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ブックマーク / blog.tinect.jp (46)

  • 「MPがすぐに尽きてしまう人」は、企業では救えない。

    企業は従業員に対して、労働力の対価として、報酬を払っています。 しかし中には報酬を受け取りながら 「依頼された仕事を、一向にやらない人」 も事実として、存在しています。 「クビにすればいい」という方もいるでしょうが、企業は彼らを雇った責任がありますし、人を活かすという社会的な役割もあります。 企業は決して、人を解雇するのが好きな訳ではありません。 しかも、日では法律的にも倫理的にも「解雇してしまう」というのは当に最後の手段ですから、あの手この手で、彼らを戦力化しようとするのが常です。 そういうとき、企業はまず注意をしたり、叱ったり、責任感に訴えたりします。 実際、「言うだけ」でなんとかなるケースもあります。 しかし、そうではないケースのほうがむしろ多数です。 その場合、企業は「仕組み」からアプローチして、なんとかしようとします。 教育。 配置転換。 他の社員によるアシスト。 ですが、た

    「MPがすぐに尽きてしまう人」は、企業では救えない。
  • なぜ図書館で本を借りることは恥ずかしいのか?

    図書館を借りられることは正しいのか? 「図書館を借りられることは正しいのか?」と問われて、「正しい」と答えるのが正しい。 どのように正しいのか。AIにいくら「図書館を貸し出すことの弊害」を訊いても、結局は「図書館を貸し出すこと、市民がを借りられることは正しい」と答えるくらいには正しい。そのくらいポリティカルに正しいのだ。 日には「図書館の自由に関する宣言」というものもある。1954年に採択された。少し長いが引用したい。 図書館は、基的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。 1.日国憲法は主権が国民に存するとの原理にもとづいており、この国民主権の原理を維持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すなわち表現の自由の保障が不可欠である 知る自由は、表現の送り手に対して保障されるべ

    なぜ図書館で本を借りることは恥ずかしいのか?
  • 女性インフルエンサー「H」についての記事を書いたら、Googleから警告が止まらなくなった話。

    初めに断っておくが、今から私がお話しすることはフィクションである。何なら妄想だと思っていただいて構わない。 私の身に起こったことは事実なのだが、その事実の中に散りばめられたヒントから私が組み立てた推測には、何一つ証拠がないからだ。 なので、私が「嫌がらせの犯人なのでは?」と考えた相手の名前も、この記事中には出さない。 名前は出さないが、ここで話を進めるためには呼び名が必要なので、私はその人のことを「女性インフルエンサーのH」と呼ぶことにする。 ことの発端は、かつて炎上の女王として名を馳せたHの「なりすまし行為」について、私がブログで言及したことだった。 それ以降、私のブログには何者かによる嫌がらせ行為が続いた。 しかも、匿名の誰かによる攻撃のターゲットになったのは、私だけではなかったのだ。 私と同じように、Hの「なりすまし行為」について記事を書いた他のブロガーさんのところへも、全く同様の嫌

    女性インフルエンサー「H」についての記事を書いたら、Googleから警告が止まらなくなった話。
  • 「実力主義なら面倒な人間関係は必要ない」はむしろ逆で、ドイツでは出世にコネ必須。

    ドイツ移住してからもうだいぶ経つが、実際に暮らしてみて、イメージとはちがうことが多々あった。 ドイツ人だって「かわいいね」とお世辞をいうし、地域によってはビールよりワインが好まれるし、みんなそこまで時間に正確なわけでもない。 そんななかで一番驚いたのが、ドイツ人がバリバリ残業して、そこそこ頻繁に職場の飲み会に顔を出していることだ。 え、ドイツ人って定時に帰るんじゃないの? 職場の人間関係はドライで、プライベートは別なんじゃないの? 最初はびっくりしたが、だんだんと、「実力主義になればなるほど飲み会が大事になる」という、イメージとは真逆の現実が見えてきた。 イメージとちがう!定時に帰るドライなドイツ人はどこ? 少し前、こんなツイートがバズっていた。 アメリカの会社で生き残る方法としては朝ちょっと早めに行ったり、定時の後他のチームメイトに手伝えることありませんかと声掛けして確認し無償残業した

    「実力主義なら面倒な人間関係は必要ない」はむしろ逆で、ドイツでは出世にコネ必須。
  • それでもコロナは施設や病院を麻痺させ、弱い人を殺してしまう。それをわかったうえで議論していますか。

