二酸化炭素(CO2)排出量が比較的少ない天然ガスの需要が高まり、世界でガスタービンが奪い合いになっている。世界的なインフレに加え、ウクライナ危機以降、現実的な脱炭素戦略に転換した欧州各国がガス火力発電所を大量導入し、タービンの価格が上昇。各国のデータセンター増設による電力需要の増大も拍車をかける。日本の電力会社は入手が困難になってきた。 瀬戸内海を望む三菱重工業の高砂製作所(兵庫県高砂市)。組み立て工場に構えられた3つのステーションに出荷を控えた巨大なガスタービンが横たわる。大きいもので長さは約17メートル、重量約550トン。完成したタービンは、クレーンで船に積まれ、国内外へと運ばれていく。発電所に設置されたタービンは、1分間に3000回転することで発電機を回して電気を生む。