<公正な選挙の実施を妨げているQアノン。陰謀論を拡散する謎の集団はいかにして信者を取り込んでいるのか。影響力拡大の実態と、制御が困難な理由とは?> 最初に仕掛けた3人の名は分かっている。トレーシー・ディアス、ポール・ファーバー、そしてコールマン・ロジャースだ。彼らが謎の人物「Q」に成り済まし、リベラル派は危険な小児性愛者だという怪しげな陰謀論をばらまいた。2018年のことで、それがQアノン(匿名のQ)と呼ばれる偽情報拡散ネットワークの始まりだった。 彼らはインチキ情報の拡散で巧みに稼いでいる。まずはアメリカ政府の最高機密にアクセスできるという人物「Q」をでっち上げ、ドナルド・トランプ米大統領の下でヒラリー・クリントン元国務長官らの悪徳小児性愛者を一斉検挙する作戦が進行中だという説をSNSに投稿した。 「Q」の投稿は暗号交じりで難解なので、彼らはそれを解読し、民主党は小児性愛と人身売買の悪魔
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