    ホーム > それでもコロナは施設や病院を麻痺させ、弱い人を殺してしまう。それをわかったうえで議論していますか。 「新型コロナウイルスの脅威」と言って、今、気で怖がっている日人はどれぐらいの割合だろう? たぶん、あまりいないだろうと私は想像する。 2020年、まだこのウイルスが正体不明だった頃は、大半の日人が脅威を感じて外出やイベントを自粛した。 クルーズ船報道が物々しかったこと、有名芸能人が死去したこと、等々もウイルスの脅威を印象づけ、自粛に拍車をかけたかもしれない。 それから二年の歳月が流れた。 日における感染者数は、2020年とは比較にならないスケールになったが、景気は悪くなり、人々は世界的なインフレと円安に神経を尖らせてインバウンドに期待している。 そこから察するに、日人の大半は、今はあまり脅威を感じていないのではないだろうか。 社会全体の数字を見れば、確かにそれもそうだと

    それでもコロナは施設や病院を麻痺させ、弱い人を殺してしまう。それをわかったうえで議論していますか。
  • わかりやすく話すためには「話しすぎない」というスキルが必要。

    なかなか、わかりやすく話せない…という方は多いかもしれません。 それどころかむしろ訓練を受けていない、ほとんどの人の話は、論理的でもなく、筋道も通っておらず、「わかりにくい」のが普通なのでしょう。 ただ、プライベートでは、それほど「話のわかりやすさ」を問われません。 何となくその場の雰囲気で、皆、うなずいてくれるからです。 「ま、言ってることはわかんないけど、追及するのも面倒だからいいや」とか 「大したこと言ってるわけじゃなさそうだから、適当に笑っておこう」とか。 通常、多少の分かりにくさは、すべて無視されてしまいますから、支障はないのです。 仕事では「話のわかりやすさ」は死活問題 しかし、仕事においては少々事情が異なります。 理解不足が、場合によっては責任問題に発展することもありますから、「面倒だから、まあ流しておけばいいや」では済まされません。 基的には、相手の話を細大漏らさず理解す

    わかりやすく話すためには「話しすぎない」というスキルが必要。
  • たいていの一般人は買い物には「コスパ」が重要で、企業の理念になんて、これっぽっちも興味がない。

    93%→44% 47%→67.4% さて、これはなんの数字だろう。 さっそく種を明かすと、これはドイツの人の「品を買う基準」の統計結果だ。 ロシアによるウクライナ侵攻前の2月末~3月頭にかけてのアンケートでは、品を買う基準は「味」と答えた人は93%、「価格」と答えた人は47%。 しかし4か月後、7月のようすを見てみると、「価格」が67.4%で「味」が44%と、価値観は大きく変化した。 ドイツ品価格が高騰、消費者は味よりも価格を重視(ドイツウクライナロシア) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp) 元ソース→https://www.bve-online.de/presse/pressemitteilungen/pm-180722-lebensmittelpreise-deutsche-sorgen-sich-und-achten-me

    たいていの一般人は買い物には「コスパ」が重要で、企業の理念になんて、これっぽっちも興味がない。
  • 「とりあえずやってみて」とか「まずは自分で考えて」が、今の若者に響かない理由。

    わたしはアルバイト時代、「とりあえずやってみて」「まずは自分で考えて」と言われるのが大嫌いだった。 とりあえずやっても、わからないことがたくさん出てきて途方に暮れるし、自分で考えたところで、それでいいかだれかにお墨付きをもらわないと行動に移しづらい。 どうすればいいのか知ってるんだから、教えてくれればいいじゃん。 とりあえずやってもどうせ失敗してやり直しだし、自分で考えてやっても上の人にいろいろなおされて結局相手の希望通りにさせられるなら、最初から教えてよ。 そう思う。 でもこの思考回路は、「最近の若者はすぐ答えを知りたがる」と、上の世代の人たちからはすこぶる評判が悪い。 「自分でやろうとせず他人に甘え、楽をしようとしている」と受け取られるからだ。 でも、「とりあえずやってみて」が若者に響かないのには、相応の理由があるんだよなぁ。 「無駄なく最短ルートで成長したい」若者たち 「世代論」につ

    「とりあえずやってみて」とか「まずは自分で考えて」が、今の若者に響かない理由。
  • 「依頼された仕事をやらない人」は、なぜあれほど言われても、仕事をしないのか

