当ブログは匿名の批判はすべて無視しているが、先日の『Voice』の記事を読むと、ネット上の民間信仰が「作家」や「評論家」に与える影響は無視できないようなので、よくある迷信をまとめてみた。不況の原因は「需要不足」だから、景気対策で需要を追加すれば問題は解決する:需要不足には、短期的な要因と長期的な要因がある。前者は金融・財政政策によってコントロール可能なGDPギャップ、後者はコントロール不可能な潜在GDPである。マクロ政策によって達成可能な成長率の上限は、後者によって決まる。今回の日本のように、アメリカの過剰消費が正常化することによる潜在GDPの低下を「一国ケインズ政策」で埋めることはできない。 財政支出によって「完全雇用」が実現できる:たとえば輸出企業に20兆円のGDPギャップがあるとき、土木事業に20兆円出しても、輸出企業のギャップは縮まらず、土建業に超過需要が発生するだけだ。不況の本