佐賀市大和町梅野にある国道263号の拡幅工事の現場付近で、江戸時代に作られたとみられる磨崖仏が見つかった。 「南無大悲観世音菩薩」と彫られており、元佐賀県立博物館学芸員の志佐●彦さん(83)によると、磨崖仏としては県内最大級で文化的価値も高いという。「残してほしい」と求める声があることから、県佐賀土木事務所は保存する方向で検討している。(※●は「りっしんべん」に「軍」) 昨年9月に着工して道路脇の樹木を伐採した際、文字が彫られた岩(幅14メートル、高さ約5メートル)が現れた。文字の上部には仏像の頭部にある 頭光 ( ずこう ) が、下部にはハスの花が描かれている。台座の文字から、1674年(延宝2年)に作られたと推察され、観音経の一節も彫られている。 過去の災害などを記した「佐賀県災異誌」(1964年発行)には、1669年(寛文9年)に九州北部が風水害に遭った様子が記されている。志佐さんに