    私は、あらゆる組織・個人の中に、「依頼された仕事をやらない人」を見てきた。 例えば、コンサルティングに訪問した会社のプロジェクトチーム内に。 あるいは、執筆を依頼したライターさんに。 またあるいは、会社の同僚・部下に。 彼らは確かに、「依頼された事柄」に対して、「はい、引き受けます」という。 しかし、遂行される気配がない。 心配になって、「あれはどうなりましたか」と聞く。 すると「あ、すいませんやります」と返ってくる。 しばらく待つ。 それでも何も遂行される気配はない。 もう一度「この仕事、やりますか」と聞く。 「やります」と返信がある。 それでも、何も遂行される気配はない。 結局、こちらから連絡するのをやめ、処理はこちらでやることになる。 こういう人々には、「引き受けたじゃないですか!」と怒ったところで無駄であるし、代わりの人を探したり、時には自分でやったりしたほうが早いからだ。 でも、

    「依頼された仕事をやらない人」は、なぜあれほど言われても、仕事をしないのか
  • 「相手にコミュニケーションコストを丸投げする」ような上司に釈然としません。

    この記事で書きたいことは、ざっくり以下のようなことです。 ・「頭の悪い人がよく使う話し方」というような記事を読みました ・「情報のやり取り」という意味で、対話における聞き手と話し手の立ち位置に来差はなく、価値の高い対話は双方が協力して作り上げるものです ・それを無視して、「話し手」に一方的にコミュニケーションコストを負わせるのはあまり妥当だと思えません ・聞き手としても価値の高い対話ができるように考えたいですよね よろしくお願いします。 さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんにいきましょう。 先日、こんな記事を拝読しました。 頭のいい人はそう答えない…「頭の悪い人」が会話の最初の5秒によく使う話し方 以下、一部引用します。(引用部分は無料部分のみですが、当然記事としては全文読んでおります) 質問に対して、小学生のような答えしかできない人がいる。 仕事で講演会

    「相手にコミュニケーションコストを丸投げする」ような上司に釈然としません。
  • ワールドトリガー24巻が泣ける程面白かったので面白さについて解説させてください

    いや、当、「なんでこんな地味な展開なのにこんっっっなに面白いんだ……!?!?!?!?」って素で感動したんですよ。 あまりに感動し過ぎて、そのままの勢いで「Books&Appsで書いてもいいですか!?」って安達さんに頼み込んで書かせてもらうことになりました。 ビジネスパーソンを励ましそうにない記事を載せて頂けることに感謝しかありません。 今回、やってることだけ見ると「閉鎖された環境でキャラクターたちが宿題やったり話し合ってるだけ」なんです。 当にそれだけ。戦闘もなければ修行シーンもなく、主人公たちに重大な危機が迫るわけでも、大きな何かを達成してカタルシスが得られるわけでもない。展開自体は凄く地味なんです。 けれど面白い。 もしかすると大規模侵攻編やB級ランキングバトル編さえ越えて、今がワートリ史上一番面白いまであるんじゃないか、と思うくらい面白く感じてしまいまして、この面白さについては一

    ワールドトリガー24巻が泣ける程面白かったので面白さについて解説させてください
  • 部下の給料を上げることが、上司の最大の仕事。

    今から、「部下の給料をどう上げるか」ということから色んなことを逆算して考えるようにしたら上手い具合に仕事が回るようになった、という話をします。 昔在籍していた会社での話なのですが、当時お世話になっていた上司の、印象に残っている言葉の中に「部下の給料を上げることこそ上司の最大の仕事だ」というものがあります。 酒の席で、一人で勝手にがばがば飲んでは勝手に潰れる人だったんですけど、その際ちょくちょく聞きました。多分口癖だったんだと思います。 正直言いますと、私、当時はあんまりこの言葉にいい印象がなかったんですよ。 まあそりゃ給料が上がるのはありがたい話だけど、実際頑張って成果を出して給料上げるのは部下である自分自身だし、それを「上司仕事」なんて言われてもなあ、と。 まるで「お前の給料が上がったらそれは上司の手柄」みたいなニュアンスじゃないかな、とか、給料が上がったら上司に感謝しろよ、と言われて

