査 この辺については、まあ代表的な保守・運用の仕事と言ってもそんなに問題ないでしょう。正確にいうと、保守と運

    一見、理解されがたい仕事のスキルの所有者たちが、正当に評価され、報われますように
  • なんで公園には、いつのまにかBB弾が自然発生してるの?

    かつてアリストテレスは、種々様々な動物を観察した結果、「生物は無生物から自然発生し得る」と結論付けた。これを自然発生説と呼ぶ。 虫は草の露から生まれ、イカは海底の泥から生まれ得ると提唱したのである。 今でこそ荒唐無稽に思える説ではあるが、まだ生命発生のメカニズムが解明されなかった時代、この説は強く支持されるに至った。 そして、17世紀のフランチェスコ・レディ、19世紀のルイ・パスツールの実験等によって否定されるまで、実に2000年以上の長きに渡って広範な信奉を受けるに至ったのである。 これは決して、「かつての科学者、哲学者たちが無知であった、愚かであった」などという話ではない。 我々が今、「生物の自然発生説は誤っている」と断言できるのは、観察手段の発展を背景にした、数々の実証実験の存在があるからだ。 逆に言えば、それら実験を行うことが出来なかった時点では、自然発生説を覆す材料こそが存在しな

    なんで公園には、いつのまにかBB弾が自然発生してるの?
    chiusagi
    chiusagi 2018/05/09
    公園でエアガンで遊んでるのを見られたら怒られるからバレないようにやってるからじゃないかと(マジレス
  • 任せるのが上手な上司と、任せるのがへたな上司。何が違うのか。

    「任せるのって、難しいですよね」という、マネジャーの悩みを訪問先の企業で聞いた。 具体的には、こんな具合だ。 「いまは残業に対する規制が厳しく、確実に時間内に終わることしか任せられない。」 「良かれと思って任せても、「任される」事にネガティブな人もいる。」 「仕事を任せようとしたら、「もう少し作業のやり方を明確にしてから依頼してください」と怒られた。目標はこちらから示すけど、やり方は自分で考えて欲しい。」 一昔前は、部下が仕事を任されるのは当然であり、仕事を断ったり躊躇したりするシーンはあまりなかった。 だが最近では「任せる」ことも非常に気を遣うという。 丸投げや、十分な指導を行わないまま仕事をやらせることは、場合によっては一種のパワハラと認識されており、場合によっては上司の評価が大きく下がることにもなりかねないからだ。 そんな状況であるから、「任せるのって、難しいですよね」という声が出る

    任せるのが上手な上司と、任せるのがへたな上司。何が違うのか。
  • 「仕事はほどほど」という人向けのキャリアを考察する。

    キャリア論、というとどうしても「頑張りたい人向けの話」が多い。 まあ、頑張らなければキャリアアップは望めないので、当然とも言える。 だが世の中には「別に仕事で無理して頑張らなくてもいいじゃん。」という方も、数多くいるのは事実だ。 この場合「頑張らない」というのは、もちろん「働かない」ではない。 働かなくては普通の暮らしもままならない。 そうではなく、普通のくらしを目指す、キャリアをアップさせるというよりも、キャリアを安定させたい、という考え方だ。 古い経営者の中には「ほどほどを目指す」という考え方を受け入れられず、「ケシカラン、仕事を一生懸命やってこそ」という頑固な方もいるが、個人的には「継続可能性」という点では、なかなか悪くない考え方だと思う。 では「普通の暮らし」をゴールとし、「会社へ依存しない安定」を狙った戦略の具体論に入る。 骨子は以下の3つだ。 1.最小の労力で、大きな成果を狙う

    「仕事はほどほど」という人向けのキャリアを考察する。
  • 無能にペナルティを課しても、無能は組織からなくならない。では、どうするか。

    いろいろな会社で仕事をしていると、「ケアレスミスをする人」「同じミスを繰り返す人」に結構な割合で遭遇する。 やれるのにやらない、わかっていてもできない、大事なことを忘れる、そのような行動を繰り返す彼らに付けられる名前は無慈悲そのものだ。 すなわち、「無能」である。 そして、世間は無能には極めて厳しい。 ハーバード大学公衆衛生学のアトゥール・ガワンデ氏は次のように表現する。 私たちは、そのような「無能」の失敗に対しては感情的になってしまいがちだ。 「無知」による失敗は許せる。何がベストなのかわかっていない場合は、懸命に頑張ってくれれば私たちは満足できる。 しかし、知識があるにもかかわらず、それが正しく活用されてないと聞くと、私たちは憤慨せずにはいられない。 氏の述べる通り、「知っているのにやらない」時や、「わかっていてミスをした」時には、組織はミスをした人物に非常に冷酷な仕打ちをする。 叱責

    無能にペナルティを課しても、無能は組織からなくならない。では、どうするか。
  • 新卒面接で「サークル」や「ボランティア」など、担当者が分かりやすい話だけを聞いていると、社会と大学の断絶を加速するのでは。

    ちょっと極論になるかも知れませんが。 以前いた会社で、新卒の面接担当になったことが割と頻繁にありました。前途あるキラキラした若者たちの人生を、自分のようなしょーもない大人が左右していいものなのか、あれこれ悩んだものです。 私は専門の人事担当ではありませんので、大体の場合、人事担当を含めた何人かで学生さんとお話します。 一番多かったパターンは、他部署のリーダーも含めた数名と、学生さん数名との間でグループ面接を行うというパターンでした。 その期間を通じて、特に企業側の面接スタンスについて、強く疑問に思ったことが二つあります。 「なんで皆、ボランティア経験だとかリーダー経験だとか、大学や院での勉強、研究と関係ないことを聞きたがるんだろう」 「なんで皆、大学で何を学んできたのかについて全然興味がないんだろう」 この二つです。 私の認識が間違っていなければ、大学とは最高学府であって、日で最も純度の

    新卒面接で「サークル」や「ボランティア」など、担当者が分かりやすい話だけを聞いていると、社会と大学の断絶を加速するのでは。
  • 「物事がうまくいかないときは、前提をうたがうべき」という癖付けがされている人は強い。

    ネットでの相談が目に飛び込んできた。 私は正社員になりたくて就職活動をしています。 就職活動を1年間してきましたが、事務の内定を取れません。 このままだとまずいということはわかっているのですが、最近では、就職活動を頑張る気が起きません。もうやめたいとすら思ってしまいます。 非正規雇用で働いていたばかりに悲惨な現状にあるという話は、ネットにいくらでも転がっていますね。それを見ると20代のうちに正社員にならないといけないと思うのですが、やる気が出なくて困っています。 厳しい言葉でもいいので、どうすべきか教えてください。 もし当のことであれば、相談者のことをとても気の毒に思う。 だが、気の毒に思うのは「内定を取れない」ことに対してではない。1年以上も同じことを繰り返して、「前提を疑うこと」ができなくなっていることにである。 例えば、あるIT業の会社での話だ。 受託開発をしていた彼らは納期遅延と

    「物事がうまくいかないときは、前提をうたがうべき」という癖付けがされている人は強い。