    部下の給料を上げることが、上司の最大の仕事。
  • 「不機嫌で人を支配しようとする人」の気持ちがわかった話

    とある経験を経て、「不機嫌で人を支配しようとする人」の気持ちとその発生機序がだいぶ分かった気がしたので、ちょっとそれについて書かせてください。 まず前提として、しんざき家には、「察してもらうな、察するな」「どんなことでも言葉にしよう」という家訓があります。 して欲しいこと。して欲しくないこと。嬉しいこと。嫌だと思ったこと。賛成、反対、不満、満足、喜怒哀楽。 どんなことであれ、とにかく言葉にしましょう、と。全部言語化して、遠慮なく相手に伝えましょう、と。 パパもママもエスパーではないのだから、君が考えることを何も言われずに察することは出来ません、と。 君にエスパーであることを期待もしませんから、パパもママも言いたいことは全部口にします、と。 そういうコンセプトです。 ことあるごとに「とにかく言葉に」と言ってます。これについてはかなり徹底していると思います。 「言わないで気付くのを待つ」という

    「不機嫌で人を支配しようとする人」の気持ちがわかった話
  • 「要領がいい子」とそうでない子の、勉強法のちがいについて。

    「要点の見分け方をどうやって身に着ければいいのか」という話をします。 いきなり例示から入るんですけど、ちょっと次の引用文を読んでみて頂けるでしょうか。面倒な方は斜め読みで大丈夫です。 鎌倉を拠点とした源頼朝は、無断で朝廷から官位を受けた弟の義経を許さず、義経をかくまった平泉の奥州藤原氏をほろぼして、東北地方をも支配下におきました。一方、にげた義経をとらえることを口実に、1185年、国ごとに守護を、荘園や公領に地頭を設置しました。頼朝は1192年に征夷大将軍となり、武士による新しい政治を始めました。 頼朝の開いた鎌倉幕府は、家来となることを誓った武士を御家人にして、先祖から引きついできたその領地の支配を認め、てがらに応じて新たな領地や守護・地頭の職を与えました。 鎌倉幕府成立前後の経緯についての記述ですね。 文章としては、帝国書院、「中学生の歴史」からの引用です。長男が学校で使ってる教科書な

    「要領がいい子」とそうでない子の、勉強法のちがいについて。
  • 我が家では「コロナがおさまったらやりたいことリスト」を作るようになった。

    コロナ禍で子どもの「あれがしたい」「これがしたい」に「その内ね」と言わざるを得ないケースが激増した現状、子どもの願望、欲望をどうやってメンテナンスし続けるか、ということを、ここしばらく考え続けています。 この記事で書きたいことは、大体以下のような内容になります。 ・「経験」「体験」の質と量は、人生における非常に重要な武器になる ・その為には、「願望」「欲望」を適度にもち、それを表現出来る、ということがとても重要 ・けれど、願望-経験サイクルは「望んでもかなわない」ということが続くと機能不全に陥りがち ・コロナ禍で特にそれが進行しているような気がする ・「願望-経験」サイクルを止めない為に、色んな工夫をすることが重要かも知れないですよね 以上です。よろしくお願いします。 さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんにいきましょう。 *** 一時期、子どもたちが「どこど

    我が家では「コロナがおさまったらやりたいことリスト」を作るようになった。
  • 今の世の中は、「言語化する能力」が高い人が、有利に事を運べる

    今の世の中は、「言語化する能力」が高い人が、有利に事を運べる。 とくに知的な仕事では、自分の思考を、他者に理解させ、そして動かす力が、とても重要だ。 要求を伝えること アイデアを交換すること 組織や人のつながりを作ること これらすべてにおいて「言語化能力」は、重要であり、「賢さ」の要件の一つであることは間違いない。 実際、かつて私が所属していたコンサルティング会社の組織長は、言語化能力の応用の一つである、「ネーミング」に非常にこだわっていた。 仕事のできる人が「ネーミング」に信じられない程こだわる理由。 人は、名前のないものについて、深く考えることはできない。逆に名前を生み出すことで、新しい概念についても考察できる。 だから、できる人はまず考察の対象の「定義」を考える。 そしてその定義に名前をつける。ネーミングは、思考の出発点だ。 時に、一つの様式の名前を決めるために、延々と数時間を費やす

    今の世の中は、「言語化する能力」が高い人が、有利に事を運べる
  • コンサルタントやってた時、重要な対人技術として『「ちがう」と言うな』と習った。

    コンサルタントのころ。対人技術を教わった。 様々なものがあったが、その中でも群を抜いて重要な技術の一つは 「会話の時、人の話を否定しない」こと。 具体的には、人に『ちがう』と言ってはいけなかった。 * 若干うろ覚えだが、客先で、こんなことがあった。 プロジェクトで、部門別の目標を立てて、発表してもらった時のことだ。 私:「では、営業部2課の目標の発表をお願いします。」 営業2課:「既存顧客を中心に、前年比10%の売上アップです。」 私はここで、おかしいな、と思った。 先日の経営会議で 「営業2課は、新規開拓を中心にした目標にしてほしい」 との指示があったからだ。 それがなぜか既存顧客中心にすり替わっている。 訂正させなければならない。 が、「その目標、間違ってませんでしょうか?」と否定するのはご法度だ。 私は思案した。 どうすれば担当者を否定せずに済むのだろう。 そこで確認した。 私:「確

    コンサルタントやってた時、重要な対人技術として『「ちがう」と言うな』と習った。
  • 「物乞いに、決して物を与えるんじゃない」という言葉に、少し共感してしまう。

    伊集院静さんの『ひとりをたのしむ 大人の流儀10』(講談社)というエッセイ集のなかに、こんな話が出てきたのです。 私の父親はよく”働かざる者うべからず”という言葉を口にした。 私は、父と向き合って話をしたことがほとんどない。 それでも少年の頃、私と弟の前で、 「いいか、どんな人も働かなくては生きて行けないんだ。まずおまえたち一人一人が手に職を付けて、生きていけるようにせねばならん。そうでなければ飯(まんま)もべられんのだ」 と言ったことがあった。 父は仕事をしない人間を嫌った。 父は物乞いをしている人に、決して物を与えるんじゃない、とも言っていた。 一度、父の前に物乞いが座り、声を掛けたのを見たことがある。 「旦那、お恵みをして下さいまし」 子供の私には、その人がどこか身体が悪くて立ち上がれないように思えた。 すると父は相手にこう言った。 「なぜ、そんなことをしているんだ。どこか身体の

    「物乞いに、決して物を与えるんじゃない」という言葉に、少し共感してしまう。
  • 大学の恩師に教わった、「なにがわからないか、わからない」ときの質問のしかた。

    「恩師」の意味を「人生全体に渡って、大きく影響を及ぼす程の薫陶を受けた人」と定義した場合、私には恩師と言って良さそうな人が二人います。 一人は、小学校の3年から4年の時に担任をもってもらったH先生。 もう一人は大学の専門課程、国語学研究室でお世話になったS先生。 H先生については、人生の選択に関わる重要な示唆を色々と頂いたなーと思っていて、例えば昔この記事で書いたんですが、 忍者ハットリくんが、私の人生を大きく変えた、という話。 「ファミコンの忍者ハットリくんに巻物が出てきてかっこいいから、物の巻物にも触ってみたい」 と素っ頓狂なことを言い出した私に、 「巻物は大学行かないと触れないよ」と答えて、さり気なく「大学=巻物」という刷り込みを行ったのがH先生です。 多分私、この教えがなかったら大学行ってませんでした。 上記の記事でも書いた通り、私は大学での専攻として、「巻物に触りたいから」とい

    大学の恩師に教わった、「なにがわからないか、わからない」ときの質問のしかた。
  • Amazonで「鬼滅の刃」のコミックを買ってしまったのに、どうしても読み始める気になれない。

    鬼滅の刃」が絶好調だ。 あえて説明する必要もないが、劇場版の興行収入がえらいことになっていたり、単行の売り上げがドえらいことになっていたり、最終巻を求めて長蛇の列ができたり、めちゃくちゃ転売されたり、わけわからんコラボグッズが出たり、とんでもない状況だ。 見ると、町ゆく子どもたちのマスクまでどこかで見たような柄のものになっている。 これはもう社会現象と言っても過言ではないのだろう。 この「鬼滅の刃」はすごい。 たぶんどえらい作品だ。 そんなもの詳しくなくても分かる。 ただ、「たぶん」と表現しているのは、実はまだ観たことがないからだ。 そう、僕はこの作品に全く触れていないのだ。 原作も見てなければアニメも見ていない。もちろん劇場版も見るつもりはない。 やはり、たとえ末端といえども文章を書いたりして表現活動をしている者として、こういった作品は必ず抑えておく必要がある。 社会現象は多くの人に

    Amazonで「鬼滅の刃」のコミックを買ってしまったのに、どうしても読み始める気になれない。